トランプ政権~北朝鮮への政策転換の実態とは?

12月14日(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

北朝鮮の脅威高まる日本
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(元外務省主任分析官・作家)

ティラーソン トランプ

ティラーソン米国務長官(左)とトランプ大統領=2017年11月20日、ワシントン(UPI=共同) 写真提供:共同通信社

アメリカが北朝鮮と前提条件なしで対話へ、認めざるを得ない北の核

ティラーソン国務長官が北朝鮮と前提条件なしで対話を行う用意があることを明言。このことから予測されるアメリカの北朝鮮の核兵器開発に対する既定路線と、トランプ大統領に振り回される日本政府。その実態とは?

高嶋)北朝鮮の問題を伺いたいのですが、アメリカのティラーソン国務長官の非常に気になる発言がありまして、北朝鮮と前提条件なしで対話する用意があると。今まではまず核の放棄、これが前提だったのですが、これを取ってしまったかっこうになります。クビ間近とも呼ばれたティラーソンさんですが、この発言の重大性はどの程度のものですか?

佐藤)非常に大きいと思います。既定方針になる。どういうことかというと、ちょっと例が違いますがガダルカナル戦。日本は白兵突撃で少しずつ部隊を逐次投入してたでしょ。あれはどうしてか? 最初から決戦やってたって負けることはわかってるから。逐次投入して現場ももう勘弁してくれ、大本営ももう無理だっていう形になったところで転進っていう形で撤退する。だから撤退ができるような体勢は全部整えてたんであれは玉砕戦じゃないんですよね。それと一緒。北朝鮮の核はもう認めざるを得ないとティラーソンは思ってたしトランプは当初思ってるの。それなんだけども途中でね、トランプは売り言葉に買い言葉の人だから、トランプ一回怒ったことあるでしょ。「俺は奴のことをチビとかデブとか言ってないけど、何で俺のこと老いぼれって言うんだ」と。あれで怒ったわけ。「あの野郎俺のことを老いぼれと言いやがって締めたろうか」と。

高嶋)ああいうのが気になるみたいですね。

佐藤)そういうのものすごく気になる。だからそういうような形になってティラーソンは「ちょっとやめましょうよそういうことは」と。

高嶋)ということは、トランプの親分もこれは了解済みの前提条件なしっていうことなんですか。

佐藤)もちろんです、これ重要なことは。

高嶋)ティラーソンさんが勝手に言ってるんじゃなくて?

佐藤)じゃない。だからこれトランプが言ってると見た方が良いです。

エルサレム市庁舎 イスラエル 国旗 米国旗

エルサレム市庁舎の入り口を飾る米・イスラエル国旗。米国旗はトランプ氏の発言の前後に掲げられたという=2017年12月7日、エルサレム市街 写真提供:産経新聞社

北朝鮮への重大なる政策転換~背景にはエルサレム問題

高嶋)そしたらあれじゃないですか、もう重大なる政策転換じゃないですか。

佐藤)そういうことです。重大なる政策転換で、これから北との接触が始まっていって、落としどころは前提なしっていうのは今のまんまでこれ以上やるなよ。すなわち大陸間弾道ミサイル、これは作るな。あと核の小型化もするなっていうようなことだと思うんですよ。

高嶋)さきほど仰ったエルサレムの二正面作戦。それは無理だから北朝鮮の方はもうまとめちゃおうという。

佐藤)そういうことです。だから雰囲気として言うとね、「おっとエルサレムで手つけたらエラい面倒臭いことになったな。この辺はガチャガチャしてるからこっちの方は静かにしてな。お前上手くやってくれよティラーソンよ!」っていうこういう感じですよ。

金正恩 軍需工業大会 平壌

北朝鮮の労働新聞が掲載した、2017年12月12日に平壌で行われた軍需工業大会で演説する金正恩朝鮮労働党委員長の写真(コリアメディア提供・共同) 写真提供:共同通信社

トランプに振り回される日本~すべては金正恩の思うまま

高嶋)じゃあ安倍さんは鳩に豆鉄砲じゃないですか。

佐藤)だからそこのところであんまりかっこよくないですね我が国は。

高嶋)えらくかっこ悪いですよ。

佐藤)ものすごくかっこ悪い。

高嶋)アメリカ共々最高の圧力を北朝鮮にかけて、そして向こうが何とか話をさせてくれよと言うまで締めあげて。

佐藤)でもね、トランプってそういう人じゃないですか。それわかって付き合ってなかったの? っていう話で。昔ほら、映画館で仁義なき戦いってありましたよね、あれは「お前だけやで広能」って金子信雄が言っていて、それでそっちになると「俺は知らん、俺は知らん」という風な雰囲気の。

高嶋)泣きの親分みたいな。

佐藤)あの泣きの親分な感じでトランプを見とくとね、悪い人じゃないんだけど、筋がガタガタになるようなことは平気でやるような人だと思っておいた方が良いです。これがアメリカ・ファーストの特徴ですよ。

高嶋)国連の事務次長フェルトマンさんって言ったけ、あれが北朝鮮へ行ったっていうのも重要な露払いだったんですか。

佐藤)露払いで、窓口つくらないといけないよ窓口開けてねっていうようなことで、これティラーソンとかこの辺の動きは全部繋がってます。それだから、大きい形で言うと実に残念なんだけどね、みんな金正恩さんのあの掌の上で我々はみんな踊らされてるわけ。

ワーキングランチ 安倍 首相 トランプ

ワーキングランチの前に、池のコイに餌を与える安倍晋三首相(右)とトランプ米大統領=2017年11月6日、東京・元赤坂の迎賓館・和風別館 写真提供:産経新聞社

個人主義と生命至上主義のない北朝鮮の強さ

高嶋)結局、決着の付け方としては佐藤さんが前から推理してたのと全く同じ解決になるんですね。

佐藤)そういうことです。どうしてかというとね、我々は合理的に発想するんだけど個人主義で生命至上主義でしょ。北朝鮮は目的達成のためは合理的だけど人の命も平気で奪うし個人主義ないから。合理主義だけで個人主義と生命至上主義がない国というのは短期的には強いんです。だからそう意味においては気合負けなの。向こうは人間の命大切にしないし、個人の立場っていうのは全然尊重しないから。だから党中央が言ったらその通りにやれと、教えた通りにやれだから。

高嶋)じゃあ、ある意味金正恩もシナリオ通りに進行したなと思ってる。

佐藤)思ってる。やっぱり俺は強気で行けばと。

高嶋)じゃあやっぱり安倍さんは鳩に豆鉄砲じゃないですか。

佐藤)だから今すごくかっこよくない。だからあんまりこのことについては言及しないでみんな下向いてるって感じですよね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.