横浜DeNA・筒香 シリーズの流れを変えた主将の一言とは?

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筒香

【プロ野球CS2広島対DeNA第4戦】4回、DeNA・筒香嘉智が本塁打を放つ=2017年10月23日マツダスタジアム 写真提供:産経新聞社

一気に4連勝。横浜DeNAがセ・リーグ初の下剋上で、日本シリーズ進出を決定しました。昨日、2打席連発の筒香は珍しく自画自賛。

「自分のスイングができた。完ぺきです。手応えがあった」

とバックスクリーン、左中間へ飛び込んだ2本のホームランを解説しています。やはり、主砲の1発、いや2発はそれ以上の価値がある。

MVPはロペスに輝いたものの、シリーズの流れを変えたのはまぎれもなく、筒香。広島との初戦でした。台風の影響で5回コールド負け。仕方がないこととはいうものの、敗戦が決定した直後、選手は結構、荒れていた。そんな時、頼りになるのは3年目の主将です。ブルペンに全員集合し、こんな話をした。

「いらだちも、もどかしさは、おれもある。でも、終わったことは変えられないし、あと4つ勝てばいい」

アドバンテージを含め、2勝のビハインドは、この言葉が吹き飛ばしたといえるでしょう。

ファーストステージで甲子園に向かう際も、担当記者へ、

「去年は去年。必ず、横浜へ帰ります」

と宣言。ただし、自身は予想外の不振に見舞われ、なかなか一発が出ない。

「レギュラーシーズンの攻め方か。短期決戦特有の攻め方で相手がきているのか…。なかなかイメージがわかなかった」

と振り返りました。一昨日の第4戦で待望の一発が飛び出したわけですが、その対策は、打撃投手に柔らかいボールを使い、投げてもらうこと。おかげで、感触を取り戻しています。

一致団結したのは、ラミレス監督への恩返しがある。筒香を常に信頼する姿勢は、シーズンだけではなく、年間を通して変わらない。

「今まで、野球をしてきて、これほど器が大きい監督へお会いしたことがない。感情的になったことは一度も見たことがないし、尊敬しています」

と心酔している。一方で、

「イチローさん、松井(秀喜)さんのようになりたい」

とも。実績だけではありません。筒香は、人間性を重視。

「たくさんの本を読み、勉強する。野球バカにはなりたくないから」

といいます。

最近、感銘をうけたのが、UCLAバスケットボールの指導者、ジョン・ウッディンの著書だ。米国では、知らない人がいないといわれる伝説のコーチ。『その日、その日を傑作にするつもりで生きれば、天使にだってできないようなことが、できるようになる』、『柔軟性は安定性のカギになる』など、多くの名言を残しています。

毎晩、就寝の2、3時間前には、自分自身と会話することをルーティンのひとつとしているようです。体の中の状態、バッティングなどを自問自答。ストイックなようでも、とても大事なことでしょう。

ただし、この日ばかりは、

「横浜へ帰る。それを実現できてホッとしている」

と安どのため息を漏らしていました。

10月24日(水) 高嶋ひでたけのあさラジ!「スポーツ人間模様」

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