エルサレム首都問題~日本がアメリカに反対票を投じた本当の理由 佐藤優

12/28(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

安保理決議で舵を切り返した日本
7:02~高嶋ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

エルサレム市庁舎の入り口を飾る米・イスラエル国旗 提供産経新聞

 

中東訪問中の河野外務大臣と杉山外務事務次官の意外な関係

中東訪問中の河野外務大臣はイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、イスラエルとパレスチナの2国家解決を支持し、エルサレムの帰属問題も含め当事者間の交渉で解決すべきとする日本の立場は変わらない意思を伝えた。また国連決議で日本がアメリカと異なる意思を示したことについて、佐藤優氏は外務省が安倍総理よりも河野外務大臣を推していることが関係していると指摘する。

高嶋)中東訪問中の河野外務大臣は25日にイスラエルのネタニヤフ首相と会談をした。中東は今一番世界中で注目を集めているところです。
佐藤さんにまず伺いたいのは、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定した問題で、国連決議で日本がアメリカに対する反対票を投じたのですが、これは少し素朴に言うと驚いたのですけど、これはどう取ったら良いですか?

佐藤)その前の安保理決議のところで日本は議長を務めながら反対で舵を切りましたから、そこで方向を変えたのですね。それまでは曖昧戦略でどちらかと言うとアメリカのやることにコメントをしないと。平和に物事を進めて来た方が良いという、乱暴なことを言えば風呂の中の屁みたいな対応をしていたのですけど、明らかに国連安保理の総会で立場を変えました。
ということはトランプさんと安倍さんが仲良くしているから、どこまでも付いていきますという方向では無いということですよね。これはおそらく外務省が河野さんを安倍さんよりも大切にしているからですよ。もしここで日本が例えば安保理決議で棄権だとか総会でも欠席とした場合には河野さんはこのタイミングで中東に行けないですから。

高嶋)ああ、そういうことも言えますね。

佐藤)私はそういう風に見ていますよ。ということは安倍総理と河野さんを天秤にかけて、会社で言う課長か部長かという局面になったらどうしますかということです。

高嶋)佐藤さんは現場でずっとやっていたからその空気が痛いほど分かると。

佐藤)だから“課長”でいくと。
それと例えばパッケージで、田中眞紀子事件のところで外務事務次官が最後のポストで大使などは出さないということになっていたのですよ。ところが杉山晋輔さんがアメリカに行くというのは、おそらく河野さんが相当強く推したのですよ。
実は外務省の中でこういう話があって、河野さんが決まったのは良いけど、河野さんは外務省のことを有害の害で“害務省”だとずっと言っていた人ですよね。だから外務省の中が非常に緊張したら杉山さんが幹部会で話をして「実は河野大臣と私は家族ぐるみなんだ。自分の子供が河野大臣のところでインターンをやっていた。家族ぐるみでの付き合いは非常に良かったんだ」ということですごい顰蹙を買ったという話があるのです。これはやはり安倍さんか河野さんかということで杉山さんは勝負を掛けて、これが政策にも表れているということですね。

アメリカとの立場を改めた日本 今後の日米関係や東アジア情勢はどうなる?

高嶋)ということは、安倍総理は今回の国連決議での賛成なんていうのは本当はしたくなかったということですか?

佐藤)もう少しアメリカとの関係を重視したら「ここまでトランプとやっているし北朝鮮の問題もあるから。これはやはり今までの日本の外交の継続性もありますし」とか言って外務省が面従腹背をしましたね。このラジオで初めてそのからくりが明らかになりましたからね。今日の午後くらいから少し大変かもしれませんね。

高嶋)そうですか(笑)。「どこまでも付いていきます」というような、本当はグアテマラみたいな態度を安倍さんは期待していたと。

佐藤)だからトランプの方も「あれ、どうなっているんだ? Let’s go together!でどこまで行きましょうみたいな話だったんじゃないの? じゃあ北朝鮮の方はもういいね~」という風になりかねないですね。

高嶋)そっちに跳ね返って来ますか?

佐藤)跳ね返ってきます。これが怖いのですよ。「だって俺相当リスクを犯したよ。横田基地まで行って後方司令部で演説ぶっていろいろとやろうとしたんだけどもう良いんだ? これは貸し借りが合ってないな」というような感じですね。

高嶋)北朝鮮への制裁の国連決議もトランプさんの決議があったからあそこまで相当重い決議が通ったわけですよね。ロシアも賛成したし中国も手を上げて。そういうのを全部チャラにするような感じになるのですかね?

佐藤)だから日本は相当耽溺のある外交をやって、やはりアメリカに対しても物を言うと。ただその動機が日本の国益全体のことなのか自分自身の生き残りを図っているのか、そこは外からはよく見えないですね。

高嶋)じゃあ今日あたりは政府外務省あたりがちょっとした混乱状況になるのですかね?

佐藤)これはこのラジオを聴いたら「やっぱりそういうことだったのか」と簡単に思いますから、本当のことが分かると頭に来ると思いますよ。

 

高嶋ひでたけのあさラジ!
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