藤井聡太六段はなぜ強いのか? その理由を羽生善治竜王が語る!

あさラジ最後のBIG対談。羽生善治竜王 その2
藤井聡太六段はなぜ強いのか? その理由を羽生善治竜王が語る!

高嶋)ものすごい活躍をしている藤井聡太六段。彼を見ていると、羽生竜王も昔の自分を思い出すんじゃないですか?

羽生)彼は中学生で棋士になって5人目なんですが、ほかの人と違うところは、全般的にすでに完成されているところです。10代前半の時期だと、突出して強いところはあるけれど、荒削りの部分も残っているというのが普通ですが、それが見当たらない。そこに今までにない棋士像があります。また取材やインタビューの受け答えも非常にしっかりしていますね。

高嶋)ボキャブラリーも豊富ですよね。

羽生)語彙が豊富で、中学生とは思えないですね。

高嶋)「僥倖(ぎょうこう)」とかね。

羽生)私、「僥倖」は読めますけど、書けません(笑)

高嶋)羽生竜王の印象だと、これからまだまだ成長していくと思いますか。

羽生)どんな棋士でも10代は伸びていく時期なので、そういう意味では、藤井さんも例外ではないと思います。ただ藤井さんの場合、注目度も高くて、置かれている環境が特殊ですので、本人の努力はもちろん、周りのサポートも大事になってくると思います。

高嶋)特に藤井六段の場合、話題性に富む強運がありますよね。最初に対局したのが加藤一二三九段だったり、公式戦で29連勝したり…。この間は、初のプロ棋戦、朝日オープンで羽生竜王と対局ですからね。これからは本当の敵として羽生竜王に挑戦してくることになりますね。

羽生)年齢が30歳くらい離れていて、本来ならすれ違ってしまう世代ですから、今後はわからないですが、今の藤井さんの活躍でいうと、いまタイトル戦で活躍している20代の若い世代の方が大きな危機感を持っていると思います。

高嶋)いまのビッグタイトルといえば「竜王」と「名人」。現在藤井六段はC級2組で、来期からのC級1組への昇級を決めている状況。「名人」はA級に入らないと挑戦できないんですが、「竜王」の場合は勝ち上がっていけばチャンスがありますから、藤井六段が勝ち上がっていけば、さらに面白くなると思うんですが。

羽生)名人戦は制度上最低でも5年かかるんですが、ほかの棋戦は勝ち上がればタイトルを取ることも可能ですから、これからどのような活躍をされるのか、とても注目されるところだと思います。

高嶋)藤井六段の棋譜は研究しているんですか?

羽生)もちろん。最近はネットや携帯で中継もあるので、対局も観たりしています。

高嶋)そして、大変申し遅れましたが…国民栄誉賞、おめでとうございます!

羽生)ありがとうございます。

高嶋)首相官邸は初めてだったんですか。

羽生)もちろん、中に入るのは初めてです。

高嶋)総理とは何か話をされたんですか。

羽生)受賞の賞状を受け取った後に、返礼品で将棋の盤駒を差し上げたんですが、総理にも駒を持っていただいて、駒を持つ手つきを教えたり…

高嶋)それはテレビでは映ってなかったなぁ…(笑)

高嶋)そして羽生さんは、去年史上初めて「永世七冠」を達成されました。これ、将棋に詳しくないとわからない方も多いと思いますが…永世七冠は7つのタイトル戦で一定の回数勝ち続けることができた人に与えられる称号。羽生さんは去年、竜王の永世称号を手に入れて、永世七冠を達成したということになるんですね。

羽生)永世竜王になるためには「連続5期」か「通算7期」が必要なんですね。私は通算6期を持っていて、7期目に挑戦したのが今回で4回目。それで勝つことが出来て、永世竜王になれたんです。

高嶋)なかなかチャンスがめぐってこなかったですよね。

羽生)竜王戦は勝ち上がるのが大変な棋戦で、挑戦者になるための道のりもかなりハードです。チャンスを活かし切ることが出来て良かったと思います。

高嶋)第一線で勝ち続ける強さの秘密ってどこにあるんですか。

羽生)将棋の戦術はとても早いスピードで変わっていくので、いかにうまく対応・適応していくかが大事になると思っています。例えば、データベースが出てきた時には、データ分析が必要になりますし、ネットが出てきた時には、そこで練習や研究を重ねることが一般的になっていきます。その変化に対応していくことが大事だと思います。

高嶋)昔から行われている将棋。もう戦略は全部出尽くしたんじゃないかという声もあったりするんですが、羽生竜王をもってしても、わかっているのはほんのわずかだと話されていますよね。

羽生)ほんのひとカケラです。

高嶋)そんなに奥が深いものですか。

羽生)将棋は今のルールになってから約400年指されているんですが、可能性は10の220乗あると言われているんです。宇宙にある分子の数が10の80乗とされているので、将棋にはとんでもない可能性があるんですね。400年将棋を指したくらいでは、全く解明したとは言えないです(笑)

~あしたに続く~

3月1日(木)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
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