清水久嗣のB.LEAGUEレポート! ゴールデンルーキーのプレーを見逃すな! 聴き逃すな!~アルバルク東京 馬場雄大選手その①

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10月に2年目が開幕した男子プロバスケットボールリーグ・Bリーグ。
年の瀬を迎えシーズンの1/3を経過しました。観客動員も増え、初めてバスケ観戦に訪れる方も増えています。
これからバスケットボールを見ようという方におススメの選手!
「選手のことを知らないのだけど、どの選手が有名なの?」
「どの選手を見ればいいの?」と尋ねられれば、
私なら間違いなく「アルバルク東京・馬場雄大選手」の名前を挙げます。
馬場雄大(ばば・ゆうだい)選手。富山県出身。1995年生まれの22歳。
198cmの身長でありながら圧倒的なスピードでボールを運び、そのままリングに向かって突っ込んで上からたたきつける豪快なダンク。まるで漫画のスラムダンクを見ているかのようなプレーを現実で見せてくれます。
しかも今シーズン、アルバルク東京に加入したルーキー。筑波大学在学中の4年生でもあります。富山第一高校から筑波大学に入学するとインカレ制覇に貢献し、そこからは常勝無敗。2年生の時に日本代表候補にも選ばれました。ゴールデンルーキーとして鳴り物入りでチームに加入すると、東地区で首位を走るチームの原動力となっています。センス・若さ・プレースタイルからも本場アメリカのNBA入りに近い選手のひとりと言われている馬場雄大選手。
プロ入りまでのこと、アルバルク東京のこと、アメリカ行きの夢について話を伺いました。

ALVARK TOKYO

©ALVARK TOKYO

馬場選手は父の敏春さんも2mの長身でバスケットボール日本代表経験者。
父・敏春さんは引退後、ミニバスケットのコーチも務め、馬場雄大選手も「自分以上に周りがバスケットをやるだろうと思っていました。母も期待していただろうと思います」と幼稚園の年長くらいからお姉さんと共に自然と参加するようになりました。
その後、高校は富山第一高校に進学。その頃は父・敏春さんも監督を務め、親子鷹として注目されましたが…
「父が監督で他の子と違う環境でやらせてもらったからこそ、ぶつかる壁もありました。家でも監督と一緒ですし、家でも監督と選手の関係を引きずってお互いに知らぬ間に距離が出来て、会話しないこともあったりして。難しい所ですよね(苦笑)」と休まる暇はなかった様子。しかしそれだけバスケットボール漬けの日々を送ったのも事実。
2~3年時にはエースとしてウインターカップに出場し
「今こうして筑波大学やアルバルク東京でプレーしているのは、その頃の積み重ねがあったからこそだと思うので、今の僕がいるのは高校の3年間のおかげです。」と振り返ります。

馬場雄大 ALVARK TOKYO

ご提供写真・馬場雄大① ©ALVARK TOKYO

高校で実績を残し 「教員免許を取るため」という理由もあって筑波大学へ進学を決断。
「自分の頑張りによって選択肢は増えていくと思いますが、ずっとバスケが出来るわけじゃないですし。第2の人生の方が長いと考えて、教職を取ろうと思いました。でも実際に教育実習で生徒と触れ合って、バスケと違った楽しさを見つけられたし、やりがいもある仕事だなと感じましたね。人間的にも成長できると思いますし、バスケだけとは言われたくないので…。」と進学の理由を話してくれた馬場選手。
もちろん筑波大学では教職課程だけではなく、バスケットボール部の中心選手として1年生から活躍し全日本大学バスケットボール選手権の3連覇に貢献しました。

馬場選手が国内でタイトルを獲得する一方、高校生の時に選ばれた日本代表のチームメイトだった渡邊雄太選手(ジョージワシントン大学)や後輩の八村塁選手(ゴンザガ大)らがアメリカの大学で活躍しはじめます。彼らがNBA入りを目指す姿に、自身もアメリカ行きへ心が揺れ動いたそうです。
「いよいよ3年が終わって、あと1年間ここ(筑波大学)でやっていいかを考え始めました。アメリカにも行って練習参加や見学をしましたが、筑波の吉田監督やルカHC(当時・日本代表暫定HC)に相談したら、『アメリカでは1年目で選手を見て、2年目から少しずつ起用していく。今から編入したら1年しか見てもらえないで終わってしまうぞ』と言われました。」
教員免許のこともあり、3年後には東京五輪もある。アメリカか、国内か揺れ動いていた時、『このまま大学でバスケットはやることは勧めないが、アメリカに行くのも今のタイミングではないのではないか』とバスケの舞台をBリーグに移すことをアドバイスされたのです。そして、アドバイスをくれたルカ・コーチも日本に残って、アルバルク東京の新しいヘッドコーチに就任。「育成で一番のコーチと思っていたので、アルバルク東京に入団することを決めました。」とアルバルク東京入団の経緯と決め手を明かしてくれました。

馬場雄大 ALVARK TOKYO

ご提供写真・馬場雄大② ©ALVARK TOKYO

さらなる高みを目指すため、筑波大の4連覇のラストイヤーを前にバスケットボール部を退部し、アルバルク東京に入団した馬場選手。大学生として初のプロ契約選手となりました。
とはいえ教職課程は継続。ルーキーシーズンの開幕前はチームの練習との両立というハードスケジュールに。
「(開幕前のカップ戦)アーリーカップのころは、なかなかチームに合流できませんでした。ただ教育実習を行っていた学校の近くにトレーニングする環境があったので、火曜・木曜にトレーニングして、水曜には体育館を借りてアルバルクのスキルコーチに見てもらって、土日にチームに合流という形を取らせてもらいました。」
チームのサポートを受け馬場選手は教職課程をクリア。アーリーカップでもプロ初得点を挙げ、レギュラーシーズンでもスピードあふれるプレーで先輩たちに引けを取らない活躍を見せています。「大学とは違って外国人選手がいる状況で最初は戸惑いましたが、試合を重ねるごとに手ごたえを感じるようになってきています。まだ目標は上ですけど、1年目としては着実に進んでやっていけているなという感じです。」とここまでを振り返ってくれました。
馬場選手の代名詞と言えば、バスケットリングに上からボールをたたき込むダンクシュート。身長はもちろん、ジャンプ力やスピード、身体のバネなど、高い身体能力がなければできないバスケットボールの花形プレーです。高校のころからすでにダンクシュートを決めていた馬場選手。プロの舞台でも、日本代表でも隙あらばダンクシュートを狙う姿勢に変わりはありません。
「気持ちいいですし、チームが(勢いに)乗るじゃないですか。その部分を大切にしています。プロで決めるのと大学で決めるのとでは、周りの雰囲気が全然違いますね。」と得点以上の効果に手ごたえを感じていました。

馬場雄大 ALVARK TOKYO

ご提供写真・馬場雄大③ ©ALVARK TOKYO

そしてルーキーでありながら1月14日に熊本で行われるBリーグのオールスターにファン投票で選ばれました。しかも11,927票を集め、あの田臥勇太選手を押さえての最多得票です。「自分が最多得票…。どうなんですかね(笑)一生懸命やっていただけなので、気づいたら沢山の方が票を入れて下さっていて。期待の表れだと思っていますし、上を目指す姿を応援してくださると思うので、現状に満足せずやっていきたいですね。」
さらに驚かされたのがB.BLACKのキャプテンを務めることが発表されたことです。
「キャプテン経験は、中学校・小学校でありましたけど…それ以来です。」
とやや困った表情に変わった馬場選手。果たして田臥選手や田中大貴選手に指示を送るんでしょうか?「いやいやいや…(苦笑)。でも普段キャプテンをやらない人がやるっていうのも楽しみですし、それを踏まえてのオールスターですから。期待かけられるのは。苦手な方ではありますけど、嫌ではありません。良い意味でとらえていきたいと思います。」すでにスタープレイヤーの仲間入りをしている馬場選手ですが、スター選手ばかりが集まる中でどんな輝きを見せてくれるのでしょうか。
さらにオールスターならではのダンクコンテストにも参戦。去年の覇者・琉球のアイラブラウン選手や外国籍選手に負けないド派手なダンクを見せてくれるのか、興味は尽きません。

全てが規格外のゴールデンルーキー・馬場雄大選手ですが、いつまでも日本で彼のプレーをみることができるかどうかはわかりません。田臥選手に次ぐ日本人NBAプレーヤーへ。その目線の先にはアメリカでのプレー、日本代表としてのオリンピックでのプレーを見据えている馬場選手のプレーひとつひとつに目が離せません!見られるのは今のうちかも?

馬場雄大 ALVARK TOKYO

ご提供写真 馬場雄大選手④ ©ALVARK TOKYO

馬場雄大選手の所属するアルバルク東京は現在、東地区の首位。
年末年始12月31日と1月1日に東地区の優勝を争う千葉ジェッツと対戦します。
去年も熱戦を繰り広げ3勝3敗。レギュラーシーズン前のアーリーカップでも決勝で対戦し、アルバルク東京が優勝しました。今シーズンもここまで対戦成績は1勝1敗と激戦必至です。
チケットは指定席が既に完売している好カードですが
ニッポン放送ではこの対戦を中継することが決定いたしました!
イヤーエンドスポーツスペシャルとして
12月31日の午後2時30分から「Bリーグラジオ アルバルク東京×千葉ジェッツ」を
解説:佐々木クリスさん、実況:煙山光紀アナウンサーでお送りします。
ニッポン放送初のBリーグ中継もお楽しみに!

駒沢体育館 ALVARK TOKYO

ご提供写真 駒沢体育館① ©ALVARK TOKYO

アルバルク東京 vs 千葉ジェッツ
開催日:12月31日(日)14:05~、1月1日(祝/月)15:05~
会場:駒沢オリンピック公園運総合動場体育館(東急田園都市線「駒沢大学」駅から 徒歩約15分)

チケット:https://www.alvark-tokyo.jp/ticket/
アルバルク東京:https://www.alvark-tokyo.jp/
Twitter:https://twitter.com/ALVARK_TOKYO
Facebook:https://www.facebook.com/ALVARKTOKYO/

次回もアルバルク東京・馬場雄大選手に引き続きお話を伺います。(清水久嗣)

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