他に選択肢がなく、29歳で上京~「事務所預かり」の身分からスタート

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3月27日放送  ゲスト:女優 久保田磨希 第2回

他に選択肢がなく、29歳で上京~「事務所預かり」の身分からスタート

ディズニーとキャメロン・マッキントッシュのタッグによりミュージカル化された『メリー・ポピンズ』。その名作の日本人キャストによる公演が実現。久保田磨希さんがパンクス家の家政婦・ミセス・ブリルを浦嶋りんこさんとダブルキャストで演じます。


大阪芸大在学中に始めた芝居にハマる

黒木)おはようございます、黒木瞳です。毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺っていくあさナビ、ゲストは女優の久保田磨希さんです。
大阪芸大ご出身ですが、元々は制作のコースを選ばれていた。ということは、制作をしようと思われたんですか?

久保田)もともと女優希望だったのですが、私の年代はテレビドラマや映画、もうトレンディドラマの時代でした。3枚目の役も美人でした。私みたいなのが女優になれるわけがないので、だったら好きな映画やテレビを作る人になりたいと思いました。

黒木)制作コースでは、どんなことを勉強するのですか?

久保田)ドラマのカット割りの分刻みの方法とか。

黒木)記録さんですね。

久保田)記録さんになりたかったんです。そういうことをやりました。カメラもいじったり。

黒木)技術もいろいろ教わったのですか?

久保田)はい。ただ、もう20数年前なので、いまはだいぶ変わっていますが。

黒木)4年間そういうことを勉強なさって、卒業になりますよね。卒業のとき、どこに行こうと思われたのですか?

久保田)1年生のときから、4年間だけお芝居しよう、卒業するときはちゃんと就職しようと思っていたのですが、1年生でやり始めたら、自分で嫌だった顔や身体が大きいことが、「いいね!」と言われて。「え、そうですか?」みたいに評価されました。

黒木)その芝居をやり始めたのは、大学内での芝居サークルみたいなものですか?

久保田)そうです。最初はただの演劇部です。4年で辞めようと思ったので。やったらスゴく楽しくて。自分が嫌いだったところが「いいね」と言われるし。自己カウンセリングしているみたいな感じでハジけてしまったのです。

黒木)長所になっていくわけですね。やはり芝居が好きだったから。

久保田)そうですね。やれたら嬉しくて……もうアルバイトして、お芝居して、たまに学校行って、みたいな感じでした。

黒木)4年間芝居して、じゃあ、これで辞めようと?

久保田)思ったのですが、途中から辞める選択肢はなくなってしまって、卒業したときも、よくそんなことができたなと思うんですが、アルバイトしながら小劇場でずっとやろうと思って、就職試験は受けたことないです。

黒木)小劇場でオーディション受けられていたということですか?

久保田)オーディションを受けたり、自分で旗揚げした劇団やったり、プロデュース公演に出させてもらったりしていました。

黒木)それは大阪で?

久保田)大阪です。

他に選択肢がなく、29歳で上京~「事務所預かり」の身分からスタート

大坂での仕事がなくなり、「東京へ行くしかない」と29歳で上京

黒木)いつ東京に来たのですか?

久保田)29歳のときです。スゴく遅いんです。

黒木)じゃあ22で卒業して、オーディション受けたり、大阪でいろいろ活動していて、そこから東京進出まで7年。どういうきっかけで東京に?

久保田)その頃大阪で制作していたドラマが次々となくなっていったんです。劇場も減っていった。このままではやりたいことがやれなくなってしまうという状況になりました。でも東京に出るのが恐くて、そんなに根性があるわけでもなかろうと思い、東京へ行って辞めて潰れてしまうくらいなら大阪でやっていた方がいいかなと思っていたのですが、劇場はなくなり、ドラマもなくなったら、これはもう「行くしかない」となって、29歳で「行こう」と。

黒木)単身?

久保田)はい。

黒木)バイトしながら、オーディションですか?

久保田)そうですね。事務所に「まず預かりね」と預かってもらったんです。それがいまのところですが、「1年で結果が出なければ辞めてもらいます」という感じでした。それで、バイトしながら事務所に顔出したり、映画を観に行ったり。暇はあったので、そんなことをしていました。

黒木)それがいろいろな作品の常連になられて。「大奥」では皆さんの注目を浴びて。

久保田)大奥も、暇だったから入れたんです。私がやらせてもらった役をずっと探していて、候補の方たちは3ヶ月間ガッツリ京都に行けない忙しい方ばかりで。ぜんぜん決まらないなか、私はスケジュールがガラ空きだったので。

黒木)これも運命ですね。1つ1つがスゴく逞しい、いまの久保田さんを作り上げていらっしゃるのかな、と感じます。

他に選択肢がなく、29歳で上京~「事務所預かり」の身分からスタート

久保田磨希/女優
1973年2月27日生まれ。京都府福知山市出身。大阪芸術大学芸術学部放送学科卒業後、
1998年のTBS系昼ドラ『いのちの現場から5』でテレビドラマ初出演。関西を中心にして活動し、2002年に上京。
2003年、フジテレビ系ドラマ『大奥』の奥女中役で注目を集め、その後、数多くの映画・ドラマ・舞台に出演。バラエティ番組にも多数出演。
2006年6月に結婚。2011年に女の子を出産。
3月18日から5月7日まで、ミュージカル『メリー・ポピンズ』東京公演に出演。
5月19日から6月5日までは大阪公演。

(2018年3月27日放送分より)

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