憲法改正というけれど、国民の関心は年金・介護・子育て

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11/22(水)FM93AM1242ニッポン放送『鈴木哲夫のあさラジ!』今日の聴きどころ!④

立憲民主党・希望の党~憲法調査会で憲法論議スタート
7:17~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター菅原一秀(自民党衆議院議員・予算委員会筆頭理事)

大塚耕平

参院本会議で質問する民進党の大塚耕平代表=2017年11月21日午前、国会 写真提供:産経新聞社

憲法改正を巡って与野党各党の食い違う思惑

立憲民主党は昨日、党の憲法調査会の初会合を国会内で開催し、総理大臣による衆議院解散権の制約や「知る権利」などを巡って議論した。一方希望の党も今日、午前党の憲法調査会の初会合を国会内で開き、憲法論議をスタートする。

森田解説委員)昨日の参議院本会議で民進党の大塚耕平代表が就任後初めて代表質問に立ちました。大塚代表は憲法改正の論議で9条改正の是非には触れず、憲法と自衛隊の関係に絞って質問しました。「自衛隊を違憲と考えているのか」「自衛隊を憲法に書き加えることで何が変わるとお考えなのか」と安倍総理の考え方を炙り出す作戦を取りました。大塚代表は“友党”と位置付けております立憲民主党、それから希望の党の立場も考えてあまり踏み込んだ質問にはなりませんでした。
その立憲民主党の方は昨日、党の憲法調査会の初会合を国会内で開きまして、今日以降も会合を重ねて党の対処方針を12月上旬にも策定する方針だということです。ただ山花調査会長は「党の対処方針では安倍総理大臣が示した“自衛隊明記案”を巡る立憲民主党としての見解は示さない」と説明しています。
一方希望の党は今日午前憲法調査会の初会合を始めて開きます。玉木雄一郎代表は「9条改正も含めて幅広く議論の対象とする」という意向を示しているのですが、共同代表選挙で敗れました大串博志衆議院議員は「9条改正不要論」を主張しております。希望の党が分裂しかねないという指摘もこの憲法改正論議の中には含まれています。

石破茂 中谷元

衆院本会議に臨む自民党の石破茂元幹事長(左)と中谷元・元防衛相=2017年11月21日午後、国会 写真提供:産経新聞社

自民党の掲げる憲法改正草案 党内での食い違いと今後のスケジュールは?

鈴木)菅原さん、自民党そのものの草案ですが、これは自民党の中でもいろいろと議論があって。最初の内は年内にまとめるというスケジュール観もありましたけど、これ自民党の中の議論というのはどうなっているのですか?

菅原)これは自民党が野党時代の草案がベースになっていますから、あれから与党になって、しかも北朝鮮問題を始め東アジアの情勢がこういう状況の中できっちりと改正をしていかなければいけない。それはよく党内で議論をして踏まえて、来年の通常国会には出したいという総理の思いもありますから、ここは徹底して議論をしていきたいなと思います。

鈴木)特に石破茂さんなんかはこの9条の扱いについて「1・2項をそのままにして自衛隊を加えるというのはおかしい」という風に言っていますよね。この辺は収束できるのですか?

菅原)自民党でもいろんな闊達な議論を経て草案を作っていくということですから、今おっしゃったような意見もあれば、やはり1・2項は残して3項に新たに自衛隊の存在を明記するという考えが今のところは大成ですから、こうした方向あるいは9条だけではなく緊急事態条項だとか教育の無償化など、“改正”と言ってもいろいろな論点がありますから、そういうことを多岐にわたってしっかりと議論をしてそれを修繕して草案として出していきたいと思っています。

陸上自衛隊

砂浜に上陸する陸上自衛隊普通科連隊の隊員=2017年11月12日午後、静岡県の沼津海浜訓練場 写真提供:産経新聞社

国民が最も求めているのは社会保障 改憲に関する国民との大きなギャップ

鈴木)僕はこの憲法改正でひとつ訊きたいのは、実は今マスコミが世論調査をやっていて、世論・国民の政策の優先順位、何をやって欲しいかというものの1番が社会保障なのですよね。憲法改正は議論して良いけれども、優先順位としてはどの調査でも極めて低いのですよね。この辺の国民とのギャップをどういう風に受け止められていますか?

菅原)国民生活においてはやはり年金や介護・子育て、こうした社会保障が前面であって、次が景気ということになって、そういう意味では憲法改正論議はその下くらいなのですけど、やはり今の日本やアジアを巡る情勢は極めて緊迫していますから、憲法改正をした上で自衛隊の存在が明記されるのは最低限のことだと思っていますので、そういう流れを作ってしっかりとこの国を護る体制を整備するというのは当然のことだと思っています。

鈴木)議論に入っていくとまたいろいろと難しいと思いますが、これは最終的に国民投票ですよね。ズバリ訊いてしまいますがこの辺のスケジュール観というのはどうですか?

菅原)ここは再来年参議院選挙もありますし、いわゆる2020年と言われるような方向性はありますので、とにかく今はしっかりと党内の論議を経て草案を出すということが第一だと思います。公明党との協議もしなければなりませんので。与党としてしっかりと成案を得ていきたいと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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