しゃベルシネマ

超絶美少女バレリーナが踊る、わが人生『ポリーナ、私を踊る』

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第293回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、10月28日から公開となる『ポリーナ、私を踊る』を掘り起こします。


華麗なダンスシークエンスが奏でる、輝かしくも数奇な運命


4歳からバレエを始め、ボリショイバレエ団のバレリーナを夢見るロシア人少女、ポリーナ。貧しい家庭環境で育ちながらも、厳格な恩師ボジンスキーのもとでバレエを学び、将来を有望視されるまでになっていた。

しかし憧れのボリショイバレエ団への入団を目前にしたある日、コンテンポラリーダンスと出会った彼女は、すべてを投げ打って南フランスのコンテンポラリーダンスカンパニーでの入団を決意。これまでとは異なるダンスに戸惑いながらも著名な振付家リリアによる厳しい指導のもと、新たな挑戦に挑むが…。


日本の映画界において漫画の映画化はヒットの法則のひとつとなっていますが、今回紹介するのは、フランスの漫画が原作のフランス映画。映画『ポリーヌ、私を踊る』は、本国ではBD書店賞やACBD批評グランプリに輝いたフランス漫画界期待の新星バスティアン・ヴィヴェスによるグラフィックノベル「ポリーヌ」を映画化したもの。

ちなみにこのヴィヴェス氏、日本でも「塩素の味」という作品が第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞するなど、人気作家として漫画ファンの注目を集めている人物なのです。原作の持つ美しい世界観を損なうことなく、ひとりの天才バレエ少女が数奇な運命に翻弄されながらも成長していく姿を、生き生きと描いた映画が完成しました。


共同監督を務めたのは、ヴァレリー・ミュラーとアンジュラン・プレルジョカージュ。ドキュメンタリーや長編映画を手がけてきたミュラー監督と、自身もダンサーや振付家として活躍するプレルジョカージュ監督。

彼らがこだわったのが、キャスティング。「代役は絶対に使わない」というコンセプトのもと、出演者は演技が出来るダンサー、あるいは踊れる俳優を起用。

そんな中、主役のポリーナに抜擢されたのは、本作で映画デビューを果たしたアナスタシア・シェフツォワ。バレエカンパニーに所属する実力派ダンサーの彼女は、劇中ですべてのダンスに挑戦。葛藤するポリーナの内面を全身で体現しています。

共演には、コンテンポラリーダンスの振付家リリア役にジュリエット・ビノシュ、ポリーヌと恋に落ちるフランス人ダンサーにニール・シュナイダー、さらにはパリ・オペラ座バレエ団で長年にわたりエトワールを務めてきたジェレミー・ベランガールが出演するなど、バレエファンにとっても心躍る顔ぶれが実現。

俳優は演技の、ダンサーは踊りの、それぞれのノウハウを撮影現場に持ち込むことで、他の作品では観られないケミストリーが高まり、さらなるリアリティと躍動感に満ちた作品となりました。


理想と現実の壁にぶつかりながらも、周囲に流されずに自分の道を切り開いていく。その道は決して順風満帆ではないけれど、ひとつひとつ困難を乗り越える姿には、誰もが共感を覚えることでしょう。

邦題のとおり、まさに「私を踊る」映画です。


ポリーナ、私を踊る
2017年10月28日からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
監督:ヴァレリー・ミュラー&アンジュラン・プレルジョカージュ
原作:「ポリーナ」(ShoPro Books) (著者:バスティアン・ヴィヴェス、訳:原正人)
出演:アナスタシア・シェフツォワ、ニールス・シュナイダー、ジュリエット・ビノシュ、ジェレミー・ベランガール、アレクセイ・グシュコフ
©2016 Everybody on Deck – TF1 Droits Audiovisuels – UCG Images – France 2 Cinema
公式サイト http://polina-movie.jp/

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