おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育

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作家・元外務省主任分析官の佐藤優が提唱する、『おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育』とは・・?!

おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育

子育て世代より、孫の学習塾代を負担したり、孫の私立の学費を応援したりというおじいちゃんおばあちゃん、祖父母の方にぜひ聞いてもらいたい教育の話があります。

教育というのはいまひとつ光が当たっていない。日本はオリンピックで浮かれモードですが、2020年にもう一つ、日本の社会と国家の将来を左右する重要な出来事があります。それは、「文科省による学習指導要領の改訂」。小中高の教える学校のやり方が、20年度から順次変わることになります。

これまでにも改定はありましたが、大きな変化がなかったため、楽観視している人達がいますが、とんでもない。学校の先生でもそう考えている人もいます。日本の教育は、大学入試制度が変わるときに大きく変化しますが、2020年にはセンター試験が廃止され「大学入学共通テスト」が始まるため、この年に大きく変化するのです。

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今の教育は“1979年型”。この年、共通一次というマークシート式が導入され、これによって『偏差値』が付くようになりました。その結果、私立文科系、特に経済学部系で「数学を捨てる」という現象が起こるようになった。なぜなら、数学を受験科目から外すと偏差値3~5上がるからです。最後まで慶應大学経済学部と同志社大学商学部が数学を必須にしていたが、それもやめてしまった。

文科系の学生が数学を捨てるどうなるか?1/2+1/3=1/5という計算をするようになるのです。大学生なのに分数が出来ない。とんでもない話です。一部の、受験に特化した私立中高一貫校では中学校1・2年生で数学の適性を見る。そして数学を捨てて文科系に特化させる。こういう教育がまかり通っているからです。つまり、中学校段階で科目を絞るのは危ないのです。

文科系進学者だけではありません。理科系では、「近現代史」はやらないこともあります。そうすると、関ケ原や古代ローマ・ギリシャを知らない子供が生まれる。ところが、イノベーションには歴史の世界が必要なことも多々ある。ようするに、理科系も文科系学科を省いてはいけないのに、そういう傾向にあるのです。

おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育

英語の重要性はなおさらのこと。ただ今後は、TOEICやTOEFLなどの実用英語を教育に取り入れることで、今後は英語の質が改善されるようになります。つまり、2020年からの教育改革で、実用試験と学校教育が変わらなくなる。加えて、文系と理系の垣根がなくなる。こうした改革というのは、10年経ったところで軌道に乗ることが多い。そうすると、だいたい今から20年後に“いい子供たちが出てくる”ことになるでしょう。

今は、飛行機でいえば“プロペラ機”のようなものです。それが20年後にには“ジェット機”になるのです。プログラム言語もわかり、歴史も2022年から近現代史を学ぶ新科目「歴史総合」、がスタートする。私は20年後77歳なので、現役から外れていますが、皆さんも注意深くこうした教育や若者を見据えていかないと、すぐに追い抜かれます。ですから、社会人のあなたも、例えば「実用英語を身につける」とか「歴史を正しく認識する」といった勉強が必要なのです。

おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育

今後授業料も高騰し、おじいちゃんおばあちゃんがお金の援助をすることも多いと思いますが、子供たちに英語塾を行くのを辞めさせないでもらいたい。小学校の時分から英語塾に行っていても、中学受験の際、英語塾に行くのを辞めてしまう現象がある。子供のうちにせっかく英語のエキスがしみ込んでも、ここで3年とか辞めてしまうとゼロになってしまう。ですから、“辞めずに続けること”、これをお願いしたい。

それから、「公立の中高一貫校」には注目しています。“学力試験をしない”などなかなかいい教育行われています。私が知っている非常に優秀な学生が「浜松西高」という中高一貫校出身で、この学校の教育が非常にいい。文科系でも理科系科目を捨てさせていないのです。

どうせなら、おじいちゃんおばあちゃんには、孫に対して意義のあるお金の使い方をしてもらいたいと思います。

おじいちゃんおばあちゃんも知っておきたい孫の教育

11月21日(火)佐藤優のあさラジ!「三菱電機プレゼンツ・ひでたけのやじうま好奇心」より

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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