昨シーズンは泥沼にはまったようなシーズンでした –デンソー プライドペガサス・榎本千波選手-

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昨シーズンは泥沼にはまったようなシーズンでした –デンソー プライドペガサス・榎本千波選手-

2018年シーズンの女子ソフトボールリーグの日程も発表され、各チームには、新戦力が加入。新シーズンに向けて色々な所が新しくなっています。
チームのキャプテン、副キャプテンも代替わりしたり、そんな忙しい中、キャンプを行っています。今年、入団2年目ながらチームの副キャプテンに選出された選手がいます。
その選手は

デンソー プライドペガサス 背番号22 榎本千波(えのもと ちなみ)
1995年生まれの23歳 身長155cm 右投左打

2017年に入団したばかり、今年2年目を迎える、まだまだルーキーの方が近い選手ですが、副キャプテンに選ばれるなど、チームからの期待を感じます。

– 入団2年目で、副キャプテンに選ばれましたが、聞いた時はどうでしたか?

「一番最初は、『おっ!そっか!!』というような驚きがあったのですけど、このチームの中心となって、より一層、チームを成長させていきたいという風に強く思ったので、驚きからがんばるぞ! という気持ちに変わった感じでした」

– 副キャプテンとして、どんな感じで、キャプテンを補佐しようと思っていますか?

「そうですね。ベテラン選手と若手選手の意見を繋ぐような、パイプ役になりたいなと思っていて、このチームをどんな意見も言い合えるようなチームにしていきたいと思っているので、沢山の人とコミュニケーションをとって、信頼関係を深めていけたらいいなと思っています」


■昨シーズンは泥沼にはまったようなシーズンでした・・・

― 昨シーズン、デンソーは、10勝12敗の8位。振り返ってどんなシーズンでしたか?

「泥沼にはまったようなシーズンでした。でも、これ以上にない経験が出来たかなと言う風には思っています」

– 昨年の成績を見て、ここがまずかったかな? という反省点はありますか?

「やっぱり打撃面で、打たなかった所が敗因だったかなと思っています」

– 対戦表をみると、成績が同じようなチーム、戸田中央総合病院や伊予銀行、そして下位チームに連敗したのが痛かった感じですね。

「そうですね。確実に勝ち星を上げたい試合だったので、負けてしまった時は、結構、きつかったですね」

– リーグ戦の中盤で8連敗。連敗中はどんな気持ちになるんですか?

「ミーティングなどを沢山やったんですけど、『どのようにチームを変えて行ったらかてるのかなぁ?』という凄く大きな壁にぶつかっているような気持でした」

– 連敗脱出に向けて、いろいろな事をしたと思うのですが、すべてが上手く回らない感じですか?

「そうですね。毎回、毎回、試合が終わって、監督、キャプテン、チーム全体でもミーティングをして、『じゃあ、次はこれをしよう。これがダメだめだったから、次はこれをしようという風に、色々策を練ってはいたんですけど、それがなかなか勝利につながらなかった感じでした」

– ただ、連敗をストップさせてから、最終節までの連勝も印象的でしたね。勝ち始めたキッカケは、何だと思いますか?

「そうですね。《ここで負けたら入替戦の順位に落ちる》というシオノギ製薬戦で勝てたのが大きいですね。この勝利で、チームに勢いがついたかなと思っていて、『この勝利を無駄にせずに、もうやるしかないね』というチームのまとまりがあっての連勝だったかなと思います。あと、さっき敗因として、打撃をあげたんですけど、その連勝が続いた時は、長打力が上がったので、その勢いもあって、『自分たちはもっとできる、もっとできる』というような打撃に自信をもった形で、試合に入れた事が良かったんじゃないかなと思います」

– 連勝中は、調子がいいから、もっとシーズンが続けばいいのに! とか思いました。

「いや、そこまでは思っていませんでした(笑)」

– この時の連勝は、今シーズンに向けての自信にもなりましたか?

「連勝が続いて、やっぱり長打力が勝ちに近づくという事を、凄く実感したので、そこに関しては、とても自信になったんですけど、でもまだまだチーム全体として、勝ちに行ける自信は、まだ無いかな。という感じです」

– 記録を見ると、失点の多さが気になりますが?

「やっぱりエラーが絡んでしまうと、ピッチャーが打ち取っても、どうしても失点につながってしまうと思うので、基本的な守備力の強化というのが必要だなと思いました」


■副キャプテンとして・・・・

– 榎本選手は、割と早い時期から、試合に出場し始めましたが、自分としてはどう思いましたか? 早いとか、遅いとか。

「そうですね、うーん。やっぱり守備に関しては、同じポジションにベテラン選手がいたので、その選手とレギュラー争いをしながら、自分がどれだけチームにとってプラスになるような守備が出来るのか、という所が課題だったと思うのですが、それがなかなか。
重要な所で、『榎本なら大丈夫』というような信頼もまだなかったかなと言うのもありますし、バッティングが得意で入ってきたのに、それも思うような結果を出せなかったし、そこは反省するところです」

– シーズンが始まりますが、個人的な目標は?

「私自身は、《全試合スタメン出場》というのを目標に置いています。打撃面では、3割バッターを目指しています」

– 監督やキャプテン、チームのメンバーとは、今シーズンに向けてどんな話をしていますか?

「後半戦が終わって、キャプテン、副キャプテンが決まった時に、《これから、どういう風に冬を越えてシーズンに入っていこうか》という話をしています」

– 副キャプテンとしては、どうチームをステップアップさせたいと思っていますか?

「チームの層が若くなるので、やっぱり技術的にも、だいぶレベルが下がってしまう部分があるかと思うんですけど、そこを技術面でもそうですし、チームとして戦うという、お互いが、お互いを強化しあえるような、そういう部分で、どんどん補っていって、今の時期だったら、基本の練習をどんどん繰り返すことで、技術面も去年より、さらに上に行けるくらいに強化しようとしているので、今シーズンは若さ溢れるようなチームにしていきたいなと考えています」

– この冬の時期のキャンプは、どんなキャンプにしたいですか?

「やっぱり、冬の寒い時期に練習するというのは、あまり楽しくない、つまらない練習が続きますが、それをチーム全体がモチベーションを下がらないように、目標を常に掲げて、それに向かって、自分とか、キャプテンも一緒になって、《活を入れる》じゃないですけど、『今これをやっているのは、この目標に行くためだよ」っていうのを常に掲げて、『あ、もう無理』ってならないように、グイグイ自分から率先して、練習を始めたりとか、できなくても、何度でもやり続けるとか、そういう下積みとかを諦めずに続けられるように引っ張っていきたいです」

– 今シーズンの目標順位は?

「まだ監督とキャプテンとは話していませんが、私、個人としては、昨年よりは上に、確実に行きたいと思っていて、5位以上は目指したいと思っているんですけど、いけるのであれば、今年も決勝トーナメント進出を目標に掲げたいと思っています」


■日本代表について

– 東京オリンピックもありますが、日本代表というのは?

「やっぱり、ずっと目標ではあります。自分もナショナルチームに入って、世界で戦いたいというのは、ずっと目標ではあるんですけど、でもまずは、このデンソーというチームで、どれだけ結果を残せるか、という所が重要だなと思っているので、結果を残して、世界で注目される選手になりたいと思っています」

– 榎本選手が、日本代表に選ばれるには、どこを強化すればいいと思っていますか?

「そうですねーーー。うーーーーーん。まだまだ全て足りないなと思っているんですけど。これって一つに絞るのは難しいんですけど、打撃だったら、外国人ピッチャーのスピードと変化に対応出来るようなバットコントロールと、守備だったら、全般的に、確実な守備力をつけなければいけないなと言う風に思っています」

– お手本にしている選手とかいますか?

「打撃面では、太陽誘電の藤田倭選手です。大学生の頃に、試合を見に行った時に、試合は0対0で均衡していて、その時、藤田選手が初球だったと思うんですけど、一発バァーンと打って、チームが勢いづいて《藤田選手が打ったからもうこっちのもんだ!》的な雰囲気になるのを見て、《自分もそういう打撃で引っ張りたい選手になりたい!》と思いました。すごく自信をもって打席に入る姿は凄いなって思います。藤田選手は、投手で4番の二刀流で、センスのカタマリとは思いますが、見えない所で努力をしているんだろうなって、藤田選手だけではなくて、結果を残している選手は、見えない所で、時に物狂いで練習をしているんだろうなって感じます」


■ボールの軌道に見とれちゃいました(苦笑)

– 凄いな! と思った投手はいますか?

「一度だけ、上野投手(ビックカメラ高崎)と、アボット投手(トヨタ自動車)の打席に当たったんですけど、なんか、《えーそんなに曲がる?》っていう位、変化が凄かったので、こんな球、投げる人がいるんだ!! って思いました。ボールの軌道に見とれちゃいました(苦笑)
大学生の頃は、スピードのあるピッチャーはいましたが、そんなに落差のあるボールを投げるピッチャーや、横にギュンと曲がっていくピッチャーはいなかったので、実業団に入って、実際に打席に立って見て、こんなに変化するんだというのは、正直驚きました」

– そんな上野投手や、アボット投手から打たないと、レギュラーになれませんが、その二人から打つ姿は、想像できますか?

「はい。監督に教わったのは、『まずは見る所からだよって。』って言われて。『どれだけ変化していても、だんだん目が慣れてきて、そこからバットに当てようとすれば、だんだん当たるようになるから』という風に教えてただいたので、まずはそこからと思っています」

– 監督からは、そのほかにどんな事を言われますか?

「ん~~~~~(考え中)」

(え、言われませんか)

「いや、言われ過ぎて(笑)沢山の事を毎日言われているので。『守備でも打撃でも、上半身だけでは、速い事にも対応できないし、パワーもないから、しっかり足を使いなさい』ということは言われています」


■バットに当たって、遠くにボールが飛んでいくのが凄い楽しいな

– ソフトボールを始めたキッカケは?

「私の3つ上に兄がいるんですけど、兄がソフトボールをはじめて、そこに着いて行った時に、バットを持って、バッティングをしてから、やりたいと思って、小学校一年の時に、チームに入りました」

– お兄ちゃんはその後もソフトボールを?

「いえ、バレーボールに転向しました(笑)」

– 何が夢中にさせたのですか?

「やっぱりバッティングです。バッティングが大好きなので。バットに当たって、遠くにボールが飛んでいくのが凄い楽しいなぁって。それがとても魅力でした」

– ソフトボールの芯に当てるのは、難しくないですか?

「難しいです。普通に考えてみたら、あんなに速いボールを、ピッチャーが投げて、それを細いバットに当てて、飛ばすって。本当に、改めて考えると凄いなと感じます」


■私、もともと冗談が通じないって言われていて・・・

– 入団二年目ですけど、同期入団選手は高校卒業したばかりの子じゃないですか、やっぱりお姉さん的な存在ですか?

「そうですね、結構。《元気を出してやろう》とか、《早く動こう》とか、そんな所は、自分が率先して動いて、そこに(同期入団の)4人が付いてくるみたいな(笑)」

– 榎本選手は、埼玉出身で城西大学卒業。関東というか、これまで埼玉県で生活してきて、今回、初めて中部地方・愛知県へ住まいを移したと思いますが、馴染みましたか?

「そうですね、最初はなんか・・・(苦笑)私、もともと冗談とか通じないって凄い言われていて。冗談吹っ掛けているのに、それを真面目に捉えてしまって・・・イヤイヤみたいな事になる事が多くて。デンソーに入る時も、結構、関西の人も多いし、中部っていっても、ノリじゃないですけど、冗談を言われても、自分は対応できないんだろうな。って思いながら入ってきたんですけど、皆さん、とても優しく『エノ(榎本選手)! そこはね!』って、教えてくださるので、とても馴染むことが出来ています。キャプテンの田中さんとか、松本さん、山根さんが結構イジってくれます。今はもう、イジられるのも慣れたので、そこからチームを盛り上げたいと思っています」

– メッセージ

「今シーズンは、グッと若いチームになるんですけど、それでもどこにも負けないくらいの元気と、ハツラツさをグランドでお見せしたいと思っています。そして、昨シーズンとは、どこか違った、何かやってくれそうって思ってもらえるような、勢いのあるデンソーをお見せしたいと思っているので、これからもデンソーへの温かいご声援よろしくお願いします」

昨シーズンは泥沼にはまったようなシーズンでした –デンソー プライドペガサス・榎本千波選手-

シオノギ製薬ポポンギャルズ http://www.shionogi.co.jp/company/csr/act/softball.html

日本女子ソフトボールリーグ機構 http://jsl-women.com/

チケット購入方法 http://jsl-women.com/static_pages/view/ticket/

(よこいみちひと)

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