落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第325回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、12月16日から公開の『はじまりのボーイミーツガール』を掘り起こします。


この恋にはキュートなときめきがいっぱい!

落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』
少年少女の恋を描いた映画は、まだ何も知らないゆえの純真さや切なさにあふれ、観る者に“あの頃のピュアな気持ち”を思い出させてくれます。そんな思春期の入口に立った少年少女たちによる青春ドラマが、アムールの国からやって来ました。

フランスのベストセラー小説を映画化した『はじまりのボーイミーツガール』。コメディ俳優としても活躍するミシェル・ブジュナーが自身3作目の監督作として手がけたハートフルコメディです。

落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』
ヴィクトールは、母の死から立ち直れない父親に悩む12歳。クラスの優等生マリーに恋しているが、秀才のロマンからのアプローチにも目もくれない彼女に、落ちこぼれのヴィクトールにはなす術もなく、ただ遠くから見つめるだけだった。

ところがある日、マリーから「勉強を手伝ってあげる」と声をかけられ、それ以来、徐々に彼女との距離を縮めていくことに。そしてヴィクトールは、マリーがチェロ奏者を目指しているが、徐々に視力が落ちる病気を抱えているという秘密を知ってしまう。

その秘密を守るために自分が利用されていることに気付いたものの、マリーの夢への情熱に動かされたヴィクトールは、二人だけのある秘密の作戦を開始する…。

落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』
チェリストを夢見る優等生の少女と、その少女に恋心を抱く少年が織りなす青春ストーリー。12歳にして自分に気がある男子を振り回す、言わば小悪魔的なヒロインを演じるのは、フランスでは若き天才バイオリニストとして有名なアリックス・ヴァイヨ。

ちょっぴり意地っ張りだけど健気な少年ヴィクトール役には、『ミモザの島に消えた母』のジャン=スタン・デュ・パック。本作ではキャラクター的には“落ちこぼれの少年役”ですが、クルンとカールした巻き毛、大きな瞳に長〜い睫毛の持ち主で、そのイケメンぶりは目を見張るほど。伏し目がちに物思いに耽る表情の愛らしさに、ハートを打ち抜かれる日本人女子も多いことでしょう。

落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』
本作で紡がれている多感な年頃の子どもたちの心情は、実に繊細。大人びた一言にドキッとしたり、ピュアなやり取りにキュンとしたり。前向きで純粋な気持ちを思い起こさせてくれる、ほっこり温かな一作です。

落ちこぼれ男子が優等生女性に恋したら…『はじまりのボーイミーツガール』
はじまりのボーイミーツガール
2017年12月16日から新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開
監督:ミシェル・ブジュナー
出演:アリックス・ヴァイヨ、ジャン=スタン・デュ・パック、シャルル・ベルリング、パスカル・エルベ ほか
©2016 GAUMONT-AJOZ FILMS-NEXUS FACTORY
公式サイト 
https://hajimari-bmg.com/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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