早実・清宮 楽天オコエから贈られたバットに書かれていた言葉とは?

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清宮幸太郎

【プロ野球日本ハム】仮契約を終え、記者会見にのぞむ日本ハムドラフト1位指名の早実・清宮幸太郎内野手=2017年11月16日、東京都港区の明治記念館 写真提供:産経新聞社

日本ハムからドラフト1位指名を受けた、早実・清宮が昨日、入団交渉を行い、契約金1億円プラス出来高5,000万円、年俸1,500万円で仮契約を結びました。場所は、明治記念館。球団の心遣いがわかります。神宮で育った戦士。あえて、神宮球場に近い、ここを選んだそうです。

まだ、手にしたわけではないものの、初任給の使い道を質問され、

「ほしいものがない」

もうひとつ、両親への感謝の言葉は、

「特にありません」

と答えたのは、照れくさいからでしょう。父の克幸氏から、

「ありきたりの言葉ではダメだ。自分の言葉でインタビューに答える」

と言われてきました。質問には、的確に答えています。1年後の予想でも、

「ファイターズが良かったのは、清宮のおかげだと言わせたい」

堂々たる宣言でした。

高校通算111本塁打。素質の違いもあったでしょう。しかし、苦しみながら到達した記録。昨年8月末までの本塁打数は66本。その内で、センターからレフトスタンドへ打ったのは、6本でした。それ以降、45本は左方向への打球が13本。倍以上に増えています。アウトコースをより多く攻められたことで、

「(ホームランを)打てなくなった。自分で考えました」

と説明。よく指摘される1塁しかできない、との守備については、

「どこでもやります。でも、キャッチャーだけは…」

と笑っていました。

振り返れば、日本ハムとは不思議な縁で結ばれています。リトルリーグ世界一に輝いた2012年。13歳でした。日本ハム戦で始球式を行い、栗山監督から、「プロ野球で待っています」と記した、サインボールがプレゼントされる。自宅の机に飾っていただけに、不思議な縁を感じざるを得ません。今年のドラフトで交渉権を獲得し、最も喜んだのは清宮以上に、栗山監督でした。仮契約前から、

「1年目から、1軍で使います」

と明言しています。

先にプロ入りした先輩たちからも、将来を嘱望されていました。早実1年で選出されたU-18ワールドカップ日本代表。楽天・オコエ、ロッテ・平沢からは当時、思い出のサインバットが贈られています。これまた、メッセージ付きで、「おめえ、さぼらずに走れ」。奇しくも、パ・リーグのライバルチームで対戦することになります。

「1年中、どこでも野球。そんな環境が楽しみで仕方ありません」

と言葉を弾ませています。その上で、常に思っていることは、

「野球人としてではなく、立派な人間として貢献したい」

仮契約の席では、球団側から、野球バカにはならないでほしい、そんなニュアンスの話も出ています。これが清宮の胸に響いた様子でした。

「みんなの目標になるような人間になる」

と語っています。

清宮目当てに札幌ドームのスタンドは埋まることでしょう。いきなり活躍すれば大騒ぎになることは間違いありません。しかし、どうでしょうか。早実の大先輩、あの王貞治さんさえ、最初は三振ばかりで、

「王、王、三振王」

と言われ、苦しんだものです。そこから荒川コーチに出会い、一本足打法が完成するまで時間がかかっています。さて、栗山監督は清宮をどのように育てていくのでしょうか。

11月17日(金) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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