中国共産党~次期最高指導部が全員60代ということはどういうこと?

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10/24(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

習近平後継者を起用せず
7:02~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター 富坂聰(ジャーナリスト、拓殖大学教授)

陳敏爾

2017年10月19日、北京の人民大会堂で記者の質問に答える陳敏爾重慶市党委書記 写真提供:産経新聞社

本日、中国共産党大会閉幕、波乱含みの展開へ

中国の共産党大会で新たに中国最高指導部候補が発表されましたが、ポスト習近平は登用されていませんでした。後継者のお披露目がないということはどういうことなのでしょうか? 中国に詳しいジャーナリスト富坂聰さんに訊きます。

高嶋)5年に1回の中国の共産党大会が今日幕を閉じるようですけど、注目されていたのは習近平さんの次は誰がリーダーになっていくのかということ。富坂さんもいろいろ予想をしていたようですけど、今日の産経新聞によると「『ポスト習近平』登用せず 中国最高指導部7人判明。習氏、慣例突破できず」とあります。習近平さんも1人の権力集中で自分の後釜はまだ決めなくていいというつもりだと思ったら、記事を読み進めていくと3期目続投への道筋をつけた形となるというのもあるし、昇格されることもできなくて5年後の権力維持に向けて波乱含みの展開になったと見ているのもある。これはどうなのですか?

富坂)この通りだとすると波乱含みになったと思います。

高嶋)続投という目論見ができなかったということですか。

富坂)共産党大会は5年に1回ですが、10年ごとのサイクルで言えばここである程度次の人をお披露目するのが党大会の大きな意味なのです。だからそこに出てこないということは「どういうことだ?」ということですよね。党大会が今のようになったのは胡錦濤が後継者になるくらいからですから、20年くらいはこの形でやってきています。今回の大会でお披露目しないというと5年後になるわけですよね。ずいぶん慌ててしまいます。

高嶋)習近平さんが次のリーダーになると予想を当てたのは富坂さんだけでした。今までずっと中国をウォッチングしてきた冨坂さんにとっても、一種異例の事態だということですか?

富坂)前回のものを踏んでやるというのはあまり良いことではないですけど、ここで次の国家主席を選ぶこと自体を疑った人はいないと思います。かなり衝撃的ですね。

高嶋)次期候補とされていた重慶市の陳敏爾(ちんびんじ)は党の書記で、貴州省で手柄を立てたとか、習近平さんに気に入られると言われています。非常に力も発揮したし、50代でやり手ということです。最初に伺った波乱含みということは、これから先何が起きそうですか?

富坂)最高指導部の習近平と李克強以外の5人のうちに50代の候補が2人いましたが、胡春華の昇格が当確だと言われていたので、もう一人は誰かとされていました。陳敏爾でなければ別の人という選択肢でずっと考えられてきたのが、2人とも落ちてしまった。最高指導部全員が60代になってしまい、「ええ?」という感じです。どっちを後継者にするかという順番を決められずいろいろあったので、ちょっと5年間延期ということかもしれません。

高嶋)一強他弱という安倍化ではないですか?

富坂)ずいぶん前から習近平一強なのであまり意味はないですが、ただ調整がつかなかったというのは中国の人事では考えにくいことだと思います。

高嶋)さすがの富坂さんも首を傾げていますね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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