しゃベルシネマ

かつてない劇場体験へあなたを誘います『新世紀、パリ・オペラ座』

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第321回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、12月9日から公開となる『新世紀、パリ・オペラ座』を掘り起こします。


芸術の殿堂パリ・オペラ座、その裏側に迫ったドキュメンタリー


ルイ14世の時代から350年以上にわたり、オペラやバレエにおいてトップレベルの伝統を維持する、パリ・オペラ座。

フランスが誇る芸術の殿堂をテーマにしたドキュメンタリー映画はこれまでにも公開されていますが、本作はオペラに主軸を置いてパリ・オペラ座の舞台裏に迫ります。


フランスが誇る芸術の殿堂パリ・オペラ座は迷っていた。長きにわたって伝統を守り続けてきた彼らにも時代の波は容赦なく押し寄せ、世の中の流れや観客の嗜好が大きく変化していく昨今。選ぶべきは歴史の継承か、それとも新時代ならではの表現の追求か。

バンジャマン・ミルピエの電撃退任を受けてオレリー・デュポンのバレエ団芸術監督就任。オペラ公演2日前の主要キャスト降板。オーディションに彗星のごとく現れた、ロシア人の新人歌手ミハイルの才能。そして、2015年11月にパリの劇場が襲撃された同時多発テロ。

目まぐるしく変化していく現代に、彼らは自問し続ける。いま、オペラ座に求められるものは何なのか…。


パリ・オペラ座に在籍するバレエダンサーやオペラ歌手だけでなく、苦悩する経営陣の姿、衣装係や清掃係たち“裏方”の表情まで、あますところなく映し出した本作。まるで観る者もパリ・オペラ座の舞台裏に身を置いているかのような臨場感は“バックステージもの”と呼ばれる作品の中でも群を抜いた出来と言っても過言ではありません。

優れた才能を持つアーティストたちが伝統と格式を重んじながらも、さらなる高みを目指して切磋琢磨する様子には目が釘付けになることでしょう。


タイトルに“新世紀”と付くように、常に“新陳代謝”を繰り返しているパリ・オペラ座。それこそ世界中にいるファンを魅了する由縁なのではないでしょうか。

人間愛と芸術愛に満たされた究極の“劇場体験”を、是非。


新世紀、パリ・オペラ座
2017年12月9日からBunkamura ル・シネマほか全国順次ロードショー
監督:ジャン=ステファヌ・ブロンC
出演: ステファン・リスナー、オレリー・デュポン、バンジャマン・ミルピエ、フィリップ・ジョルダン、ロメオ・カステルッチ、ブリン・ターフェル、ヨナス・カウ フマン、オルガ・ペレチャッコ、ミヒャエル・クプファー=ラデツキー、ジェラルド・フィンリー、ミハイル・ティモシェンコ、アマンディーヌ・アルビッソン、エルヴェ・モロー、ファニー・ゴルス ほか
©2017 LFP-Les Films Pelléas – Bande à part Films – France 2 Cinéma – Opéra national de Paris – Orange Studio – RTS
公式サイト http://gaga.ne.jp/parisopera

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