小坂忠50年の音楽生活 【大人のMusic Calendar】

OMC20160708-kosaka-chu-011[1](w680)

デビュー50周年を迎えてますます元気な小坂忠。21世紀に入ってから、 大小様々な会場で彼のライヴを体験しているが、のびのびとして艶のある歌声の力にいつも驚かされる。

小坂忠の歌声をはじめて聴いたのはエイプリル・フールのアルバムだった。
60年代の後半、英米のロックが歌主体から演奏主体に振れ、サイケデリックなサウンドやブルースを素材にした即興演奏がもてはやされた時期。彼らの音楽にもその影響は明らかで、意欲が素敵だなと思った。
しかし演奏に埋もれそうになりながら彼が叫ぶようにうたっているのを聞いて戸惑った、というのも正直なところだった。

OMC20160708APRYL-FOOL.(w680)jpg

エイプリル・フールはアルバム一枚だけを残してあっという間に解散。メンバーはそれぞれの道を歩みはじめた。その中で最もよく知られているのは、細野晴臣と松本隆が結成した「はっぴいえんど」だろう。小坂忠も最初はそこに参加するはずだったが、ロック・ミュージカル『ヘアー』への出演が決まり、袂を分かつことになった。

その彼がソロ・シンガーとしてデビューしたのは、新しくできたマッシュルーム・レコードからだった。
マッシュルームは、作曲家の村井邦彦、ロック・シンガーの内田裕也、サムライというグループで海外活動した後、帰国してきたミッキー・カーティス、『ヘアー』のプロデューサー川添象郎、京都のイベンター木村英樹らが設立したレーベルで、ロック世代の若手ミュージシャンを次々に紹介した。
たぶんこのレーベルでいちばんよく知られているアーティストは「学生街の喫茶店」のヒットを放ったガロだろう。

小坂忠がマッシュルームからデビューすることになったのは、『ヘアー』の川添象郎つながりと思われる。しかしそこから発表されたアルバム『ありがとう』は、エイプリル・フールや『ヘアー』とはずいぶんちがって、穏やかなカントリー・ロック調の曲で占められていた。アメリカでカントリー・ロック的な音楽が新しい流れだった影響に加え、彼が住んでいた埼玉県狭山市のアメリカ村での生活感覚にもぴったりだったということだろう。

OMC20160708ありがとう(w680)
『ありがとう』写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト

それはエイプリル・フール時代からの盟友細野晴臣との再会の結果でもあった。細野とは次のライヴ・アルバム『もっともっと』でも緊密な関係が続き、後の『HORO/ほうろう』へとつながっていく。
またこの時期に結成していたフォージョーハーフは、駒沢裕城、松任谷正隆、後藤次利、林立夫という豪華メンバーだった。というのは後から言えることで、当時はまだ全員未知数の若いミュージシャンだった。そんな人たちを集めることができたこと自体、先を見る感覚がそなわっていた、ということだ。
また、後に田端義夫に「機関車」がカバーされるが、この時期はソングライターとしての彼の才能が開花しはじめた時期でもあった。

OMC20160708もっともっと(w680)
『もっともっと』写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト

1975年の『HORO』では細野らのティンパンアレーと組み、ポップでソウルフルなヴォーカルに新境地を開いた。Jポップでソウル/リズム&ブルース的な音楽が話題になったのは90年代に入ってからのことだから、彼の試みがいかに先駆的だったかがわかるというものだ。
ただし当時のツアーは、ご本人に聞いた話では、素晴らしいミュージシャンに囲まれたのはよかったが、歌手として居場所のなさを感じることもなかったわけではなかったとのこと。そんな苦労があったとは、当時は思いもよらなかった。

OMC20160708ほうろう-40th-Anniversary-Package(w680)
『HORO』写真提供:ソニー・ミュージックダイレクト

その後の活動を振り返ると、日本のゴスペルに先鞭をつけたことも忘れられないが、細かく書いていくと、いつまでたっても話が終わらない。何はともあれ、彼の素晴らしい歌声は、日本のポップスの宝物だ。恵まれた喉を大切に、これからも末長くいい歌をうたっていってほしい。そう願わずにはいられない。活動50周年おめでとう。

【執筆者】北中正和

<ソニーミュージック 小坂 忠公式サイトはこちら>
http://www.sonymusic.co.jp/artist/Kosakachu/

 

 

OMC20160708-kosaka50th_logo(w680)
タイトル写真提供:ホットスタッフプロモーション

<小 坂 忠 豪華ゲストを迎えてのデビュー50周年記念ライブ決定!>

小坂忠のデビュー50周年記念ライブが、9月5日(月)東京・渋谷区文化総合センター 大和田 さくらホールで開催される事が決定した。

小坂忠は1966年ロックグループ「ザ・フローラル」でデビューし、後に細野晴臣・松本隆らとともに「エイプリルフール」を結成。
76年クリスチャンとなり、ゴスペルソングに軸足を移し活動を継続。現在もシンガーであり、牧師。ライブ、レコーディング共に精力的に活動している。

今回の公演では、Dr.kyOnと佐橋佳幸が音楽監督を務め、50周年を祝福する豪華なゲストが出演。
思い出の街・渋谷で、一夜限りの奇跡のような宴が開催される。

なお、チケットは7月10日から一般発売。

<小坂忠オフィシャルサイト> http://www.chu-kosaka.com/

小坂忠 Debut 50th Anniversary
~Let the GOOD TIME’s ROLL~
日時:2016年9月5日(月) 開場17:30/開演18:00
会場:東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
http://www.shibu-cul.jp/guide_sakura.html

<出演>※五十音順/敬称略
小坂 忠
Asiah/尾崎亜美/小原礼/金子マリ/駒澤裕城/佐野元春/鈴木茂/曽我部恵一
中納良恵(EGO-WRAPPIN’)/西海孝/西村浩二/林立夫/真城めぐみ/松たか子
MONKY(BBBB)/YASSY(BBBB)/矢野顕子/山本拓夫/吉田美奈子

<音楽監督 >
ダージリン(Dr.kyOn/佐橋佳幸)

料金:全席指定9,800円(税込)
一般発売:7月10日(日)
チケットぴあ 0570-02-9999 http://pia.jp/
ローソンチケット 0570-084-003 http://l-tike.com/
イープラス http://eplus.jp

【問い合わせ】
ホットスタッフ・プロモーション  03-5720-9999 http://www.red-hot.ne.jp/

ミュージックカレンダー