習近平が共産党大会で演説を3時間半行った意外な理由

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10/19(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!②

民主的な手続きでトップが選出されない中国
7:03~ ひでたけのニュースガツンと言わせて!:コメンテーター佐藤優(作家、元外務省主任分析官)

習近平

中国・北京で開幕した第19回共産党大会で政治報告を行う習近平総書記 写真提供:時事通信

共産党大会で習近平の名を冠した思想が党条約に、毛沢東・鄧小平と並ぶ

昨日の18日に中国では共産党大会が行われ、習近平が3時間半にもおよぶ演説をしました。そこにはどんな意図があるのでしょうか。作家で元外務省主任分析官の佐藤優さんに伺います。

高嶋)中国の共産党大会について伺います。習近平は自信満々で演説3時間半。そして主導者名を冠した思想が党規約に入るのは毛沢東・鄧小平以来であるということですが。今日の新聞に改めて中国共産党のヒエラルキーが出ていますが、共産党員が国民のうち8,900万人。党員が2,200人出てて、その一番のトップが総書記1人と。

佐藤)ポイントが民主的な手続きで選出されていないことですよね。どういう手続きでトップまで来るのか不透明ということで。これだけ大きい国でありながら民主的な手続きによらないで国家主導部が選ばれているという稀有な国です。ソ連でもこういう感じでしたが、ロシアは選挙がありますからね。だから政治制度では社会主義国で北朝鮮と一緒ですよ。

高嶋)そして3時間半もずっと自分の手柄話をしているのですね。

佐藤)旧社会主義国のソ連を見ていましたけど、これは健康アピールですよ。要するに大きな声でつまらない話を3時間何分もやるというのは、64歳でも足と意志力がしっかりしていないと途中で声が枯れて、疲れ切ってしまいます。張りのある声を3時間出してみんなに見せると。俺はまだ元気だぞってね。

高嶋)健康の誇示か。江沢民さんが隣の席に座っていましたけど、支えられてよれよれ座って。拡大鏡でいろいろ資料を読むという。

佐藤)健康アピールですよ。こんなもの今の世の中で簡単に印刷できるのですから、コピーで配って終わりですよ。もっと心に響く言葉は習近平だって話せます。それで10分から15分で話したほうが効果的ですよ。そうではなくてテレビですべて映す。おやっさんはまだ健康だとね。

高嶋)過去の大物もそうですか?

佐藤)みんなそうです。ですから演説時間が何分かはクレムリノロジ―やペキノロジーではポイントがありました。何分演説をして声の張りがどうだったとか。

高嶋)亡くなった日野原重明先生の健康を忖度しているわけではありませんが、座らなかったとか階段はすいすい上がったとか。そうか、似ていますね。

佐藤)似ています。目的が違って内容を伝えるということは新聞でできるわけですから。

習近平が共産党大会で演説を3時間半行った意外な理由

独裁政権が世界的な傾向に

高嶋)気になったのは『ポスト習近平見送りか』という記事があります。昔、習近平さんが面倒を見た陳敏爾(ちん・びんじ)さんが指名されるのではないかということに対して、それはない気配だと。

佐藤)独裁化が進んでいるということでしょうね。

高嶋)それに過ぎないですか。

佐藤)世界的な傾向でトランプさんやプーチンさんもそうです。メルケルさんもかなり独裁的な傾向になってきました。なぜかというと国際情勢の変動が激しすぎるからです。民主主義は意思決定に時間がかかるので間に合わなくなってしまいます。だから我が安倍総理も若干独裁的な傾向にあると。あるいは小池百合子さんや、民進党の前原誠司さんも独裁的ですよね。国際に比べれば国内政局の小さい話になりますが、変動が激しいときは民主的な手続きが取れないです。激動の時代に入ったことが、習近平の長期政権化と独裁化に関係していると思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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