衆議院選後半戦~自公優勢、希望の党は失速

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10/17(火)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

立憲民主党は野党第一等に躍進する勢い
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター中田宏(前横浜市長)

衆議院選後半戦~自公優勢、希望の党は失速

衆議院選挙が後半戦に突入 期日前投票は410万人超に

後半戦を迎えた衆議院選挙、与野党の幹部は昨日は公示後の情勢を踏まえ激戦となっている選挙区に入りました。自民党総裁の安倍総理大臣は大阪府内で街頭演説を重ね、雇用の喪失など実績を強調しました。自民党は昨夜安倍総理出席で選挙対策会合を開き、重点区に50~60の選挙区を指定し410万人に達した期日前投票の活用の徹底も申し合わせました。

一方希望の党は一枚看板の小池百合子代表が九州に入りました。希望の党は無党派層の取り込みに活路を探り、小池代表は昨日の演説では「安倍一強を許しては駄目だ」と訴えました。

また公明党は昨日の常任役員会で比例代表の東北ブロック・北関東ブロック・九州ブロックを重点対象に位置付けた他、小選挙区は北海道10区と神奈川6区に力を入れる方針を確認しました。山口代表は「政権に公明党がいる安心感が重要だ」と述べています。

共産党は昨日の常任幹部会で「比例代表は共産党」という呼びかけを強める方針を決めました。これは立憲民主党等を比例代表での票を奪い合う構図になっている為です。

その立憲民主党は都市部を中心に議席の上積みを目指しておりまして、枝野代表は昨日の神奈川藤沢市の演説で「格差を拡大させ消費を冷え込ませているのがアベノミクスだ」と語りました。

この他日本維新の会の松井代表は東京で消費税増税の凍結を主張し、社民党の吉田党首は鹿児島で「安倍政権ほど立憲主義・民主主義・平和主義を踏みにじる政権は無い」と批判しました。また日本のこころの中野代表は仙台で「与党に言うべきことを言う姿勢で臨む」と演説しています。

こうした中各新聞社の世論調査では、昨日の毎日新聞は自民党が単独で300議席を超える可能性があるとしましたが、今朝の産経新聞もFNNとの合同世論調査で自民党が300議席を伺い、連立与党の公明党と合わせて衆議院の3分の2、310議席を超える見通しだとしています。

希望の党は失速して示前の57議席を下回り、40議席台となる可能性があるとしている他、立憲民主党は公示前の16議席の3倍以上、50議席台が視野に入り、野党第一等に躍進する勢いだと、このように伝えております。

衆議院選後半戦~自公優勢、希望の党は失速

希望の党失速は小池都知事の激しい表現が原因

高嶋)本当に川島正次郎さんの言う通り「政界一寸先は闇」で、選挙は“最後の3分”ですからまだ分かりませんけども(笑)。
しかし小池さんを昔からよくご存じの中田さんとしては、どこがどう間違えて希望の党が現時点で「東京も全滅か」なんていう記事が書かれるほど大変な事態に陥ったのかと、これは中田宏さんとしてはどういう風に分析されますか?

中田)やろうとしていた方向性と表現にギャップがあったということでしょうね。すなわち民主党から民進党になって、これに対する国民のある意味の不信感というのは、1回政権をやらせたけど駄目だった。それはなぜかというと右から左まであまりにも広すぎてものが決められないじゃないかというのが潜在的にずっと考えてきたこと。だから小池さんが希望の党を立ち上げるときに安全保障だとか憲法だとかは現実感を持ってやっている人じゃないと駄目だと、それから消費税も言った、という中においては結果として今希望の党と立憲民主党に分かれていますけども、そういう分かれ方というのはもしかすると国民は求めていたのですよ。
ところが表現が非常にとげとげしかったですよね。「排除」という言葉を自ら使うなど。これは他人が言う分にはしょうがないですね。すなわち「良い人で少数精鋭でちゃんと共有している人たちでやりたいのです」と言えば「それはその通りだ、頑張って欲しい」と思うのだけど、自ら選ぶ側が「排除」と言ってしまうと、これはちょっと「偏狭だなこの人は」という風に見えてしまうわけですよね。こうやっていくつかそういう言葉が積み重なってしまうと「何かこの人は本当に唯我独尊、自分自身だけで全てが回っているように見えるな」という状態になってしまった。

高嶋)「排除」「さらさらない」「踏み絵」と、言ってはならない言葉の3段重ねになってしまったと。それとやはり判官贔屓の日本人特有の心理が働いて、民進党が3つに分かれたのは、それは分かりやすくなったのですよね。

中田)その通りです。

衆議院選後半戦~自公優勢、希望の党は失速

世論調査は高齢者がほとんど 今後の趨勢はまだ政党を決めていない若者たちが握っている

高嶋)それと枝野さんの方は、リベラルというのも無ければ世の中困るのですよね。だから枝野さんの立憲民主党というのが公明党の山口さんなんかは「一見、民主党だ」なんてばかり言っていまして。そうしたらそちらの方にダダダダダとその層が流れてしまった。でもまだ決めていない人が40%くらいいますよね。これからどうですか?

中田)立憲民主党について先に言うと、例えば安倍さんが「我々は愚直に政策を訴えていく」なんていう表現をしますよね、そうすると「愚直」という言葉も他人が使うのであれば理解を得られるのだけど、自分が「愚直」と言うと「ほんとかいね?」と思いますよね。
そういう意味では今回の立憲民主党は非常に「愚直」に見えるのですね。「虐げられても我々は貫いている」というところがあるからやはりこれは非常に今好調になってきているわけで、おそらくこの流れというのは世論調査を見ても「お、やっぱり良いんだ」というアナウンス効果で出ている。アナウンス効果は逆ブレすることもあるのだけど、立憲民主党にとってはある意味では勢いとしてプラスに働くと思いますね。
それから今後どうなるかという話ですけど、世論調査というのは最近どうしても高齢化しているのですね。すなわち固定電話の人に掛けているのです。それからけっこう長い時間が掛かる世論調査の自動音声にお付き合いしてひとつひとつ答えていくというのは、現役世代にははっきり言って無理なのですね。そういう意味では残り4割~5割の人はまだ決めていない、その内のほとんどは若い人ですから、これは若い人たちがある意味では18歳も含めて今後の趨勢を握ると思います。

高嶋)実に正論です。

衆議院選後半戦~自公優勢、希望の党は失速

現状厳しい希望の党 小池都知事の起死回生はあるのか?

高嶋)そして中田さんでなければ答えられない質問なのですけど、攻撃しているときの小池百合子さんというのは大体敵を見つけてガーッといくときに勢いが付くのは分かるのですけど、守りに入って相撲で言うと剣ヶ峰に追い詰められて、ひょっとしたらそのままドーンと土俵下に転落するかもしれない、こういう危機になったときに彼女の性格とか今までのキャリア、取って来た道などから判断すると起死回生は何かありますか?

中田)2つ考えられます。1つ考えられるのは、これはオーソドックスですが、より安倍政権に対する批判というものを強めていって差別化していく。これは今も既にけっこうやっています。だからそれが高まるかもしれないというのが1つ。
もう1つはニコッと笑って「ちょっと私も間違えましたね」という風に、今までを総括して「だからもう1回ちゃんと言わせていただきますけど」みたいな、こういう展開に持ち込むというのは考えられるでしょうね。

高嶋)大いにあり得ます。小池さんの最大の特徴のひとつに、不利なことを振られたときにまずニコッと笑うのですよ。あれは誰に教わったのか知らないけど、性格ですかね? それから笑いながら反論するのですよね。そのとき大きい声では反論しないで、小さくひょひょひょっと言うのですよ。流石分かっているじゃないですか。

中田)「いやあ、ちょっと私も言葉が過ぎましたね」と言われると「あ、分かってるんじゃねえか。反省はしているのか」という風になりますね。

高嶋)まだ選挙をやっていないから今から決めつけてしまったら怒られちゃうけども、どうですか? 来週の今日に訊くような話なのですけど、都知事として、それからオリンピックを仕切って行くトップランナーとして、それから築地とか豊洲のああいうものに対する都知事小池百合子としては影響力マイナスというのは出ませんか?

中田)出るでしょうね。ただしやはり東京都知事というのはスーパーパワーなのですね。1回選挙が終わって都知事としての顔になる、これから先おそらく共同代表になるのでしょうけど、その上でおそらくこれから先は都知事に専念という方向になって「都知事としての成果が出ていないじゃないか!」というのも言われかねないわけですから。

高嶋)それと最後に訊きたいのですが、希望の党って存続しますか?

中田)存続するでしょう。

高嶋)細野さんとか若狭さんとか、良い面の皮で終わるということは無いですか?

中田)考えにくいですね。むしろ逆に言うと戻る場所が無いということですね。

高嶋)森田さんはどうですか?

森田解説委員)安倍内閣の支持率が下がっているのにこれだけ自民党が300議席も得票しているのは、どう分析していますか?

中田)安倍政権に対する評価と自民党に対する評価というのは有権者はある意味で使い分けているというか、そこの違いですね。すなわち安倍さんに対してもちろん支持している人もいる一方で「ちょっとやり方としていろいろ問題があるな」とか「森加計問題でちゃんとした説明ができていないよね」というのが最近内閣支持率には表れているのですね。
ところが一方で北朝鮮の問題は「安倍さんじゃないと駄目だ!」ではなくて「自民党じゃないと駄目だな」というというところの信頼はあるということですね。

高嶋)そこをイメージすると本当にそうですよね。

中田)そこが有権者からすると今回、比例票と小選挙区ということをセットにするのか、それとも国内部分を見て1票を野党に入れるのか、ということですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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