トランプ大統領と金正恩氏の会談は決まっていたこと!?

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3/12(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

文在寅大統領の南北対話の修復は長い時間をかけて作り上げたもの
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター須田慎一郎(経済ジャーナリスト)

金正恩 トランプ 大統領 首脳会談 街頭テレビ

米国のトランプ大統領が北朝鮮の要請を受諾し、金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談が実現する方向に動いたことを伝える街頭テレビ=2018年3月9日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

平昌五輪からの南北融和は出来レースか?

訪朝特使団がトランプ大統領と会談し、金正恩委員長からの会談を申し入れを伝えると、トランプ大統領は即時に会談の招きを受け入れ、5月までに行うと発表した。この一連の動きについて須田慎一郎が解説する。

安倍総理)この北朝鮮の変化を評価致します。北朝鮮が具体的な行動を取るまで最大限の圧力を掛けていく、この日米の確固たる立場は決して揺らぐことはありません。

高嶋)米朝首脳会談実現へ向けて、事は急展開しています。文在寅大統領が打ち上げたような感じで北へ行きました。そしたら金正恩さんがもうニコニコ顔で出てきて米朝会談を申し出た。そして韓国の特使団がアメリカへ飛んで話を伝えると、トランプ大統領は二つ返事で承諾して5月までに金正恩さんと会談すると発表した。それで徐薫さんという情報室長が今日来て、明日総理とも会うらしい。
根本的なこと聞きたいのですが、この一連の動きは、勘ぐると出来レースかとも思うのですが、そんなことはないですか?

須田)まあ出来レースと言えば、出来レースなのですがね。韓国サイドを取材していきますと、今回の動きに関してこういう話が出てきたのですよ。
かつて南北間のパイプというのは、金大中政権、そして盧武鉉政権でかなり太いパイプが水面下で存在していた。ところが李明博政権或いは朴槿恵政権になって全く閉じられてしまった。
文在寅さんが大統領就任後すぐにやったのは、南北対話のパイプを修復することにあった。そして直後にパイプが修復できた、それを通じて南北間の対話がずっと行われてきて、最終的に平昌オリンピックのきっかけに南北統一チームの発足に繋がっていった——これがどうも事実らしい。

高嶋)水面下で南北のパイプの修復が行われて、表に出なかったけれども、具体的な話を詰めて、その結果、北朝鮮がオリンピックに参加したという。

須田)我々は平昌オリンピック以降の動きに対して驚いていますが、これは用意周到に準備された動きだったというのが、韓国国内では一致した見方になっています。

高嶋)文在寅さんの単なる「北大好き」そういうことだけではなくて、もう具体的にいろいろとやっていたのだと。

韓国の国内政治のキーワードとなるアメリカ

須田)その一方で問題なのは、韓国の国内政治の問題で考えてみると保守派が猛烈にこれを反発するわけですよ。北と融和を進めている文在寅さんにとってみると、保守派が反発して文在寅政権の支持率が下がってくると、内政で足下をひっくり返されてしまうという状況にある。だから北との対話を続けて行くことは大事ですが、内政をどう安定させるか。そのキーワードになるのがアメリカというファクターです。どうしてかというと韓国の保守派というのは基本的には親米保守です。ですから今ソウル市内で朴槿恵釈放を求めている保守派の人たちは韓国の国旗とアメリカの国旗をなぜか持っている。だからアメリカの了解、お墨付きを得るということが韓国内の保守派、これはなにも支持者だけではなくてね、東亜日報、朝鮮日報などのメディアも基本的には親米保持ですから。そういった人たちの協力を取り付ける、それもできるわけです。

高嶋)じゃあ金正恩さんのあのニコニコ顔というのは、韓国から出掛けた特使団の人たちは前もって、ああなることが分かっていたわけですか。

須田)まあ事前に予想されていたことですよね。

高嶋)上機嫌で迎えられる。しかも米朝で会談をというようなところまでいくと。

須田)考えてみてくださいよ、北朝鮮というのはトップしか物事を決められない国ですよ。トップの金正恩さんに会うことが一番最優先課題です。それがあんなにスッと出てきちゃったんですよ。もうその前に事前に腹合わせが行われていたと見て間違いないと思いますね。
問題なのは、金正恩さんが言っていることをそのまま実行するかどうか。過去の言動を考えてみるとそこが一番の不安ですね。ちゃぶ台返しがあるかもしれませんから。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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