スポーツ人間模様

金を狙う女子チームパシュート~要となる髙木菜那選手とは? 

平昌五輪2018 スピードスケート 女子チームパシュート練習 高木美帆、菊池彩花、佐藤綾乃、高木菜那 提供産経新聞

一昨日は羽生結弦選手、昨日は小平奈緒選手と、2日続きで日本人選手の 金メダルに沸いた平昌オリンピック。もう一つの金を狙うのが、今夜、準々決勝が行われる「女子チームパシュート」です。

チームパシュートとは、日本語で言うと「団体追い抜き」のことで、3人が一列になって同時に滑り、途中順番を入れ替えながら、400mを6周してそのタイムを競います。

日本女子代表は、去年の11月にオランダで行われたワールドカップで、2分55秒77という世界新記録を樹立。しかも2位・オランダに3秒29の差を付ける圧勝で、日本は一躍、平昌の金メダル最有力候補になったのです。

その世界新を叩き出したメンバーで、妹の髙木美帆選手と共に金メダルを狙うのが、お姉さんの髙木菜那選手・25歳です。

北海道中川郡幕別町の生まれで、3人きょうだいの真ん中。お兄さんも、自分も、妹も、全員スピードスケート選手という環境で育ち、お互い切磋琢磨して、腕を磨いていきました。

しかし、先にオリンピックに出場したのは、妹の美帆選手の方でした。中学3年生でバンクーバー大会に出場した美帆選手は脚光を浴び、オリンピックに行けなかった菜那選手は、当時、“美帆の姉”と呼ばれることがイヤだったそうです。その頃は、姉妹でケンカばかりしていたそうですが、続くソチオリンピックでは、美帆選手が壁にぶつかり、不振のため落選。代わって菜那選手が初出場を果たします。

このとき、「妹に勝つことを原動力にしてきた」という菜那選手は、落ち込む美帆選手の姿を見て、複雑な思いを味わったそうです。それで妹へのわだかまりが「吹っ切れた」という菜那選手。今はざっくばらんに、スケートについて語り合い、一緒に買い物にも出掛けるという仲のいい姉妹に戻りました。

姉妹で一緒に出場するオリンピックは、今回の平昌が初めて。しかもチームパシュートでは同じチームで、妹と同時に並んで滑るわけで、もし金メダルを獲れば、妹の美帆選手はすでに個人種目の1500mで銀メダル、1000mで銅メダルを獲っていますので「一大会で金・銀・銅、すべてのメダルを 獲得」という、冬季オリンピックでは日本人初の快挙達成になります。

このチームパシュート、先頭を走る選手は風の抵抗をもろに受けますから、その分、後ろを走る選手より体力を使うことになります。3人が途中で順番を入れ替わり、交代で先頭に立ちますが、日本は去年の秋から、先頭交代の回数を4回から3回に減らす新しい作戦を導入。これが世界新記録に結びつきました。

まずスタートは、パワーとスピードのある美帆選手が先頭で長めに走り、続いて佐藤綾乃選手、次に菜那選手、最後にまた美帆選手が先頭を走ります。3番目に先頭を走る菜那選手は、序盤に妹の美帆選手が稼いだリードをいかに保って、最後、再び先頭に戻る妹にバトンを渡せるかという、非常に重要な役割を背負っています。

菜那選手が所属する、日本電産サンキョーの今村俊明監督はこう言います。

「菜那は負けん気が強い子なんだけど、明るくて、いい性格でね。きつく叱っても、その数分後にケロッとして『監督?!』と明るく声を掛けてくる、そんな切り替えの早いところもある」。

姉妹そろって表彰状のてっぺんに立てるか? チームパシュートの準々決勝は、今夜行われます。

 

2月19日(月) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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