4個目の金メダルを狙う女子スノーボード・岩渕麗楽とは?

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女子スロープスタイル決勝を終え、報道陣の質問に答える岩渕麗楽=2018年2月12日平昌(共同) 写真提供:共同通信社

昨日は、チームパシュート・日本金メダルで沸いた平昌オリンピックですが、「4個目の金メダル」をひそかに狙っている16歳がいます。スノーボード・女子ビッグエアに出場する、岩渕麗楽(いわぶち・れいら)選手。

2001年、岩手県一関市生まれ。21世紀生まれのオリンピック代表です。現在、一関学院高校の1年生。4歳からスノーボードを始めるとメキメキ頭角を現し、中学1年のときに早くもプロのスノーボーダーに転向。

去年の3月、15歳で日本選手権スロープスタイルを制覇し、国際試合でも活躍。今シーズンからワールドカップに参戦し、去年12月、ビッグエアで初優勝を果たしたスノーボード界期待の星です。身長149センチと小柄で、顔もまだあどけなく、去年スキー場でリフト券を買うとき、高校生なのに「お嬢ちゃん、小学生? 中学生?」と尋ねられたほど。

「ビッグエア」というのは、平昌から正式に採用されたスノーボードの新種目で、斜度が20度以上で、30mから40mくらいの長さの、ジャンプ台のような斜面を滑り降り、踏み切って、空中でエアの技術を披露します。

今回、金メダルを獲った選手が「初代女王」になるわけですが、ワールドカップで優勝している岩渕選手も、その有力候補の一人。本人も「平昌では金です」と宣言しています。ちなみに冬季オリンピックで、日本人最年少の金メダリストは、1998年、長野大会のスピードスケート男子500mを制した西谷岳文選手で、当時19歳1カ月。16歳の岩渕選手は、この記録を大幅に更新することになります。

去年の5月、アメリカ合宿の際に、世界で数人しかできない「バックサイド・ダブルコーク1080(テンエイティー)」という技に初めて挑戦した岩淵選手。

空中で、タテ2回転に加えて、ヨコ3回転を入れる大技で、「360度×3回=1,080度回転する」ということで、「1080」なのですが、簡単にはできない技ですから、失敗したら大ケガをする危険性もあります。万一に備えて、レスキュー隊の電話番号を調べてからチャレンジしたと言います。

みごと、初挑戦で成功させましたが、金メダルを獲るには「これだけじゃ足りない」と、さらに難易度が高い大技中の大技、「フロントサイド・ダブルコーク1080」に挑戦しています。

バックサイドとの違いは「左回り」で、より難しくなるそうですが、公式戦でこの技を成功させた選手は、まだ誰もいません。

そんな中で岩渕選手は10月に練習でこの大技を成功させています。もしオリンピック本番でこの技を決めれば、金メダルは大きく近付いてきます。

そんな岩渕選手、海外遠征も増えて忙しい日々を送っていますが、どんなに多忙でも、遠征先で勉強を欠かさないそうです。しかも料理も得意で、時には家族に手料理を振る舞ったりもするそうです。

注目のビッグエアは、月曜にまず予選が行われ、岩渕選手は3位で決勝に進出。明日金曜日に行われる決勝のシステムは、12人の選手が、1人3回ずつ滑って、高い方から2の合計点で争います。

つまり3中2は成功させないと、メダルは手にできません。誰も成功させていない大技に挑戦するということは、失敗のリスクも伴いますが、ドラマ続きの平昌、16少女が、もう一つ新たな伝説を作るかもしれません。

新種目・ビッグエア、いろんな意味で注目です。

2月22日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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