カタルーニャ独立運動に見るヨーロッパの問題

10/13(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

国民国家を固めなければ、EUもヨーロッパも危うい
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

カタルーニャ デモ

スペイン東部バルセロナで、カタルーニャ自治州の旗を掲げる学生デモ隊(スペイン・バルセロナ) 写真提供:時事通信

それぞれ民族の誇りがヨーロッパの問題でもある

スペインからの独立を目指して、カタルーニャ州が独立運動を起こしています。この問題について、元外交官である宮家邦彦さんがヨーロッパの民族性を交えつつ、掘り下げます。

高嶋)例のスペインの「カタルーニャ独立問題」ですが、こういう独立問題を抱えたところは山のようにあると聞きました。

宮家)ヨーロッパは、「EUで統一だ」と言っているけれど、つい数百年前には、ドイツもイタリアも、バラバラだった。それを統一して、Nation-state(国民国家)を作って、ようやく国同士になったのだけど、また喧嘩して、それで米ソにやられてしまい、「じゃあ、EU作ろうか」となって、それで統一しようとしているわけです。だけど、その膝元というか、自分のところが崩れたら、EUどころの騒ぎではないですよね。イギリスも「スコットランドは独立する」と言っている状況です。昔はアイルランド全域がイギリス領だったのが、現在は北しか持っていないわけです。

高嶋)この間、古いですが、北アイルランド紛争の映画を見ました。酷いものでした。

宮家)「あれが文明国なのか?と思いますよね。ですが、ヨーロッパというのは、そういう少数民族も含めた個々の民族が、自分の文化、言語、歴史にものすごく誇りを持っているのです。それは悪いことでは無いのですが、それぞれの民族が全員誇りを持っていたら、国は作れない。そこを皆で妥協して作ってきたところです。たしかに、バルセロナはいいところです。しかし、それはスペインの、EUの1部だから、皆が自由に来られるわけです。自分たちが全部やったわけではない。何を勘違いしているのかな、と思いますね。しっかりした独立をするのなら、もっと周到な準備をしないとダメですよ。

マリアーノ・ラホイ・ブレイ

スペインのラホイ首相(マリアーノ・ラホイ・ブレイ – Wikipediaより)

独立棚上げでも今後のスペイン政府は爆弾を抱え続けることになる

高嶋)中央政府のラホイ首相は、非常に強硬ですよね。もしあそこが独立ということになったら、スペインはガタガタになってしまいます。

宮家)スペインの中には他にもあるじゃないですか。私が中央政府だったら、いくら郷土愛があっても、絶対に認めませんよ。

高嶋)いままでの歴史のプロセスで、異質なところも固まってきたけど、そこに当然のような亀裂が生じている。これから大変ですね。

宮家)大変ですよ。ヨーロッパが生き残るためには、いまの国民国家をまず固める。そして可能なら、EU共通の目的である「より自由なEU統一市場」を作る。そういったものまで考えてやっていかなければ、EUとヨーロッパは生き残れませんよ。

高嶋)だけど、民間の銀行とか、本部をカタルーニャから移転が相次いでいるとか。早いですね。

宮家)それはそうですよ。危なくてしょうがないですから。そういう意味では、読み違えたのかなと思いますね。自分たちのところがすごくいいと思っているのかもしれませんが。

高嶋)いま独立宣言を実質的に棚上げしていますが、腹の中ではずっと「独立したい」と思っているわけですよね。

宮家)もちろん、そうですよ。

高嶋)つまり、そういう爆弾を抱えたまま、ラホイ首相はずっと運営をしていかなければいけない。

宮家)そうですね。1つ間違えたら、政治的には非常に失点ですよ。

高嶋)ベルギーとかも、ゴタゴタがあるとのことで。

宮家)いくらでも、あちこちにありますよ。

高嶋)日本でもたまに聞くのは「沖縄の独立」と言う人がいますが、いかがでしょうか。

宮家)あり得ないと思いますが、どこの国でも民族でも、常に少数民族かは別として、少数派というのはいますから。私は沖縄の問題も、そういう要素がまったく無いとは言いません。しかし、ヨーロッパに比べたら、日本はまだ、中央政府の求心力が強いと思います。

高嶋ひでたけのあさラジ!
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