スポーツ人間模様

怪物・逸ノ城が帰ってきた 大相撲春場所

 

大相撲春場所 9日目 ◯逸ノ城(寄り切り)貴景勝× 提供産経新聞

 

いよいよ終盤戦に突入した大相撲。先場所(初場所)同様、横綱・鶴竜関が全勝で突っ走る中、「ボクのことも、忘れちゃいませんか?」と実力を発揮しているのが、東小結の逸ノ城 駿(いちのじょう・たかし)関・24歳です。

きのうは、初日から9連勝と絶好調の、西の小結・魁聖(かいせい)関と「小結対決」。逸ノ城関は体重215キロ。魁聖関は205キロ。「現在、関取の中で最も体重の重い力士」対「二番目に重い力士」でしたが、  2人合わせて420キロ対決を制したのは、逸ノ城関でした。これで逸ノ城関は8勝2敗と、今場所の勝ち越しが確定。全勝の魁聖関に土をつけ、優勝争いに踏みとどまったのです。

モンゴル出身の逸ノ城関。鳥取城北高校への相撲留学を経て、2013年に実業団横綱となって、2014年、幕下15枚目格・付け出しで大相撲入り。初土俵からわずか5場所で、ザンバラ髪のまま新入幕を果たし、幕内デビュー場所の2014年秋場所で、当時大関だった稀勢の里関と、大関・豪栄道関、さらに横綱・鶴竜関を3日続けて撃破。新入幕の力士が、横綱と大関2人に勝ったのは、もちろん史上初の快挙で、この場所は13勝2敗。新入幕優勝は惜しくも逃しましたが、殊勲賞と敢闘賞をダブル受賞。「逸ノ城旋風」が巻き起こりました。続く九州場所ではいきなり関脇に躍進。「逸ノ城はすぐに大関・横綱になる」と誰もが思いましたが……

ところが、ここから足踏みが続きます。関脇を陥落し、ここ3年間は、幕内の上位と下位を行ったり来たり。ひじょうに歯がゆい状態が続きました。原因は、動きを良くするために始めたダイエット。200キロを超えていた体を190キロ台に絞ったことで、持ち前のパワーを失ってしまったのです。稽古を重ねることで筋肉の量を増やし、体重を元に戻していった逸ノ城関。去年の九州場所、今年の初場所と2場所連続で10勝を挙げ、今場所は小結に復帰。16場所ぶりに三役に返り咲いたのです。そして10日目で、全勝の魁聖関を引きずり下ろし、早くも勝ち越し。

「三役で勝ち越したことはあるけれど、いつも終盤だった。前よりちょっとは成長できたかな」

と笑う逸ノ城関。「怪物・逸ノ城」が帰ってきました。

きょうの相手は10戦全勝の横綱・鶴竜関。「荒れる春場所」の主役になれるか、注目しましょう!

 

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