77万年前から12万6千年前の千葉時代「チバニアン」 市原市田淵の地層をレポート

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77万年前から12万6千年前の千葉時代「チバニアン」 市原市田淵の地層をレポート

2017年の話題になった現場にわたくし高嶋が実際に足を運んで、「今」を語る「高嶋ひでたけのひでさんぽ2017」。

今回は、市原市の「チバニアン」です。11月13日、千葉県民にとって、いや日本にとっても、朗報が舞い込んできました。地球の歴史のうち、77万年前から、12万6千年前を千葉時代、ラテン語で「チバニアン」と名付けられる事がほぼ確実となりました。(今後3段階の審査がありますが)

決定打となったのが、市原市の養老川沿いの崖にある田淵(たぶち)という地域の地層だったんです。

《地磁気逆転地層について》
地球というのは、大きな磁石になっていまして、今、方位磁石のN極の針は北の方角をさします。しかし、信じられない事に、S極が北の方角をさす「地磁気の逆転」というのが過去360万年間だけ見ても、11回もあったそうなんです。

地球のN極とS極が逆転する「地磁気の逆転」が最後に起こったのが77万年前と言われていまして、その地磁気の逆転を証明した地層が市原市田淵の地層。

地質学では、46億年の地球の歴史を115の区分で表して、それぞれの時代を代表する地層を世界で1カ所選んで、例えば、「カラブリアン」とか、時代の名前をつけるそうなんです。イタリアにある2カ所の地層との長きに渡る命名争いに、市原市の地層が見事勝ちまして、国際学会の1次審査を通過。ほぼ内定のようで、来年以降、正式に決定する見通しとなっています。

有楽町のニッポン放送から車で1時間20分程、走って、市原市田淵の地層に到着。川沿いで滑りやすいので、長靴を履いて、周辺を歩いてみました。途中には、「地球磁場逆転期の地層」という、やや年季の入った看板がありまして、長い歴史を感じます。10分程、歩くと、養老川沿いに、高さ15mほどの崖が出現。これが、チバニアン時代の証明となる地磁気逆転の地層。

77万年前から12万6千年前の千葉時代「チバニアン」 市原市田淵の地層をレポート

崖の上の方に、一本の筋が見えます。これが実は大事で、およそ77万年前に長野県と岐阜県にまたがる御嶽山が噴火した時の火山灰の積もった層。この火山灰の堆積層が、地磁気が逆転していた時代の目印。

なぜ、そんな大昔の地層がきれいに見えるかと言いますと、元々、市原市の養老川沿いの崖のあたりは海だったそうなんです。海底で積もった地層が後に房総半島が隆起した時に、崖になって見えるようになったものと言われています。

チバニアンのスゴいのは、地磁気が逆転した時代だけでなく、現在と同じ地磁気の時代、過渡期の時代、そして逆転した時代。この3つが1つの崖で観察出来るというところ。緑、黄色、赤の杭で色分けされています。ここまでハッキリ見えるのは、市原市田淵の地層だけ。

市原市養老渓谷沿いの崖、チバニアンには、今週の火曜日の午前中に訪れたのですが、観光客は平日ともあって、ちらほら。土日や祝日は600人ぐらい訪れて、殺到するそうです。最寄りの田淵会館の駐車場には簡易トイレも設置されていて、見物客の受け入れ体制も整いつつあるようです。チバニアンを見に来た方にお話を聴いたんですが、皆さん声を揃えて言うのが「分かんない」のひとこと。私も正直、チバニアンは分かりませんでした。

ただ、「地磁気が逆転する」という事で、チバニアンが「人生を逆転」したい方向けのパワースポットになりそうな気配があるようです。

ちなみに、茨城大学の岡田誠教授によりますと、チバニアンの時代である、およそ77万から12万6,000年前は、今と同じ気候で同じ生物種になってきた時代。例えば、マンモスやナウマンゾウがいたそうで、チバニアンが始まる77万年前には、ジャワ原人がいたと言われているそうです。

太古の歴史に思いを馳せながら、分からないなりにも、養老川沿いをお散歩するのも悪くはないかもしれません。

77万年前から12万6千年前の千葉時代「チバニアン」 市原市田淵の地層をレポート

12月14日(木)高嶋ひでたけのあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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