ドラフト会議は清宮より総合力が上の安田尚憲(履正社3年)に注目

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清宮幸太郎 安田尚憲

【野球U-18日本代表】帰国した清宮幸太郎と安田尚憲(左)=2017年9月12日羽田空港 写真提供:産経新聞社

プロ野球選手を目指す、運命の日。きょう26日、ドラフト会議が行われます。最注目は、早実・清宮ですが、西の履正社・安田尚憲(やすだ・ひさのり)内野手(3年)も忘れてはならないでしょう。長打力は一歩譲っても、守備力、走力など、総合すればこちらが上との声。ロッテ・井口監督が一本釣りという噂も流れ、巨人も欲しいとの情報もあります。

「高校では清宮を追いこそうと思ってやってきた。でも、プロになれば目指すところは変わってくる」

安田は清宮と同じ日に、プロ志望届を提出しました。仮に清宮がいなかったとしたら、おそらくナンバーワンの注目が集まったかもしれません。12球団オッケーの姿勢は、清宮同様。とはいえ、頭を悩ませているのは、

「ドラフトもありますけど、試験の方がドキドキ。自信があるのは、日本史ぐらい」

と話している。

父・功さんは、大阪薫英女学院で駅伝を指導。昨年、監督として日本一に輝いています。また、社会の先生ということもあり、安田が日本史に自信があるのは、当然といえば当然かもしれない。ちなみに、好きな戦国武将は、真田幸村だそう。母の多香子さんも、国体出場歴があるやり投げの元選手でした。さらに、兄の亮太さんもPL高時代、あのドジャース・前田とバッテリーを組み、2度の甲子園出場。明治大を経て、社会人の三菱重工名古屋の主将をつとめています。

野球歴で際立っているのは、常にプロが身近だったことでしょう。小学6年、セレクションで18人に選出され、阪神タイガースジュニアへ在籍。中学時代は、野球部ではなく、元阪神の赤星憲広さんがつくった、レッドスターベースボールクラブで活躍しました。その後、PL高などからオファーがありながら、履正社を選択したかというと、

「自宅から通えるから」

もっともな理由です。

履正社からは、オリックスのT岡田、ヤクルトの山田など最近、たくさんのスター選手が出ています。高校通算65本塁打。特に、3年時、飛躍的に打撃が向上したようです。ホームランで、最も思い出深いのが59号。今年6月、星陵との練習試合で放ったものでした。この一発。何と、星陵高・山下智茂名誉監督の自宅を直撃して、壁を破壊しています。その時、「スイングスピードがすごい」と大絶賛。星陵といえば、松井秀喜さんの出身高です。恩師の山下さんも、その面影をみたのでしょうか、「プロへ入って、壊したカベを直してくれ」と激励し、松井のサインと何冊かの松井本をプレゼント。幼少時から、松井のようになる、ではなく、

「松井さんを追い越したい」

と密かに思っていた、とのエピソードもあります。とりわけ、松井さんの著書、ベストセラーにもなった不動心には痛く感銘を受け、自身がサインを求められると、不動心の3文字を添えるようになりました。

今年、9月のU-18ワールドカップでは、木製バットを使用し、打率3割以上をマーク。甲子園の夏が終わってから、懸命に練習を繰り返し、見事なまでの適応力を示しています。プロのスカウトが安田を絶賛するのは、バックスクリーンから、左中間への打球。横浜DeNAの筒香もよくいっていることですが、左の大砲は、引っ張るだけでは通用しない。それがプロで成功する条件なのです。

10月26日(木) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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