摩周駅「摩周の豚丼(加熱式バージョン)」(1,000円)~北海道観光列車モニターツアーの旅(釧網本線編②)

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

キハ183系 クリスタルエクスプレス

キハ183系・クリスタルエクスプレス

北海道における観光列車の可能性を探る、北海道庁主催の「北海道観光列車動向調査モニターツアー・氷雪のネイチャーロード 純白冬紀行・釧網本線」のBコース(網走発)。
キハ183系「クリスタルエクスプレス」は、遠くに流氷を望みながら純白の釧網本線を走り抜け、定刻通り12:21、川湯温泉駅に到着しました。
ココからしばらくはバスの旅となり、クリスタルエクスプレスは摩周まで回送列車となります。

川湯温泉駅 おもてなし

川湯温泉駅でのおもてなし

川湯温泉駅では、地元・弟子屈町(てしかが・ちょう)の皆さんによるおもてなしが・・・。
『まずは温まって・・・』ということで、地元産の蕎麦を使って作られた「摩周そば焼酎 soba傍」のお湯割りと、ホットミルクが振る舞われました。
焼酎というと、九州・宮崎のイメージが強いですが、北海道のそば焼酎もあるんですね。
そう、鉄道やバスといった公共交通の旅は、「呑める」のが嬉しいのです。

川湯温泉駅

川湯温泉駅

川湯温泉駅」は昨年夏以来、およそ半年ぶりの訪問。
昭和11(1936)年築、三角屋根の洋風駅舎は、雪景色にもよく似合います。
ココからツアー客は、阿寒バス2台に分かれて乗車し、川湯温泉、屈斜路湖(くっしゃろこ)、そして摩周湖を巡っていきます。
阿寒(あかん)バス」だけに“あかいバス”、タンチョウの赤に合う覚えやすいカラーですね。

川湯観光ホテル

川湯観光ホテル

川湯観光ホテル 北海ちゃんこ鍋

川湯観光ホテルの北海ちゃんこ鍋

この日の昼食は、私自身は半年ぶりの再訪となる「川湯観光ホテル」。
川湯温泉は、昭和初期の釧網本線の開通と共に大きく発展した温泉です。
その意味でも、北海道の観光列車モニターツアーで立ち寄る意義は大きい訳ですね。
参加された皆さんも、「北海ちゃんこ鍋」をメインに大ボリュームの食事に舌鼓。
昭和の大横綱・大鵬の故郷・川湯温泉だからこその“ちゃんこ鍋”ですよね!

川湯観光ホテル 露天風呂

川湯観光ホテルの露天風呂(画像提供:川湯観光ホテル)

「川湯観光ホテル」の滞在時間は50分ということで、殆どの参加者の皆さんは、ホテル前の足湯を楽しまれていましたが、温泉好きなら食事を早く切り上げてでも温泉に入りたいもの。
てことで私、食事を少し“巻き”でいただきまして、日帰り入浴(900円、13:00~21:00)で、硫黄らしい香りと共に、“北の草津”と称される名湯を堪能いたしました。
しかも訪れた時間帯、露天風呂は私1人だけの“独泉”状態で、私も大興奮!

川湯観光ホテル 内湯

川湯観光ホテルの内湯(画像提供:川湯観光ホテル)

内湯は38℃のぬる湯(手前)と43℃のあつ湯(奥)の2つのお湯が楽しめます。
掛け流されているお湯は44.1℃、ph1.8、成分総計3,284mg/kgの酸性・含硫黄・鉄(Ⅱ)―ナトリウムー塩化物・硫酸塩泉(硫化水素型)です。
ホテルから35m先の源泉で湧いた温泉を、熱交換器で湯温調節する丁寧なお湯遣い。
地球の恵みを大事にするお宿の姿勢が感じられると、訪れたほうも嬉しくなりますね!

屈斜路湖 砂湯

屈斜路湖・砂湯

キタキツネ

キタキツネ

川湯温泉を後に、摩周湖までの道のりは、自然いっぱいのエリア。
屈斜路湖畔の「砂湯」は、砂を掘れば温泉が湧きだすことで有名な所です。
この湯浴みを最も楽しんでいるのは、渡り鳥のハクチョウたちかもしれません。
道端にはおなじみキタキツネも姿を現し、ツアーのバスも臨時停車。
冬毛でモフモフのキツネが観られるのは、冬の北海道旅を楽しんだ人だけの特権です。

摩周 第一 展望台 摩周湖

摩周第一展望台からの摩周湖

“霧”で知られる摩周湖ですが、訪れた日は素晴らしい眺望に恵まれました。
釧網本線には何度も乗っているのですが、摩周湖を訪れたのは今回が初めて!
我ながら“旅運を持ってるなぁ・・・”と思ったり。
ストーン! と切り立った崖になっているのは、カルデラ湖らしい風景。
普段の鉄道&バス旅では訪れにくい場所へ行けるのもツアーならではです。

摩周駅 立ち売り

摩周駅の立ち売り

摩周駅(かつての弟子屈駅)からは再び列車の旅。
摩周といえば、駅弁大会でもおなじみ、駅前の「ぽっぽ亭」が作る「摩周の豚丼」です。
事前に予約すれば、駅のホームまで届けてくれることは、昨年の「駅弁膝栗毛」でもお伝えしましたが、この日は特別に摩周駅(川湯温泉駅)での立ち売りも行われました。
やっぱり鉄道の旅には、立ち売りがよく似合います。
コレ、せっかくなら快速「しれとこ」の停車時間だけでもレギュラー化しませんかね!?

摩周の豚丼 摩周 豚丼

摩周の豚丼

摩周の豚丼 摩周 豚丼

摩周の豚丼

輪ゴムで留められたおなじみの掛け紙を外すと、いいタレの匂いがしてきました。
継ぎ足し継ぎ足し使っているという醤油ベースのたれが、1枚1枚網焼きされた道東産メインの豚のロース肉とよくマッチしています。
立ち売りの方とお金をやり取りしていただくのも、より駅弁を美味しくしてくれるものです。
ただ、ツウの方なら、この「摩周の豚丼」、いつもと少し容器が違うことに気付きましたよね?

摩周の豚丼 摩周 豚丼

摩周の豚丼

そう、紐を引っ張ると蒸気で温まる加熱式容器の「摩周の豚丼」なのです。
「ぽっぽ亭」の方によると、加熱式容器の「摩周の豚丼」は、こういったイベントなどで要請があった時にしか作られない激レアなバージョンなのだそう!
実は駅弁大会でもまずお目にかかることが出来ない、特別な「摩周の豚丼」だったのです。
これに出逢えただけでも、今回のツアーに参加した意義がありました。

摩周の豚丼 摩周 豚丼

摩周の豚丼

氷点下の外を歩いてきた後、ほかほかと湯気が立ちあがり、香ばしいタレの匂いに包まれていただく「摩周の豚丼」は格別です。
元々、冷めても美味しく作られている豚丼ではありますが、温かいのもやっぱり美味しい!!

立ち売りをスルーされた方、大いに悔しがるべき・・・と言いたいところですが、今回はツアーの食事で、既にお腹いっぱいだった方も多かったことでしょう。
私も出来れば土産にしたかったところですが、「加熱式容器」は危険物とみなされ、飛行機に積むことが出来ないのが悩みどころ。
スグいただくなら加熱式が有難く、土産にするなら通常版のほうが有難い訳なんですね。

摩周駅 あし湯

摩周駅「あし湯」

また、摩周駅前には「摩周温泉」の足湯があり、今回のツアー参加者に温泉玉子も配られたことを考えますと、“温玉バージョン”でいただいてもよかったなぁ・・・と思いました。
こういった“気づきにくい改善点”を洗い出していくのもモニターツアーの役割。
全国有数の人気駅弁「摩周の豚丼」は、摩周駅の立派な観光資源です。
ローカル線ならではの情緒ある“駅弁文化”、もっともっと大事に育みたいものです。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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