東京モーターショー① キーワード「自動運転」と「人工知能」

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【報道部畑中デスクの独り言】

トヨタブース

トヨタブースは注目の的

東京・江東区の東京ビッグサイトでは2年に1度の東京モーターショーが10月27日、開幕しました。ニッポン放送報道部ではこの週、選挙特番、台風特番など慌ただしく過ぎていきましたが、その合間を縫って25日の報道公開に行ってまいりました。

今回のキーワードも「電動化」「自動運転」これに「AI=人工知能」も加わった次世代技術の競演と言えると思います。

コンセプト愛

トヨタ・コンセプト愛①

「高速道路に入りましたので“自動運転”モードに切り替えます」
「行き先を選んだ時に驚かれていましたね?」…「YUI」と名付けられたAIの女性が次々とドライバーに語り掛けました。

トヨタ自動車では「コンセプト愛」と名付けられた試作車が展示されていました。AIを搭載し、自動運転技術を盛り込んだ電気自動車…まさにキーワード「全部入り」の車両です。天井までガラスで覆われた開放感あふれた外観も未来的ながら、ブースの片隅に設けられたシミュレーションゾーンでは、人工知能は自動車とどう結びついていくのか?その一端を垣間見ることができました。

トヨタ

トヨタ・コンセプト愛②

まずは備え付けのタブレット端末で、運転者の写真を撮影(顔認証)、性別や普段の運転形態(1人で運転、家族でドライブするかなど)も入力します。これによって運転者のキャラクターを認識させ、様々な対応をAIがしてくれるわけです。

ドライブシミュレーター

トヨタ・コンセプト愛ドライブシミュレーターの室内 ハンドル内の円型ディスプレイから様々な情報が①

具体的には「グルメ旅」が好きならば、グルメタウンを勧め、有名店情報を知らせてくれたりします。また、顔認証で運転者の表情を読み取り、ある情報で笑顔になればより詳しい情報を、また疲れていれば休憩を促したり、自動運転モードに誘導したりします。さらにこうした表情の情報はビッグデータとして蓄積されるため、例えばある道路の特定の地点で「驚く」運転者が多ければ、そこは事故が起きやすい危険個所ではないかとAIが学習し、適切な判断をクルマが下す…そんなことが将来可能になると言います。

ドライブシミュレーター

トヨタ・・コンセプト愛ドライブシミュレーターの室内 ハンドル内の円型ディスプレイから様々な情報が②

今回の体験はあくまでシミュレーションなので、実際にその通りになるかは今後まだまだ試行錯誤が続くと思いますが、少なくともAIによってクルマはどう変わるのか?クルマに何ができるようになるのか?…そのイメージはつかむことができました。

IMx

自動運転技術を詰め込んだ日産IMx

人工知能を使った自動運転のコンセプトカーはトヨタだけでなく、日産、ホンダ、アウディなどからも出展されています。また部品メーカーなどもVR=バーチャル・リアリティ技術を使った自動運転のシミュレーションを行っているところが目立ちました。完全自動運転モードになった時に運転以外のことをするのか?あくまでも運転の楽しさを追究するのか?メーカーによって考え方の差があるのも興味深いところです。トヨタのクルマでは、景色のいいところでは自動運転を解除して“ドライブモード”になり、あくまでも運転の楽しさを大切にする姿勢がみられました。自動車メーカーであるトヨタのキャラクターが感じられます。

アウディ

ドイツ・アウディも人工知能を使った自動運転車を出展

「クルマに乗ること」から「クルマに乗って何をするのか」…今回の東京モーターショーではクルマという存在のステージが大きく変わりつつあることを実感しました。「目に見える自動車という機械自体の価値」から「目に見えないサービスへの価値」とも言えると思います。形あるものに憧れていた世代、例えるなら「小さいころ、大型のコンポステレオやラジカセを羨望のまなざしで見つめていた私たちのような世代」にとっては少し寂しい気もするのですが、これも時代の流れなのだと思います。

コンセプト愛

トヨタ・コンセプト愛の室内(運転席は筆者)

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