経済評論家・杉村富生に聴く! 今年の干支“戌”で占う2018年の景気動向

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1月4日は「大発会」です。去年・2017年の日本株は、日経平均株価が6年連続で上昇。大納会では 2万2,764円94銭の終値を付けました。
果たして2018年のニッポンの景気はどうなるのか?
経済評論家の杉村富生さんに、今年の干支「戌」に引っかけた2018年の景気動向をうかがいます。

高嶋)兜町では「戌年」にちなんだ格言があるそうですね?

杉村)戌年の相場格言は「戌笑う」。相場が活気づき株価上昇に笑うという意味。しかも今年は、10干12支では60年に1度の『戊戌(つちのえいぬ)』。ですから、笑える1年になると思いますよ。

高嶋)「戊戌」は、歴史的にみても、経済面で大きな動きのある年だそうですね?

杉村)60年前の「戊戌」は1958年。昭和33年。戦後復興を成し遂げ、高度成長に突入しようとしていた時期。岩戸景気がスタートし、皇太子ご婚約、関門トンネル開業、東京タワー竣工と大きな事業も続々。家電の三種の神器も普及し始め、日本の産業が新しい時代へと向かっていった時代でした。

高嶋)今年も60年前と同じように活気づくんでしょうか?

杉村)ここ数年で日本の企業が変わり始めている。ロボットやAI等の第4次産業革命と言われる産業が活気づいていて、新たな時代を担う企業も続々と誕生している。60年前の状況と似ているところもあり、今年は新たな成長企業が日本の経済を明るくしてくれると思います。

高嶋)「戊戌」には、「新しいものが芽生える」という意味もあるそうですね?

杉村)「戊戌」の「戊」は、「茂=草木が生い茂る」という言葉に通じる。その反面、「戌」には、「滅=衰退する」という意味がある。これは生い茂った草木が刈り取られた後に、新たな芽が生じるという意味。2018年は従来の価値観が変わり、新たな産業・企業が芽生える年になります。

高嶋)アベノミクスの効果に関してはどうでしょうか?

杉村)景気回復に貢献していますね。マスコミの評判は悪いようだけど(笑)。日本の景気が長期低迷に陥ったのは、戦後の価値観の変化に国民も企業もついていけなかったから。そして政治もついていけなかった。首相が1年もたないような状況が続いては、国の政(まつりごと)はできない。それがやっと安倍総理になって安定してきた。日本の株価は「長期政権、日米関係が良好な時には高い」という経験則がある。今はその流れにあると言えます。

高嶋)逆にリスクはいかがですか?

杉村)やはり北朝鮮の動向ですね。また欧米の金融引き締め、中東情勢など、不安材料は多々あります。ただこれを乗り越えていくのが「戊戌」ですから。

高嶋)一部では日経平均株価3万円超えとの声もありますが、杉村さんはどのように予測されていますか?

杉村)さすがにそこまではないでしょう。日経平均株価は2万5,000円~2万7,000円前後ではないでしょうか。2017年の大納会より4,000円程度上がれば良いところでしょうね。とにかく新しい産業、新しい時代に期待ですね。

高嶋)2018年、60年に1度の「戊戌」。戌が笑うような、景気の良い1年を期待しましょう!

1月4日(木)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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