出馬を固辞する小池百合子代表 今後問われるのは個人ではなく組織力

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10/6(金)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!④

政治の本質は「個人の組織化」である
7:16~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター宮家邦彦(元外交官・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹)

小池百合子

会談を終え、報道陣に説明する希望の党代表の小池百合子東京都知事と民進党の前原誠司代表。最後に握手した=2017年10月5日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

出馬要請の固辞は様々なマイナスイメージが生んだ結果

「希望の党」の代表を務める、東京都の小池知事が、衆議院選挙への出馬を固辞したことを受け、希望の党は、今後の、選挙後の総理大臣指名選挙の候補選定に向けた調整を進めることにしています。小池氏は他党との連立も視野に、対応を検討する考えです。

「希望の党」の小池代表は、昨日、民進党の前原代表と会談し、衆議院選挙への立候補要請について、固辞する考えを重ねて表明しています。

前原氏は、「小池さんとまた話がしたい」ということで、今日、連合の本部を訪れる形で再会談をして、改めて出馬を求めると見られています。小池さんは「都政の推進」を理由に出馬を固辞しており、総理指名選挙への対応については、昨日記者団に、次のように述べています。

小池百合子代表)首班指名云々のときに、これまで自由民主党の方々は、羽田政権のあと、村山政権を担がれた、ということがございました。こんな形で、水と油で手が結ばれた、ということも、首班指名という言葉であらためて思い出したところでございます。

このように、小池さんは他党との連立も視野に、対応を検討する考えのようです。一方、安倍総理大臣は昨夜のテレビ番組で、選挙などの希望の党との協力について、「選挙の結果、実際にどのような姿になっていくかだ」と述べ否定しておりません。

ただ、小池さんは前原代表と、安倍総理に退陣を迫る方針で一致しています。ただ、前原氏の周辺は、「民進党を解党してまで希望の党と合流したのに、小池さんが出ないのは誤算だ」と漏らす周辺の人もいます。小池さんの出馬要請の固辞は、「単独での政権奪取が厳しく、総理の座が遠のいた」という計算が働いた可能性もあると、指摘されています。

また、「知事の任期満了まで2年10ヶ月を残しての国政復帰を批判される」、「民進党から希望の党への合流過程で、排除の路線が際立ち過ぎて、マイナスイメージも生んでしまった」、この辺りが背景ではないかとも言われています。

亀井静香

引退会見に臨む亀井静香元金融担当相=2017年10月5日午後2時半、尾道市の亀井静香事務所 写真提供:産経新聞社

小池代表に今後求められるのはチームワーク

高嶋)宮家さん、これは推測に過ぎないのですが、小池百合子さんという政治家の腹の内、それから野心とか、野望とか、取っていく作戦とか、けっこう、みんなハッキリ読んでるな、という気がするのですが……こちら側に本音があって、しかしマイクの前では、本音は絶対に言わない。

宮家)それは政治家だから当たり前だし、良い意味の権力欲があって。「総理を目指す」というのも、良いでしょう。ただ、問題が2つあって、1つはワンマンならぬ、「ワンウーマンショー」になってしまっているわけですよね。それは2つ目の問題にもかかってくるのですが、政治というのは、やはり1人ではできないのです。政治というのは、「個人の組織化」ですから。つまり、チームワークでやらないといけないのだけど、「彼女はどこまでチームワークができるのか?」というのが、これから問われているのだと思います。

高嶋)奇しくも、亀井静香さんが引退しますが、はっきり言っている。「誰も仲間がいないと、何もできない」と。それが政治の本質だと……

宮家)それはもちろんですよ。政治は数ですからね。やはり、自分と志を同じとするだけでなく、適材適所、分業をして、汗をかく人もいれば、表舞台に乗る人もいる。その全体が政治ですからね。
彼女は確かに能力がある人ですが、どういう形になっても彼女が出ないのであれば、しっかり彼女の代わりができる裏方を、いまから作っていかないと。ますます組織力が求められると思います。

都民ファーストの会 希望の党 希望の党 小池百合子

希望の党と都民ファーストの会の政策協定調印式で、協定書を手にする都民ファーストの会の希望の党代表。左は希望の党代表の小池百合子東京都知事=2017年10月5日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

過度に持ち上げず、等身大の姿を見ての判断が我々に求められる

高嶋)何となく、去年圧勝した、東京都議会議員選挙の都民ファーストの会で、多少の亀裂が生じているのを見ると、「小池さんもなぁ……」みたいな指摘もありますね。

宮家)だけど、人間の集まりで、人間の組織ですから、もちろん崩れていく部分もあるわけです。我々はやはり、彼女を等身大で見ていく必要がある。あまり持ち上げたら、それは期待した分だけ、失望や反発があるのかもしれない。だけど、彼女を等身大で見て、政治家としての判断をしなければならないのだと思いますよ。

高嶋)都知事選挙のときには、目の前で金を使いすぎたあの知事がいてね。それで、都議会は陰謀が絶えない場所で、攻撃すべき人がいて。今度は、そういう意味で言うと、どうなるのでしょうね。「安倍内閣を終わらせる」と言っているのですよね。

宮家)いいのですが、都議会というのは、言い方は悪いですが、若干、田舎議会のところがあった。だから、そこを改革しなければいけないのは分かるけれど、国政はまた少し違うのではないでしょうか? それを同じように、柳の下に何匹もドジョウがいると思ったら、それは間違いでしょう。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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