フロリダ高校銃乱射事件~米国民が銃を持たざるを得ない理由

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2月16日(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

学校での発砲事件は今年ですでに18件
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

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2018年2月15日、米南部フロリダ州パークランドで開かれた高校銃乱射事件の犠牲者追悼式に参加した市民ら(共同) 写真提供:共同通信社

フロリダ州の高校で17人が死亡する銃乱射事件

アメリカのフロリダ州にある高校で起きた銃乱射事件で司法当局は15日、計画殺人などの疑いで容疑者の元生徒の男を訴追した。この事件では17人が死亡しており、男はソーシャルメディアに「人を撃ちたい」というコメントを投稿していた。

今回の事件現場はフロリダ州の中心都市マイアミの北およそ70kmのパークランドにある高校で、14日午後2時半ごろ日本時間の昨日午前4時半ごろ、男が銃を乱射し、17人が死亡し少なくとも14人が怪我をしてこの内5人が重体です。

この事件ではトラブルでこの高校を退学処分になったニコラス・クルーズ容疑者19歳が拘束されました。容疑者はAR-15型という殺傷力の高いライフル銃と多数の銃弾を使った他、発煙弾やガスマスクも持っていました。

犯行の際、火災報知器を作動させておりまして、多くの生徒を撃つために教室の外におびき出す狙いだったとみられています。事件の後他の生徒に紛れて逃走しようとしましたが、当局に取り押さえられました。

この容疑者は現場の高校に在学中に他の生徒を脅迫した他、火災報知器を鳴らす悪戯や窓ガラスを蹴って割るなどの問題行動を繰り返して退学処分になっていました。銃や刃物に強い執着を示していたとされ、銃を持っていることも生徒たちの間では知られていたということです。

また、地元の白人至上主義団体フロリダ共和国の指導者によりますと、この容疑者は自警訓練を受けるため、この団体の支部に所属していたということです。この団体はフロリダ州を白人のみの国にすることを目指しているということです。

またこのクルーズ容疑者と同じ名前の人物がYouTubeに「プロの学校銃撃犯になる」と投稿していたこともわかっております。普段はこの男は非常に大人しい性格だったということですが、容疑者はこの犯行につかったライフル銃をおよそ1年前に合法的に購入していたということです。

アメリカでは学校内の発砲事件が相次いでおりまして、今年に入って既に18件目。まだ2月ですから三日に1件はどこかで起きているということで、近年高校で起きた乱射事件としては最大級の犠牲者数です。アメリカのトランプ大統領は国民向けに演説しまして「学校と子どもの安全対策を最優先課題にする」と表明したのですが、銃規制の必要性には言及しておりません。アメリカにある銃はおよそ2億7,000万丁という推計があります。

高嶋)2億っていったら一人で2丁?

森田解説委員)人口が3億2,400万人ですから一人1丁近く持っているということですね。

高嶋)毎回出て来るテーマが一緒です。憲法の修正第二条ですか。

宮家)武装の権利ですよね。

今年に入って18件……増える学校発砲

高嶋)武装の権利。要するに国民が武器を保有し携行する権利を侵してはならない。何度も何度も、今日の新聞見てても今年で18件って書いてある。学校発砲が。

宮家)もうですよ。もう18件。増えてますよね。

高嶋)それで大統領も痛ましくお見舞いはしているけども、銃規制については一言も言っていない。ライフル協会ですね。

フロリダ高校銃乱射事件~米国民が銃を持たざるを得ない理由

アメリカ国民の生活と銃

宮家)皆さんなんでこんなことがまかり通るのかと思いますよね。日本は実はやっぱり違うんですよ。島国で水際ができて武器入って来ないし、さらに秀吉の刀狩以来、非武装っていうものについては非常に徹底していますよ。それがやれた。アメリカみたいに各州ごとに法律は違うし、陸続きだし、武器は一人一丁どころか二丁あるわけですからね下手するとね。それはもう止められない。アメリカに住んでみたらわかりますけども、相手が銃を持っているかもしれないと思ったら、これ非武装じゃやられちゃうんですよ。ですから向こうがピストル持ってるんだったらこっちは自動小銃持たなきゃいかんという発想にならざるを得ない。

高嶋)事件が起きると銃器が売れるんですよね。やめようじゃなくて。

宮家)勿論それに全米ライフル協会っていう強力なロビーがあって、これはまあそうなんですけどやっぱりね、アメリカの社会の生活っていうのは街であれば銃なくても良いんだけど、ちょっと田舎行ったら誰が来るか分からないし、どんな変な連中が来たときにもちゃんと自分を守らなきゃいけないっていう気持ちは感じるんですよ。

高嶋)たしかにトランプさんが国境をつるくなんて言った時にね、メキシコ国境沿いのアメリカ国民がどんな生活しているかっていうドキュメンタリーがあったんですよ。広いところにぽつんと家が一軒あって、周りには木々が生えていて隠れるところはいくらでもあって、親父はライフルを二丁持って自分で訓練してるんですよ。音がしたら銃を取ってこうやって構えるみたいな。わかるなと思うんです。学校にいわゆるスクールポリスみたいなのはいるんですか?

アメリカが孕み続ける矛盾と議論

宮家)いますいます。いるんですけど生徒は何百人もいるんでしょうから全部は守れないし、アラームベル鳴らしておびき出したんだったらこれはどうしようもないと思いますね。それで、持ち込み禁止なんだけどそれじゃやられちゃうからやっぱり持ち込もうっていう話になってるってなんだそれっていう話ですね。とんでもない議論が今でも残ってる。

高嶋)大いなる矛盾国家ではありますけども、あのプライドの高いアメリカがこの矛盾だけは解決つかないよね、どうしてもね。駄目なんですね。

宮家)駄目ですね。日本は幸せです。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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