日馬富士暴行問題~今後の焦点は「貴乃花親方の処分」と「白鵬の相撲立ち位置」

12/21(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

日本と外国人力士との、文化摩擦の側面もある
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

大相撲理事会 尾車 八角 高野利雄 危機管理委員会 委員長 両国国技館

【大相撲 理事会】臨時の理事会を終え、会見に臨む(左から)尾車理事、八角理事長、高野利雄・危機管理委員会委員長=2017年12月20日両国国技館 写真提供:産経新聞社

日馬富士暴行事件~危機管理委が報告書を発表

大相撲の元横綱日馬富士による暴行事件で、日本相撲協会の危機管理委員会が昨日発表した報告書では、事件の経緯について、被害者の貴ノ岩と日馬富士側の説明の食い違いが鮮明になった。日馬富士は「貴ノ岩の態度に問題があった」としていたが、貴ノ岩は協会の聴取に、「暴行を受ける理由はない」という趣旨の話をしたという。

日本相撲協会は、昨日臨時の理事会を開き、日馬富士暴行事件を巡る処分を協議し、白鵬と鶴竜については、「来年1月の給与を支払わない」とするなど、報酬減額処分を課しました。

日馬富士の師匠だった伊勢ケ浜親方については、監督責任をとって理事を辞任し、役員待遇の委員に降格となりました。日馬富士については、横綱審議委員が、引退勧告相当とし、理事会もこの提言を確認しました。巡業部長の貴乃花親方についての処分は、「協会の危機管理委員会の聴取が終わっていない」ということで、先送りとなっています。以下は、八角理事長のコメントです。

八角理事長)貴乃花親方だけ聞き取りが間に合いませんでした。次回の理事会までに、貴乃花理事の弁明を聞いて、処分の判断をすることになりました。

貴乃花親方については横審でも「非難に値する」という指摘があり、「貴ノ岩に対しての調書の協力を何度も拒否した」ということで問題視されています。相撲協会は来週28日の臨時理事会と評議委員会で、貴乃花親方の処分を協議するとのことです。

八角理事長は月給144万8,000円の3ヶ月分、434万4,000円を返上します。危機管理委員会が昨日発表した報告書では、一昨日聴取をした、貴ノ岩の聴取内容が判明しました。貴ノ岩は「自分に対する説教が終わった後、白鵬や日馬富士が別の話をしていたときに、スマートフォンで受信したメッセージを返信したに過ぎず、特に礼を失する行為をしたわけではなく、暴行を受け、傷害を負わされるような理由は全くない」という趣旨の話をしたそうです。また、「その場にいた者がもっと早く制止してくれればいいのに、なぜ誰も止めてくれないのか、とも思っていた」とのことです。

貴ノ岩は今月5日から入院中だということです。協会は再発防止策も協議し、相撲協会のOBや、外部有識者、親方衆らによる、再発防止検討委員会を、早ければ28日までに設置し、今日の午後には、力士や親方ら全協会委員を対象とした、再発防止に向けた研修会を開くとのことです。

大相撲 地方巡業 直方もち吉場所 白鵬 非難 プラカード 福岡県 直方市体育館

【大相撲地方巡業 直方もち吉場所】大勢の観客、報道陣を引き連れ会場をあとにする白鵬、その後ろで白鵬を非難するプラカードを掲げる人=2017年12月6日福岡県、直方市体育館 写真提供:産経新聞社

誰も文句を言えない結果白鵬は増長し、日本の伝統的な大相撲が破壊されていく

高嶋)すべからく、白鵬ありきなのですよね。やはり白鵬だけがダントツの大横綱で。鶴竜に対しても、「お前がちゃんとしないから」というようなことを言っているし、取り成そうとした日馬富士に対しても、ちょっと違うようなことを言っている。彼が何か言わないと、その場は収まらないですよね。

山本)ということでしょうね。これは、相撲界という日本文化の非常に色濃いコミュニティの中にある、モンゴリアンのサブコミュニティの中ですよね。そういう、文化摩擦的な側面もあると言えるのかもしれない。
今後は「処分はどうなる」というようなことになっていくと思います。これは、「貴乃花親方の処分問題」という側面と、それから「白鵬の相撲の立ち位置はどうか」という部分と。難しいところは、「日本の相撲とは何か」というところに軸足を置くのか、「いや、ルールでしょ。勝てばいいんでしょ」という部分なのか。張り手にしろ、かち上げにしろ、ルール違反ではない。ただ、「横綱相撲と言われるものの美学に合っているか?」と言われるとまったく合っていない。その辺ですよね。

高嶋)白鵬のかち上げというのは、昔よく普通にあった、相手の顔をガンと上げる、ああいうかち上げと言うよりは、エルボー(肘打ち)に見えます。スロービデオで見たら、完璧に肘打ちでした。ああいうのも、親方も教会も含め、周りも白鵬に直接モノが言えない。だから、彼が増長するわけですね。

山本)その辺は今日の産経新聞1面記事に舞の海さんが相撲論として書いていますね。「これは日本相撲か?」という論点に立つなら、非常にコレに尽きると思います。やはり「日本の伝統文化をきちんと抑えるのか抑えないのかどちらだ」という話になってきますよね。

高嶋)極論を言えば、「外国人力士が日本伝統の大相撲の価値というものを破壊する」となれば、「じゃあもう入れるの止めましょう」とか、そういうことになりかねない。

山本)だけど、いま日本の相撲界をリードしている強い力士はどこから来ているのか、となると話が難しくなってくる。

大相撲 理事会 貴乃花 親方

【大相撲 理事会】理事会に臨む貴乃花親方=2017年12月20日午後、両国国技館 写真提供:産経新聞社

貴乃花親方の処分問題は残っているが、彼は戦略的に目標は達成した

高嶋)今回の件、これで収まってよろしいのでしょうか?

山本)貴乃花親方の処分問題が残っていますが、彼はその辺の勝ち負けに関しては、戦略的に計算していたと思います。彼が一矢報いたいと思っていた人は全員処分の対象になったわけですから。

高嶋)だけど、八角理事長が3月いっぱいですから、「新理事長に貴乃花が当然選ばれるだろう」と新聞に書かれています。もし理事長になったら、急にしゃべり出すのでしょうか?

山本)あの方のやることはちょっと予想が難しいところがありますから、分からないですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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