トランプ大統領訪韓でわかった米韓の思惑と距離

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ひでたけのニュースガツンと言わせて!   山本秀也 11月9日放送

11/9(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

トランプ大統領~韓国国会で35分間に及ぶ演説
7:02~ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター山本秀也(産経新聞論説委員)

トランプ大統領訪韓でわかった米韓の思惑と距離

ドナルド・J・トランプ大統領は、韓国のソウルで2017年11月8日、国会で演説する。トランプ大統領は、韓国を2日間公式訪問し、アジアを12日間訪問する予定だ。 EPA / CHUNG SUNG-JUN / POOL 写真提供:時事通信

トランプ大統領が演説で北朝鮮問題をソウルから世界に発信

韓国を訪れたトランプ大統領は8日午前に韓国の国会で演説し、北朝鮮に対する圧力を最大限まで高めるよう国際社会に呼び掛けました。アメリカ大統領によって朝鮮半島問題が世界に発信された形になりましたが、産経新聞論説委員の山本秀也氏は肝心の韓国がどれだけこの問題に本気になっているのか疑問が残ると言います。

高嶋)山本さん、トランプ大統領のアジア歴訪ですが、まず伺いたいのは昨日の韓国国会で大統領がおよそ35分間演説して、内10分間は北朝鮮の人権侵害とかまさに“生き地獄”というようなことを極めて具体的に言って、あの演説については専門である山本さんはどういう風に取られましたか?

山本)トランプ政権の出したいメッセージは全部入っていましたね。まず北朝鮮が人権的に非常にひどい国であると、これはもう日本の我々の理解からすると「何を今更」ではあるのですが、アメリカの首脳がソウルという場でそこを一々挙げたというのは、それは意味があったのだろうと思います。
それから新聞の見出しにもなっていましたが「我々を試すなよ」と言ったわけです。これは本気の警告ですね。軍事オプションの用意は整えつつあるぞと、今の今では無いかもしれないけれども用意はしているぞと。そして「本当にお前さんたちが生き残って明るい未来を見たいのであれば、武器を捨てて俺たちと話をしろ」ということですよね。

高嶋)中国とロシアを合わせて名指しで「やって欲しい」と。

山本)今は「連中をきちんとテーブルに着かせる為には何をしなければいけないのか、お前さんたちは分かっているんだろうな?」と。これはもちろんロシアにも関わっているのです。ロシアも北朝鮮と関係が深いですし、短いですが国境線を持っていますから。

トランプ 文在寅

ドナルド・トランプ米大統領と文在寅韓国大統領は、2017年11月7日にソウルの大統領府で開かれた共同記者会見に出席した。トランプ大統領は7日、ソウルを訪れ、核武装する北朝鮮の脅威に対処するために、米国とその同盟国が「進展している」と述べた。 / AFP写真/プール/ジョン・イェンジュ 写真提供:時事通信

北朝鮮問題~文在寅大統領とトランプ大統領に温度差

高嶋)意味合いとして非常に重大だなと思うのは山本さんのおっしゃる通り、我々にとって北朝鮮というのは“ああいう国だ”とか、内情も理解しているわけですが、トランプさんが韓国の国会で演説をすることによってその映像が世界中に流れるし、それから観ない人でもアメリカ大統領の動静というのは細かくチェックをしていますから「ああ、こういうことを言ったのか」という。
そうするといわゆる拉致被害者を含めて今、東アジアでどういうことが問題になっているのかという、我々にとって一番大切な問題が世界の問題になっていくという、そういうことですよね。

山本)そこの意味合いはあったのですけど、ただひとつ心配なのは、足下の韓国にそれが響いたのかどうかというのは疑問です。
つまり今の文在寅(ムン・ジェイン)政権というのは北朝鮮との民族的な和解統一、こちらの方にどうしても軸足があるので、全てがそちらに引っ張られてしまうわけです。いろいろと合わせようと文在寅もしていたのですけど、文大統領としてはやはり本来の考えと違うことは言い切らないところがありますので、トランプ大統領と文在寅大統領の共同記者会見というのは温度差・綻びというのが明確に見えましたし、それからどれだけこちらが「許さん」と言っているのに足下の同盟国である韓国がどこまで本気で一緒にやる気があるのか、状況をどこまで深刻に考えているのかと。それは深刻に考えればあれだけ軍事境界線に近い首都というのは非常に危険な存在なのですが、それを含めて「お前らどこまで本気で物を考えているんだ」というようなアメリカに大きな疑問が残ったと思いますね。

トランプ大統領訪韓でわかった米韓の思惑と距離

韓国の日本嫌い~“内輪の正義”はアメリカには響かない

高嶋)アメリカとしては、トランプさんがエビ好きかどうか分かりませんが「独島エビ」なんて「ボタンエビ」の1種類だと言うのですが、けっこう大きいエビですよね。ああいう国内問題、つまりそれもギュッと凝縮した“日本大嫌い”なああいう演出、いわゆる元従軍慰安婦の方もそうですけど、あれはアメリカやトランプさんにどう響いたのですかね?

山本)アメリカにどう響いたのかというよりはむしろ韓国の内輪の理屈だけで物を考えてやってしまうというあの悪い性癖ですよね。あれはそれが出たなという感じですね。

高嶋)私も慰安婦像とか、ああいうのを世界に喧伝するということが韓国にとって果たして国益なのかなといつも思いますね。

山本)あれはおそらく“内輪の正義”なのでしょうね。傍から見ると理解が得られるとは思わないし、逆に日本の反感を増すだけだし、それが出てしまったということだと思いますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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