横浜DeNA・浜口が密かに夢見ていることとは?

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浜口遥大

【プロ野球CS2広島対DeNA第5戦】4回、DeNA・浜口遥大=2017年10月24日広島市南区のマツダスタジアム 写真提供:産経新聞社

ソフトバンクの進撃を止めたのは、ラミレス監督が命名した、ハマのハマちゃんでした。日本シリーズ開幕から、3連敗で迎えた第4戦。負けたら終わり-の状況で、命運をかけたのはルーキーです。

「すごく緊張しました。持っている力を全て出した」

打たれなければ、負けることはありません。8回1アウトまで無安打投球は、とにかく気迫満点でした。

2016年ドラフト1巡目で入団。そうはいっても、横浜DeNAは重複1回目、明大・柳、重複2回目が桜美林大・佐々木と、2度の抽選に外れ、3回目で指名したのが浜口です。まさに、3度目の正直。地元・神奈川大で活躍しており、本人も、「プロへ行くなら、ベイスターズへ」と念じていたそう。ただし、

「まさか、入れるとは思っていなかった。これで、横浜というよりも、神奈川へ恩返しできるチャンスをいただいた」

と後に語っています。

神戸に実家があり、そこで誕生するはずが、阪神淡路大震災で、佐賀へ転居。小学校で軟式野球をはじめ、中学も同様の野球少年でしたが、特に目立つほどはありません。当初は、「中学で野球をやめるつもりでいた」。でも、新たなチャレンジは、軟式から硬式への転向です。浜口は、佐賀県立三養基(みやき)高から投手へ専念。試行錯誤を繰り返しました。

「どうしたら、スピードボールを投げられるか」

若い時の苦労は買ってまでしろ、と言われますが、まさにその通りです。プロの投手のフォームをマネてみる。サイドスローにしたこともあった。自分に合いそうな何人かを試しますが、サッパリ。その1人は、日本ハムの斎藤佑樹です。挑戦はしたもののパッとせず、今度は球種を増やす工夫を行った。運命を分けたのは、チェンジアップとの出会いでした。

通常、チェンジアップはバッターのタイミングを外す目的で、ストレートと同じフォームのまま、変化球を投げる。中指、人差し指の2本を立ててボールを握ります。が、浜口は中指だけを立てて、残りの4本で握る独特なもの。昨日も、威力を発揮したのはチェンジアップでした。柳田やデスパイネなど、今シリーズ好調なバッターをほんろう。他の投手はとてもマネができないオリジナルです。

昨年オフ、山口がFA宣言で巨人へ移籍。その穴をどう埋めるのか。ラミレス監督は頭を悩めました。でも、沖縄・宜野湾の春季キャンプで、浜口の投球練習を見た途端、

「使える、と感激した」

担当記者から、

「山口の代わりは?」

との質問を再三、受けても浜口を見出し、信頼しているだけにデーンと構えていたように思います。シーズンでも、期待通りの活躍。横浜で2ケタ勝利をあげたルーキーは1997年の川村丈夫以来20年ぶりの登場でした。

もうひとつ、サウスポーに限定すれば、1958年の鈴木隆以来59年ぶりの快挙です。今回だけではなく、CSファイナルステージで広島も手玉にとったことを忘れてはいけません。度胸満点。そんな性格から、本来はリリーフをやってみたかったと思ったこともあるとか。守護神・山崎が登場すると、スタンドのファンがジャンプを行います。そのアクションをはじめて見た際、感動したそうです。

「いつか、浜口ジャンプをやってほしい」

と密かに夢見ている。浜口の快投で、ベンチのムードが一変したのはいうまでもありません。

11月2日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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