それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第301回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、11月10日から公開となる『ザ・サークル』を掘り起こします。


これは遠くない未来の話。SNS社会の光と闇をサスペンスフルに描いた衝撃作

それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』
世界No.1シェアを誇る超巨大SNS企業、サークル。創始者でありカリスマ経営者のイーモン・ベイリーが掲げる理想は、全人類が人生のすべてを包み隠さずオープンにする“完全な”社会だ。

そんな最先端企業であるサークル社に採用された新人のメイ・ホランドは、ある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、新サービス<シーチェンジ>のモデルケースに抜擢される。それはサークル社が開発した超小型カメラを使用し、生活のすべてを世界中にシェアするというものだった。

自らの24時間をカメラの前に晒したメイは、瞬く間に1,000万人超のフォロワーを得て、アイドル的な存在となるが…。

それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』
FacebookやTwitter、Instagramなど、コミュニケーションの新たな手段として急激に流行しているSNS。SNSはいまや現代人の生活の一部と化し、これをお読みの方の中にも「SNSのない生活なんて考えられない!」という人がいらっしゃるかもしれません。

長年音信不通だった友人と再び交流を持つきっかけとなったり、ビジネスに活用したりと便利な一方で、“いいね”やコメント数に囚われてしまったりなど、いわゆる“SNS疲れ”に陥る人も…。

映画『ザ・サークル』はSNSの世界をテーマに、現代人がプライベートを他人に見られることへの快感と恐怖を過激に描いたサスペンスです。

それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』
主人公のメイを演じるのは、いままさに旬の女優、エマ・ワトソン。Twitterで2,500万人のフォロワーを持ち、自らの信条を発信している彼女。地味で真面目な優等生がエキセントリックなインフルエンサーへと変貌していくメイを、リアルに演じています。

カリスマ経営者であるベイリーに扮するは、アカデミー賞俳優のトム・ハンクス。

ほか、ジョン・ボイエガ、エラー・コルトレーン、カレン・ギランと若手注目株の俳優たちが名を連ねています。

それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』
誰もがいつでもつながり合い、互いの経験をシェアすることで、最高に刺激的な日々を送ることが出来る。…という劇中のサークル社が掲げる提案に、「すべてを包み隠さず生活するなんてあり得ない!」と思う人も多いことでしょう。

しかしSNSを利用している人の中には、自らのプライベートを知人だけに公表したつもりで、それが見ず知らずの人へと拡散されてしまう可能性があるという現実に対する認識は、意外と低いのかもしれません。

この映画を観ても、あなたはSNSの“いいね!”にこだわり続けますか?

それでも“いいね!”が欲しい?『ザ・サークル』
ザ・サークル
2017年11月10日からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国ロードショー
監督・脚本:ジェームズ・ポンソルト
出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、 カレン・ギラン、エラー・コルトレーン、パットマン・オズワルド 、グレン・ヘドリー、ビル・パクストン ほか
©2017 IN Splitter, L.P. All Rights Reserved.
公式サイト gaga.ne.jp/circle

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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