北朝鮮の核・ミサイル問題~アメリカは日本のことなんて考えていない!?

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11/29(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

“アメリカにミサイルが届かなければ良い”は最悪のシナリオ
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

北朝鮮が約2ヶ月ぶりにミサイル発射 EEZ内に落下

北朝鮮は日本時間の今日午前3時18分頃に弾道ミサイルを発射しました。小野寺防衛大臣は今回の弾道ミサイルが複数に分かれて落下したという見方を示し、多弾頭のミサイル―MIRV(マーヴ)だった可能性は否定できないと述べています。

アメリカ国防総省は初期分析の結果、ICBM(大陸間弾道ミサイル)1発だと発表しています。またアメリカのティラーソン国務長官は今回のミサイル発射を「強く非難する」という声明を発表しました。

小野寺防衛大臣は今回のミサイルがおよそ53分間、およそ1,000km飛翔し、午前4時11分頃に青森県の西およそ250kmの日本のEEZ(排他的経済水域)内に落下したと推定されるとしています。また今回のミサイルは4,000kmを遥かに超える高さに達したと明らかにしておりまして、高い高度で撃ち上げ飛距離を抑えるロフテッド軌道だった可能性があります。今のところ被害の情報は入って来ておりません。

日本政府は午前6時頃からNSC(国家安全保障会議)の関係閣僚会合を開きました。

私邸ではなく総理公邸に泊まっておりました安倍総理は、午前6時前記者団に次のように述べています。

安倍総理)(撃ち上げられたのは)ICBM級の可能性があります。政府としてはミサイルの動きを完全に把握し危機管理に万全の態勢を取りました。このような暴挙を行ったことは断じて容認できません。北朝鮮に対して厳重に抗議を行いました。

森田)アメリカの専門家によりますと、今回のミサイルが通常の軌道で発射されていたら飛距離は13,000km以上に達し、首都ワシントンを含むアメリカ全土が射程に入るという分析を発表しています。
また安倍総理は先程アメリカのトランプ大統領と電話で会談を行いました。また国家安全保障理事会は緊急会合を29日に開催する方向で調整に入ったということです。

北朝鮮問題における各国の“出口”に相違がある “出口論”のすり合わせが大切

高嶋)いろんな側面がありますけども、鈴木さんに伺いたいのは、日本としてはどうなのでしょうか? 先程の6時半の段階でニッポン放送をお聴きの方にはロフテッド軌道で4,000km以上高く上げて日本のEEZ内に落としたということは、つまり“アメリカに向けて撃ったのではない”という気遣いがあると。
普通に計算すると13,000km飛んだのだということは、これはもしかすると水面下で北朝鮮とアメリカの間で、手打ちとは言わないけども、なにやら話し合いがあるのかもしれない。そういう動きに対して日本はどうで出るのかというのもひとつのテーマだとおっしゃいましたが、安倍さんの考え方としてはトランプさんと会談したという情報がありましたけど、これはどんな風な感じなのでしょうか?

鈴木)そうですね、これは表現としては永田町ではそれなりの専門的な政治家は皆“出口”という言葉を使うのですよ。“出口論”と言うのですね。それは何かと言うと今一生懸命圧力を掛けていますよね。圧力を掛けていくその先に一体どこまで行ったら北朝鮮と対話などをどういう風にしていくのかというその結論をしっかりと定めているのだろうかというところなのですよ。
例えばアメリカも中国もロシアもそれぞれ“出口”というのは違うのではないかと。「ここまで北朝鮮が譲れば対話に行って良い」の「ここまで」が各国きちんとすり合わせができているのかなと。
例えばこれはアメリカに強いパイプを持った国会議員が言っていたのですが、アメリカの場合はICBMの開発さえ止めれば北朝鮮とは対話をしても良いのではないかと、そういうことをアメリカだって考えるかもしれないというわけですよ。そうなって来るとそれでアメリカだけが急に日本の梯子を外すような形で急にそっちの路線に切り替わったときに、ミサイルは日本に向いているわけで、日本と韓国だけ危機を背負ったままということになるかもしれない。だからその辺の“出口論”をしっかりと日米・日中・日露で申し合わせた上で圧力ということをやっていかないといけない。

高嶋)その辺のスクラムの組み方がどうなのか、また日本は日本の特別な事情の中で果たして国際社会にどのような意見を言い、そして引っ張って行くのかということですよね。核なんかそのままにして「じゃあ良いよ、ICBM飛んで来なきゃOKだ。話し合いに行こう」なんて言ったら、これは冗談じゃないですよね。

鈴木)本当に冗談じゃないのですよ。だから安倍さんもきっとそうは思っていないはずですよね。だけども例えば実際にアメリカでは「核保有まではしょうがないんじゃないか」なんていう議論も出て来ているのですよね。だからこの辺をもう1回すり合わせないと、圧力圧力ばかり言っていても、“出口論”をすり合わせてからやらないと、今この重要な局面でその作業が必要なのではないかということですよね。

高嶋)安倍総理の強力圧力論だけで事が推移していくはずが無いと。

鈴木)他の国に乗せられてしまわないで、安倍さんが独自に出口論というのを自ら探って行っても良いのではないかと、逆に言うとそういう意味でもあるのですけどね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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