沼津駅「奥駿河の磯ちらし」(800円)~お客さんの声に応えて復活した駅弁!

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】

211系 普通列車 東海道本線 三島 函南

211系・普通列車、東海道本線・三島~函南間

昭和30年代半ば以降、東海道本線の主力として活躍したのが「111系」電車。
首都圏の輸送を退いた後も、静岡地区で国鉄末期まで活躍し、今は名古屋の「リニア・鉄道館」に、先頭車両が1両、「東京―静岡」のサボ(行先案内板)を掲げて展示されています。
その後継車種として、国鉄末期の昭和61(1986)年に登場したのが「211系」電車。
東京周辺からはだいぶ少なくなりましたが、静岡地区では今も主力として活躍しています。

奥駿河の磯ちらし

奥駿河の磯ちらし

駅弁というと、最近はドーンと派手なものをイメージされる方が多いかもしれませんが、東海道線沿線は、最初に鉄道が通ったこともあり、駅弁が地域に密着しているのが特徴。
このため価格帯も手ごろで、普通列車のように“普段遣い”出来る駅弁も多いんですよね。
沼津駅の「奥駿河の磯ちらし」(800円)は、去年9月にお客さんの声に応えて復活した駅弁。
沼津・三島の駅弁を手掛ける、明治24(1891)年創業の「桃中軒」が製造しています。

奥駿河の磯ちらし

奥駿河の磯ちらし

【お品書き】
・桜えびの炒り煮
・富士山サーモン
・蟹身
・海老
・蛸
・とびっこ
・錦糸玉子
・椎茸
・きざみ大葉
・胡瓜
・酢漬生姜

奥駿河の磯ちらし

奥駿河の磯ちらし

新鮮な魚が水揚げされる沼津は、駿河湾の最も奥まったエリアゆえの“奥駿河”。
去年(2017年)の再発売に当たって、一部リニューアルされ、駿河湾を代表する海の幸・桜海老の炒り煮と、富士山サーモン(ニジマス)が加わりました。
酢飯でサッパリといただくことが出来る駅弁でありながら、ちゃんと具だくさんで、さらにご当地性もアピールしているのがイイですよね。

211系 普通列車 東海道本線 函南 三島

211系・普通列車、東海道本線・函南~三島間

そういえば先日、昔の東海道線である御殿場線に乗っていた時のこと。
「駿河小山」という駅を、「しゅんかわこやま」と読んで、ワンマン列車の運転士さんに「“するがおやま”です!」と、指摘され、赤面していたお客さんを見かけました。
歴史好きなら「駿河(するが)」は常識ですが、そうでない方には意外と難しいのかも。
確かに静岡エリアは、駅名に旧国名・駿河(するが)が付く駅は少なめ。
やはりこれも、日本で最初に開通した鉄道であり、東西を結ぶ大幹線・東海道線沿線ゆえ、駅名に旧国名をわざわざ付ける必要がなかったことも大きいのかもしれませんね。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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