中国「一帯一路構想」の実態とは?

12/5(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

安倍総理が一帯一路構想に対し「大いに協力できる」と表明
7:02~高嶋ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター富坂聰(ジャーナリスト・拓殖大学教授)

一帯一路

一帯一路国際協力サミットフォーラム(一帯一路 – Wikipediaより)

若い低所得層の多い地域をいかの取り込んでいくか

中国共産党が掲げる「一帯一路構想」、安倍総理が「大いに協力できる」と表明する一方、その実態は未だはっきりとしていないのが現状。ジャーナリストの富坂聰氏がこの経済政策の実態について詳しく解説する。

高嶋)安倍総理が中国の例の「一帯一路構想」に対して「大いに協力できる」と表明したということです。今日の朝日新聞にも「一帯一路で政府が指針 省エネなど3分野」と出ていますが、中国側が言っている安倍さんが指している今回のは中国の一帯一路構想より「バングラデシュ・中国・インド・ミャンマー経済回廊」と、いろんなルートがあるようですけど。

富坂)ありますね。一帯一路というのはぼんやりとした概念で「ここからここまでが一帯一路」というわけではなく、ある意味言ってみれば若くて所得が低い人たちというのは少しお金を持つと一気に使うので、経済発展に貢献できるのです。例えばお金持ちに経済支援をすると貯金をするのですよ。でもお金の無かった人に持たせるとすぐに使うので、効果がすごいのですよね。
そういう意味で言うとすごく有望な人たちが沢山集まっていて、さらにインフラ的にも開発の余地があるというのがずっと並んでいるのが一帯一路で、実はこれ大きな湖に中国がどれだけ大きな船を浮かべても隙間だらけなわけなのですよね。ひとつの大きな概念なので、これに出る出ないはそもそも中国がやっているからという話では無いのですよね。

一帯一路

一帯一路の地図(一帯一路 – Wikipediaより)

一帯一路は今までに存在した数ある経済構想を大きくまとめたもの

高嶋)当初聞いた話では随分と大風呂敷の取り留めのない話だなと思ったのですけど、けっこう安倍さんも「大いに協力できる」なんて言って、そうしたら今日の報道で「日本郵船は中国によるスリランカ港湾への投資・物流網の効率化に貢献 自動車輸送での協力 丸紅株式会社もインフラ整備で中国企業との連携を深める」とか、具体的な話がぽつぽつと出ているのですね。

富坂)そうですね。中国がどこに力を入れていくのかということによって、例えば物流の流れができないと物は動かせないじゃないですか、そういうことで言うとあのお金を沢山投じることのできる中国が開発しているところに乗っていくのが楽ですよね。そういう意味ではスリランカの港とかも逆にそういうところに乗っかっていくというのは楽なわけですね。

高嶋)協力姿勢はもう140ヵ国が表明していると言いますけど、今になって安倍さんがこういうことを言うというのは日本も乗り遅れまいということなのですか?

富坂)それは絶対にそうですね。そもそもこの構想というのは元々アメリカが「新シルクロード戦略」というのをヒラリーさんのときに出していて、さらにロシアのプーチン大統領が「ユーラシア経済連合」というのを出していますよね。これを飲み込む形で一帯一路になっているので、もう両方とも連携しているのですよ。
だからそもそも皆が言っていた経済圏構想の大まとめみたいなもので、これは細かく見ていくとパキスタンのなんとか構想とかインドのなんとか構想というのも全部飲み込んでいるわけですよ。だからその内でどこが火を付けるのか、つまり数ある中で自分の実力だけで開発していくというのは無理なので、どこが最初に火を付けるのかというので今のところ言われているのがパキスタンとかスリランカなどとなっているので、この嗅覚を働かせていくとするとやはり中国が手を付けているところが何となくやりやすそうだというのがおそらくあるのだと思います。

習近平

中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利70周年記念式典で演説する習近平(2015年9月3日)(習近平 – Wikipediaより)

習近平政権は経済建設重視の“微笑み戦略”?

高嶋)中国は全世界に人を出していて、アフリカなんかもすごいじゃないですか。そうするとそういう風にあまりにも巨大な国でありあまりにもいろんな仕掛けをやるものですから、よく言われる中国の“野望”とか「実はこんなことを考えているんだ」というような視点から言うとどうなのですか?

富坂)そうですね、“野望”というのはもちろん自分たちの経済発展の為にやっていることなのでこれは当たり前のことなのですけど、だからと言って何かをコントロールしようというほど出て行くかというと、東南アジアの人々はそんなに甘い人たちではないですからね。

高嶋)この頃中国も少しおとなしくなりましたよね、ベトナムとかフィリピンに対して。

富坂)これ実は習近平政権2期目は経済建設だという風に決めていたので、これはもう“微笑み戦略”に変えていくということですね。これは大体見えていた流れなのです。
だから日本との関係も改善していますよね。これはもう後半は具体的に経済建設をしようと。おそらくちょっとした問題があっても長引かせないというのが中国のこれからの基本だと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Copyright Nippon Broadcasting System, Inc. All Rights Reserved.