やじうま好奇心

人間の代わりに、はるか彼方の大宇宙へ! 人類の夢を叶える“超生命体”とは

ケンタウルス座 アルファ星 α星 Digitized Sky Survey

Digitized Sky Surveyで撮影されたケンタウルス座α星(ケンタウルス座アルファ星 – Wikipediaより)

今日はちょいと、夢のある「宇宙」にまつわるお話を…。去年の末、アメリカのトランプ大統領が、アメリカ航空宇宙局(NASA)に対しまして、鼻息も荒く、こんな大統領令を発令しました。

「将来の火星探査を見据え、宇宙飛行士を再び月に着陸させる計画に着手せよ!」
「これは、宇宙におけるアメリカの誇り高き使命の復活に向けた大きな一歩だ!」
「宇宙においても… わがアメリカは、永遠にリーダーであり続けるのだ!」

…要するに、「アポロ計画の夢ふたたび」ということなのですが…実際のところ、アメリカ国内では、「安直なウケ狙いだ」という批判の声も多いようです。

ところが… 実は実は… トランプが、月旅行計画をブチあげている、その一方で…「もっとスケールがデカく」「もっとユニークで」「比較的、安上がりで済む」大宇宙旅行計画が、ひそかに進められている… というお話をご存知でしょうか?

ケンタウルス座 アルファ星 α星

ケンタウルス座の2つの1等星。左がα星(ケンタウルス座アルファ星 – Wikipediaより)

その名もズバリ、「スターライト計画」!(なんだか、名前だけでもカッコいい響きでしょ?)どういう計画なのか、ひとことで言いますと…「地球外生命体が生存しているかもしれない遥か彼方の別の星へ、地球から、生命体を送り込む!」…という驚くべき計画なんです!

行く先も決まってます。この地球から、4光年以上…すなわち、光の速さで4年以上かかるところに、「アルファ・ケンタウリ」という、太陽によく似た星があります。そして、この星の周りには、地球に比較的よく似た惑星が回っている…と言われてます。で、この惑星には、ことによると地球外生命体が棲んでいる可能性もあると言われているんです

「スターライト計画」では、なんとなんと、この惑星に、宇宙船でもって、ドドーンと、地球から、史上初めて、生命体を送り込もうじゃないか! というんです。どうですか? カビの生えた「月面着陸計画」よりも、よっぽど、スケールが大きいでしょう?

ただし… この「生命体」というのは、人類じゃありません。光の速さで4年以上かかるような遠い場所に人類が行こうとしたら、安全性の問題も出てくるし、寿命も尽きてしまうかもしれませんし… 何かと費用も、かさみます。そこで、人類の代わりに、もっと生命力の強い生命体に行ってもらおう… というワケなんです。

コレ、宇宙開発の歴史を紐解きますと、別に、珍しい話じゃありません。人類で初めて宇宙飛行に成功したのは、有名な、旧ソ連の「ユーリ・ガガーリン」ですよね。「地球は青かった」という名言を残したガガーリン。彼が宇宙に旅立ったのは、1961年4月12日のことです。

でも… ガガーリンよりはるか前に、宇宙を旅行した生物がいたんです。それが、旧ソ連の宇宙犬、「ライカ」

ライカは、ガガーリンに先立つこと4年前、1957年11月3日、スプートニク2号に乗りまして、地球上の生物として初めて宇宙旅行をおこなったのですが、再突入装置はつけられていませんでした。つまり、可哀想ではありますが、はじめから「帰り道の無い旅」だったんです…。

ライカ ロシア 切手 郵便切手 旧ソ連 英雄

ロシアでは、「ライカ」の偉業を称える切手も作られています。今も旧ソ連の英雄とされているんです。(ライカが描かれたロシアの郵便切手 – ライカ (犬) – Wikipediaより)

宇宙開発のライバル、アメリカも、同じです。最初に宇宙へと送り込んだのは、人間ではありません。1961年1月31日。アメリカは、チンパンジーの「ハム」(オス)を、レッドストーンロケットに乗せまして、宇宙へと送り込みました。

宇宙飛行 チンパンジー ハム マーキュリー・レッドストーンロケット 握手 救助船 USS Donner

世界で初めての「宇宙飛行チンパンジー」ハム。『LIFE』の表紙を飾る大変な人気者になりました。ちなみにハムのほうは、ソ連のライカと違いまして、無事、地球へと帰還。動物園で天寿を全うしたそうです。(有名な「握手」の歓迎。マーキュリー・レッドストーンロケットでの飛行の後、救助船USS Donner(LSD-20)の副長から歓迎されるハム – ハム (チンパンジー) – Wikipediaより)

では、いま現在すすめられている「スターライト計画」に使われることになっている生命体とは、いかなる生物なのでしょうか? このオドロキの計画を、もう少し、詳しく説明していきましょう。

「スターライト計画」は、アメリカ航空宇宙局(NASA)の支援を受けまして、フィリップ・ルビン博士のチームが真剣に進めている計画のこと。宇宙船の大きさは、なんとなんと…「スマートフォンと同じくらいの大きさ」。そして、この小さな小さな宇宙船を、レーザービームでもって、かつてないほどの「超高速」で、太陽系の外へとハジき出す! というんです。(スマホと同じくらいの宇宙船であれば、光の速さの4分の1程度のスピードまで出せるらしい!)で、この速さですと、「アルファ・ケンタウリ」のあたりまで、「約20年」で到達できるんです!

ケンタウルス座 アルファ星 α星

太陽と比較したケンタウルス座α星の大きさと色(ケンタウルス座アルファ星 – Wikipediaより)

では…人類の代わりに、この「スマホ宇宙船」に乗り込む栄えある生命体とは、ナニモノぞ?

コレも、すでに、決まっているんです! 一種類じゃありません。体の大きさが1ミリにも満たない、二種類の生物… ということなんです。白羽の矢が立てられた、一匹(?)目の生命体は、小さな小さな「クマムシ」という生物。拡大してみると、太目のブタみたいな姿をしています。このクマムシ、ナリは小さいんですが、俗に「不死身の生物」と言われているんです。なにしろ、めったなことでは「死なない」

カンタンに、その不死身ぶりを紹介しますと…

・151℃の温度(天ぷらをあげる温度)でも死なない
・マイナス273℃(ほぼ絶対零度)でも死なない
・7万5,000気圧(水深750キロの水圧に相当)でも死なない
・ほぼ真空でも死なない
・人間の致死量の1,000倍の放射線でも死なない

クマムシ 不死身 生物 緩歩動物 Hypsibius dujardini ドゥジャルダンヤマクマムシ

不死身の生物「クマムシ」(Hypsibius dujardini ドゥジャルダンヤマクマムシの電子顕微鏡写真 – 緩歩動物 – Wikipediaより)

乾燥させておけば、何十年でも、ひっそりと、ひそかに、生きています。で、水を一滴たらせば、たちどころに復活する…!それくらい、回復力が物凄いんです。どんな環境下でも生きられる…. まさに、極限の宇宙空間を旅するにはピッタリの存在というワケです。(しかもこの「クマムシ」。すでに、地球の周回軌道を回って平気だったという実績もあります!)

ふたつめの「生命体」は、線虫の一種、「カエノラブディティス・エレガンス」…略して「C・エレガンス」という、珍妙な生物。

カエノラブディティス エレガンス C. elegans

C. elegans の微分干渉顕微鏡像(カエノラブディティス・エレガンス – Wikipediaより)

余談ですが、この「C.エレガンス」、ちょいと前、ニュースになったのを覚えておいででしょうか? 2015年、九州大学が、この「C.エレガンス」を使って、がん検診に成功したと発表しました。実は、C.エレガンスは、がん患者の尿の匂いを好むのだそうです。で、C.エレガンスを使えば、がん細胞の有無を、1滴の尿から、判別できるということなんです。(来年、2019年からの実用化を目指しているとのこと。)

…ところが、がん検診に役立つばかりじゃありません。このC.エレガンス、クマムシと同じく、不死身の生物であることが分かってきたんです。2003年、スペースシャトル「コロンビア」が、空中分解するという、悲惨な事故が起こりました。このとき、たまたま実験材料として、C.エレガンスが積み込まれていたのですが…その後の調査によって、なんと! 機体がバラバラになったのにもかかわらず… C.エレガンスだけは、生き延びていたことが分かったんです!

「クマムシ」と「C.エレガンス」が、地球上の生物を代表して、史上初めて「太陽系以外の星」へと出向く、「スターライト計画」。まだ、研究段階でして、具体的な打ち上げ日時は決まってないのですが、なにしろ「人間の安全性は担保されているし、なにしろ費用が安くつく」ということで、意外と早く実行段階に移るのではないか? という関係者もいます。

トランプ大統領のいう「月旅行計画」が先になるか? それとも、夢のある「スターライト計画」が先になるか? 今後に注目です!

ケンタウルス座 アルファ星 G2型 K1型

Aは太陽と同じG2型、BはK1型である(ケンタウルス座アルファ星 – Wikipediaより)

2月7日(水)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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