そもそもTPP(環太平洋連携協定)とは何か?

11/13(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

アメリカを除くTPP参加11カ国が大筋合意と発表したが
7:10~ やじうまニュースネットワーク:コメンテーター 須田慎一郎(ジャーナリスト)

アイン 茂木

環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国による大筋合意に関する記者会見を終え、ベトナムのアイン商工相(左)と握手する茂木敏充経済再生相=2017年11月11日、ベトナム・ダナン

TPP11大筋合意も発行時期は未定

『TPP11(イレブン)』と呼ばれるアメリカを除く、TPP(環太平洋連携協定)の参加11ヶ国の交渉について、日本とベトナムの担当閣僚は11ヵ国が大筋で合意したことを発表しました。しかし土壇場でカナダが異議を唱えたことで、今後の先行きは予断を許さない状況です。

TPP11というのは改めて申し上げますと、日本・オーストラリア・ブルネイ・チリ・ベトナム・カナダ・メキシコ・マレーシア・ニュージーランド・ペルー・シンガポールの11の国ですが、当初はアメリカも加わっていました。アメリカ抜きで行うことで、閣僚会合で大筋一旦は合意しましたが、カナダが待ったをかけまして首脳合意は見送られました。とくに日本にとっては想定外の事態となりました。

閣僚会合での合意は崩れませんでしたが、記者会見の出席者は共同議長を務めた日本の茂木敏充TPP担当大臣とベトナムのアイン商工相だけでした。本来なら11ヶ国の閣僚が勢ぞろいして結束をアピールする場のはずですが、この図からは程遠いものとなったわけです。

カナダのトルドー首相が土壇場で反旗を翻した理由は明らかになってはいませんが、乳製品の輸入が増えることで国内の酪農家が打撃を受けるのではないかという懸念があり、カナダは元々TPPには消極的と言われていました。これに現在進行中のアメリカとメキシコと進めておりますNAFTA(北米自由貿易協定)、TPPの大筋合意で妥協するとNAFTAの交渉ではよりアメリカやメキシコから不利な交渉を強いられるのではないかという警戒心が働いたのではないかと見られています。

今回は一応大筋合意ということになったのですが、一方で独自の文化政策が取れるよう求めたカナダの要望や、マレーシアの国営石油会社に対する優遇禁止のルールの緩和、こうした項目は一致は見ておりませんで、積み残しとして協議を続けることとなりました。

安倍総理大臣はこの閣僚合意については一昨日のAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議で、世界に向けた力強いメッセージと胸を張っていますけど、日本語では大筋合意となっていますが、英語では主要項目で合意となっておりまして、溝が残ったままの決着になったと言えます。最終的な妥結、発行の時期は未だ流動的でして、積み残しの処理如何ではTPP11が漂流する可能性もはらんでいます。

自由貿易協定

世界の経済統合の段階(各国の色は、各国が参加する統合段階の最も高いものによる): 緑= 経済通貨同盟 (CSME/EC$, EU/€) 黄緑= 通貨同盟 (CSME, EU, EEU/EAEU) 水色= 関税通貨同盟 (CEMAC/フラン, UEMOA/フラン) 茶色= 共同市場 (EEA, EFTA, CES) オレンジ= 関税同盟 (CAN, CUBKR, EAC, EUCU, MERCOSUR, SACU) 赤= 多国間自由貿易協定 (AFTA, CEFTA, CISFTA, COMESA, GAFTA, GCC, NAFTA, SAFTA, SICA) (自由貿易協定 – Wikipediaより)

そもそもTPPとは巨大な交易のFTA(自由貿易)を作ろうというものだった

高嶋)アメリカが戻ってきてくれると確信した上での配慮、何項目か知的財産の問題やいろいろ言っていますよね。バイオ医薬品データ保護も今のところ凍結と。
でも、トランプさんはいの一番にTPPをやらないよ言った当事者です。辞めるまで待っている気ですかね?

須田)そもそもTPPとは何かというと、自由貿易の阻害要因となっている関税や非関税障壁を撤廃して巨大な交易のFTA(自由貿易協定)を作ろうというのが狙いです。よく関税が注目されていますけど、非関税障壁のところに自由貿易の阻害要因が一番色濃くあります。非関税障壁が何かというと、国内の流通の仕組みであるとか安全性を確保するための様々な規制ルールで、輸出をしたい相手国からすると貿易を阻害する要因ではないかと。結果的に堂々巡りになって決着がつきませんから、決着をつけるために紛争解決機関を設けようというのが大きなポイントです。これを指導して進めてきたのがアメリカです。アメリカ抜きでTPPを行うことに意味があるのか。アメリカが統一したルールを求めましょうと進めてきたのに、アメリカ以外の国が残っても意味がない。結果的に、アメリカとのルールの統一性を図っていかなければなりません。だからアメリカのことを強く意識せざるを得ないということです。

高嶋)あのころは日米も徹夜でやっていましたからね。見切り発車みたいになって、アメリカは関係なくてもやっていくつもりなのですか? 年数を区切っている見出しを出している新聞もありますよ。

TPP

緑=交渉参加国(原協定加盟国を含む) 黄緑=過去に関心を表明した国 (環太平洋パートナーシップ協定(TPP) – Wikipediaより)

日米でFTAを結べば、結果的にTPP12になる

須田)どうでしょうね。これから日本はアメリカとの間で貿易協定をどうやっていけばいいのかという中で、日米間でFTAを形成しましょうと。これはトランプさんも合意しています。さきほどTPPは巨大交易FTAと言いましたが、日米間でそれをやるとTPP11の大部分は日本ですから結果的にTPP12になります。

高嶋)TPPは11ヶ国だけど、日本がアメリカと手を組んでしまえば、諸外国は従わざるを得ないところがあるということですか。

須田)そういう形でやるのか、それともTPPに復帰するのか。

高嶋)気が長い話ですね。この項目については何年後にですから。

畑中)日本はTPP11に関して来年の早い時期の署名を目指しているようですが、そうした動きが強引過ぎるという指摘もあります。

高嶋)茂木大臣も強面でね、いろいろやって。

須田)安倍さんの側近と言われたわりには影が薄かったですから。ここで頑張っておかないとポスト安倍の中で名乗りを挙げられませんから。

高嶋)『TPP19年に発行を目指す アメリカ抜き大筋合意で閣僚声明』。これが昨日の日経新聞の一面の記事です。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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