これで4人目~広報部長が相次いで辞任するトランプ政権の実情とは?

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3/2(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

ホワイトハウスは足の引っ張り合い
6:32~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所・研究主幹)

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ヒックス広報部長が辞任=2018(平成30)年2月28日、米ワシントン・ホワイトハウス 写真提供:共同通信社

ヒックス広報部長が辞任~広報部長の辞任はトランプ政権発足以降4人目

ホワイトハウスは、ホープ・ヒックス広報部長の辞任を発表した。トランプ政権発足後、広報部長は相次いで辞任しており、今回で4人目になる。なぜ、ここまで辞任が相次ぎ、ガタガタな状態になってしまっているのか。この現状について、宮家邦彦氏が解説する。

高嶋)「アメリカの広報部長が、また辞任する」というニュースが入っています。この人は元モデルで29歳の女性、ホープ・ヒックスさん。金髪でスラッと背が高くて。

宮家)それが何故広報部長なのか? よく分からないですね。

高嶋)大統領の好みなのでしょう。能力とは関係なしに、どこへでも配属する。

宮家)確かに。彼女はトランプ家には近い人だそうですから。

高嶋)今回は何があったのでしょう?

宮家)この政権の中身を見てみると、バラバラなわけです。そもそも大統領は実務に関心がないわけですから。物は読まないし、人の話は聞かないし。なので、周囲が頑張ってやらなければいけないでしょう。
ところが、その周囲のグループがバラバラで、みんなが互いに嫌いなわけです。だから、相手を陥れるために情報漏洩をするのですよ。メディアにリークするのです。それで叩けばいいのだから。

トランプ政権の機密情報が洩れるのは構造的な問題

高嶋)だからしょっちゅう辞任の噂が出てくるのですね。ケリーさんもそうですか?

宮家)そうです。ケリーさんを嫌いな人間が「もうすぐ辞める」と言い出すわけです。それで牽制したことになっている。
だけど、そんな政権で広報部長はやっていられませんよ。だって、情報がダダ漏れですからね。それでトランプさんが「おまえ何やっているんだ! 広報部長だろ、何とかしろ!」と言っても、できるわけがない。元々、構造的な問題。漏れていくのは穴があるから仕方がないのです。その穴を全部広報部長が止められるわけがない。

高嶋)日本の場合、ああいう記者会見は菅官房長官が一手に引き受けてやっていますね。
菅さんが機密情報を漏らすとは考えられないし、日本の方がよほどガードされているのでしょうね。

宮家)日本はちゃんと組織的にやっていますから。というか、トランプ政権以外はちゃんとやっていますよ。ここまでダダ漏れしているのは初めて見ました。

高嶋)逆に言うと、分かりやすくていいじゃないですか。

宮家)分かります。秘密がぜんぜん無いから読みやすいですよね。全部、新聞に書いてあるんだもの。これは分かりやすくていいですよね。透明性では、説明責任は果たしていないけど。本当に情報だけ漏れています(笑)。

クシュナーが最高機密の取り扱い資格喪失

高嶋)でも、トランプさんの娘婿で大統領上級顧問のクシュナーさん。彼にはアメリカ政府の最高機密情報を扱う資格を奪い去ったと。「トップシークレットは流さない」と。

宮家)もともと、暫定的にトップシークレットの権限を与えたのだけど、いままでやってきたことを見ていると、「ちょっと危ないのでは」という話になっているわけです。
しかし、大統領の娘婿ですから、その気になれば何でも閲覧可能なわけです。ですから、あまり実質的な意味はないかもしれないけど、やはり象徴的な意味があって。彼がやはり追いつめられている。もしくは、「彼が何かやったのでは?」と……まあ、これも噂です。敵対する連中が流しているのかもしれないけど、その意味ではちょっと痛手かな、という感じです。

高嶋)ロシアとの問題もずっと選挙中から言われ続けていますが、ぜんぜん結論が出ませんね。

宮家)出ませんよ。だけど、おそらくトランプさんは別として、他の人がやっているのは間違いない。だって、「選挙に勝つ」なんて、思っていなかったから。勝つと思っていないから何でもありで、無茶苦茶ですよ。

高嶋)そのようですね。勝ったときにびっくりしたとか。

宮家)奥さんは涙を流したそうですよ……辛くて。

高嶋)分かりやすいような、分かりにくいような、ホワイトハウスですね……

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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