東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

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平昌オリンピックの熱戦が続く中、2月25日来週日曜日は「東京マラソン」が開催され、寒空の東京が熱気に包まれます。東京マラソンだけでなく、世界各地でマラソン大会が行われているわけですが、“もっと特色を出したい”“さらに限界に挑戦したい”との思いから、想像もつかないような奇想天外なマラソン大会がたくさん出来ています。42.195キロを駆け抜けるマラソンでもハードだと思いますが、東京マラソンがまるで“さんぽ程度”に感じてしまうような、過酷なレースの数々、いろいろと紹介していきたいと思います。

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

まずは、フルマラソンのさらに上を行く『ウルトラマラソン』。ウルトラマラソンとは42.195kmを超える道のりを走るマラソンのこと。100キロマラソン、もしくは24時間走という形でよく行われています。日本では、「宮古島」と「サロマ湖」の100キロマラソンが有名。サロマ湖は今年ですでに33回目。もはや定番となっています。

平地を100キロ走るだけでは物足りず、最近人気なのは“山の中”を トレイルランニングで100キロ、もしくはそれより距離が長い100マイル駆け抜ける、という大会。100キロのトレラン大会は、「秩父」や「おんたけ」、新潟・長野にまたがる山々を走る「信越五岳(ごがく)」といった大会が有名でして、募集を開始するとあっという間に枠が埋まる。普通に走るだけでも大変なのに、山を駆け上がり、駆け降りるなんて信じられませんね。

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

さて、この辺はまだ序の口でして、世界を見渡すともっともっと過酷なレースがいくらでもあるのです。たとえば・・・気温マイナス41度という極寒の中を走る“世界一寒い”『北極マラソン』。毎年、およそ20ヵ国から50人ほどのランナーが参加して、地球のテッペンで行われます。

レースは、北極点近くにあるロシアの氷上基地に作られた一周5キロの氷上コースを9周、42.195キロのフルマラソン距離で優勝タイムを争う。ホッキョクグマに備えて、コースの要所要所には狙撃手が配置されています。優勝タイムはだいたい5時間。費用は日本から参加すると200万円。高い! ネットを検索しますと、忍者のコスプレで走り切った日本人ランナーのブログが出てきますが、ツワモノがいたもんだ!

こうした過酷なマラソンは、レースのコースはもちろんのこと、事前に送られてくる案内状からしてすでに過酷な“お断り”が書いてありまして…「レース中の給水は、しょっぱいけどガマンしろ。なんせ、氷とかした海水なんだから。イヤなら、自分で水持ってこい」「北極海の上の氷にプカプカ浮くようなトコ行くんだから、何があってもビビってはいけない」なんとも、どMな注意書き。

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

世界でもっとも標高の高いマラソンといえば、『エベレストマラソン』スタート地点は標高5,360mのエベレストベースキャンプ。ここから標高約3,440mのナチェバザールまでを下るコースなのですが・・・一番キツいのが、まずスタート地点まで向かうこと。一度ネパールのカトマンズで集合してから、なんと10日間もかけてスタート地点まで向かいます。道中は高山病とも戦わなければならず、スタート地点に着く前に亡くなってしまう方もいるそうです。

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

極寒の中走る大会もあれば、カラカラに乾いた大地を走る大会もあります。アフリカにある世界最大の砂漠「サハラ砂漠」を走るマラソン、『サハラレース』250㎞の道のりを7日間に分けて走行。大会の平均気温は35~40度ですが、日中は50度を超えることもある。しかも7日間分の食料などを背負って走らなくてはならない。よって、後半になるにつれて体力がどんどん奪われていきます。さすが、日本人はどこにでもいて、去年は日本人47人を含む、1,500人が参加。2016年大会では、日本人が優勝を果たしました。

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

さて、日本一過酷な大会といえば、これのほかありません。『トランスジャパン アルプスレース』。2年に1回行われていて、今年2018年は開催年となっています。コースがすごい。富山湾から日本アルプスの峰々を突っ走り、愛知・駿河湾までを走る総距離415㎞の超過酷なレース

フルマラソン10回分、富士登山7回分を8日間で、自分の足だけで走破しなければならない。北アルプスの難所・剱岳、槍ヶ岳・上高地。そして、中央アルプスの木曽駒ケ岳、そして南アルプスの聖岳まで登って降りて、登って降りての連続。レース自体も過酷なのですが、参加資格も非常に厳しい。過酷なレースなので、走り切ることができる人が前提となっています。その条件とは・・・

「過去70Km以上のトレイルランニングレースを完走している事」
「標高2,000m以上の場所において、4回以上のビバークスタイルでの露営経験があること。申し込み時に、その時の自分が映り込んだ写真を必ず添付すること」
「普通は求められないのですが、配偶者または一親等の成人親族による大会参加に対する承諾書を提出すること」
「フルマラソンを3時間20分以内で走り切れること」

東京マラソンがさんぽに思える?! 世界の過酷なマラソン

マラソンといえども、ほとんど登山の大会みたいなもの。よって参加者も少なく精鋭の30名となっています。しかし、さすがに参加者はすごい! 普通の登山者が歩けば30日かかるコースを最短5日で行ける。

また、山小屋や宿泊施設は使えない。スピード勝負なので睡眠時間は平均4時間、トップ選手は1日2時間睡眠。睡眠不足でも、雨でも夜でも1日中登山とラン。フルマラソンを3時間切る人でもタイムオーバーとなる。とうぜん、太平洋の海岸に到達して、倒れこむようにゴールする姿ばかり。

ここまで過酷で、なぜレースに出たいのか? なんと、トランスジャパンアルプスレースには、賞品も賞金も一切ない。得られるのは完走の栄誉だけ。最近ではNHKがドキュメンタリーを放送したり、DVDになったりで、知名度が上がってきていて、“いつかは出たい”という人も増えてきています。

平昌オリンピックのドラマも素晴らしいが、自分の身にもドラマが欲しい。そういう方はチャレンジしてみてもいいかもしれません。

2月20日(火)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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