開国の町・下田のシンボル「了仙寺」~伊豆急下田駅「しゃぶしゃぶ金目茶寿し」(1,500円)  【ライター望月の駅弁膝栗毛】

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伊豆急行主催のツアー「伊豆急100系で行くレトロ電車ぶらり旅」に参加したライター望月。
伊豆急100系電車は、昭和36(1961)年製、今年で誕生55年となる伊豆急行開業当初からの車両です。
車両基地にたった1両だけ残っていた「クモハ103」が5年前から営業運転に復活。
2年前からはこの「クモハ103」を使った「レトロ電車ぶらり旅」というツアーが開催されています。
今年も5~6月に「第4弾」が実施されており、今回も前回記事に引き続き、6/4(土)に行われたツアーの模様をお届けしましょう。

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伊豆急行線・伊豆高原駅を伊豆急下田に向けて10:49に発った「レトロ電車ぶらり号」の下り編。
海の絶景が続く「伊豆大川~伊豆稲取」間を行ったり来たりしながら、2時間以上をかけて午後1時前、伊豆急下田駅に到着しました。
6月の下田は、何と言っても「あじさい」の街!
例年6/1~30の間、下田公園を中心に「下田あじさい祭」が開催され、多くの人が訪れます。
伊豆急下田駅のホームにもたくさんの「あじさい」の花が用意され、色とりどりの花が降り立った乗客を迎えます。

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「レトロ電車ぶらり旅」下り編のツアーは、下田の駅を降りておしまい・・・!?
ではなく、下田駅前から「東海バス」の13:10発「海中水族館」行に乗車して下田を代表する「お寺」を目指します。
普通の路線バスを使うツアーって珍しい印象ですが、鉄道と路線バスの旅が好きな私としては願ったり叶ったり!!
このお寺で住職さんの話を聴いたところで現地解散、下り編のツアーは終了。
引き続き上り編に参加する人は、自己負担で路線バスに揺られて下田駅に戻るよう案内されます。

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オレンジ色の路線バスに揺られておよそ5分、やって来たのは「了仙寺(りょうせんじ)」。
嘉永7(1854)年に結ばれた日米和親条約の細かい点を定めた「下田条約」の交渉が行われたお寺で、国の史跡に指定されています。
「ぶらり旅」第4弾にして「了仙寺」を訪ねることになったのは、ちょうど下田が花の季節に当たるため。
特に5月は境内にアメリカジャスミンが咲き乱れ「ジャスミン寺」の異名を持つほどです。(訪れた時は残念ながら花のシーズンは終了)
今回はまさに日米の交渉が行われた本堂に上がって、住職さんから直接「開国にまつわる話」を伺いました。

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実は歴史の教科書に載っている昔の地図や幕末の人物の肖像画の多くを収蔵している「了仙寺」。
その豊富な歴史史料をふんだんに使って、住職さんが30分でコンパクトに「開国の衝撃の大きさ」を解説して下さいました。
特に江戸時代の日本人の「世界観」が1854年を境に「一変」する様子は圧巻!
また下田条約によってアメリカ人が下田の街を自由に歩く権利「遊歩権」を得たことで、下田はアメリカ人が一般の日本人と接触する初めての場所に。
下田の人たちはアメリカ人が話す英語をひたすら耳で聞いて書きとり、どんどん覚えて、日米の異文化交流を始めていったそう・・・。
ちなみに画像トップの「さんちょろ」とは「Thank you」の意・・・当時の日本人には「さんちょろ」と聞こえたのですね。

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住職さんの有難いお話の余韻も冷めやらぬ中、了仙寺前13:52発の東海バスで再び下田駅に戻ります。
今回、下り編のツアー中に伊豆急行の方から「下田に新しい駅弁が出来たんですよ!」との情報提供が・・・。
上り編の列車発車までしばらく時間があったことから、伊豆急下田駅の売店を訪ねてみました。
伊豆急下田駅では、伊豆急グループの「伊豆急物産」がプロデュースする形で昔から駅弁が販売されています。
私の経験上、昼過ぎには品薄になり、定期上り特急の最終・16:05発「スーパービュー踊り子10号」池袋行発車前には完売になることが多い感じ。

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公式サイトにはまだアップされていませんが、今春から発売されているのが「しゃぶしゃぶ金目茶寿し」(1500円)。
まず「しゃぶしゃぶ金目」ってネーミングが食欲をそそりますねぇ。
掛け紙がくるりと巻かれた巻き簀の外観で、手に取るとズシリとした重みを感じます。
調整元は下田駅近くの「とん亭」という下田初のとんかつ専門店で、下田市内の「ゑび満」というグループの一角。
グループ内には鮮魚を扱うお店もあり「とん亭」でも、下田の地魚を使った料理が出されているといいます。

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お~っ、これは何か良さそうな予感!?
下田漁港で水揚げされたという「金目鯛」の寿司が6カン、もう1カンは伊豆名産の桜葉となっていて桜餅同様の心地よい匂いも広がります。
元々、河津桜シーズンの2月から「きんめ茶寿し」という商品が登場していました。
下田の特産品「金目鯛」に静岡の特産「緑茶」で炊いた「茶飯」の酢飯を合わせた寿司で、平成27年度の「伊豆特産市」で最高金賞を受賞したそう。
この「金目鯛」を「しゃぶしゃぶ」にバージョンアップさせたのが「しゃぶしゃぶ金目茶寿し」ということなんですね。

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いざ口に運ぶと、思いのほか「甘い」食感です。
しゃぶしゃぶにした金目鯛を甘い煮汁に漬けこんだそうで、しゃぶしゃぶの割に「煮付け」のような味わいも・・・。
茶飯には梅酢を使用、混ぜ込まれた生姜が存在感を発揮して、味を引き締めています。
このほか簡素な包装の5カン入「1000円」という廉価版も店頭に並んでいました。
まずは金目が素晴らしい!
果たして下田の新名物となるか、私も見守っていきたいと思います。

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見ごろのあじさいの花に見送られて「レトロ電車ぶらり旅」上り編に乗車です。

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
「ライター望月の駅弁膝栗毛」
(取材・文:望月崇史)

【ごあいさつ】
はじめまして、放送作家の望月崇史(もちづき・たかふみ)と申します。
ニッポン放送には、昔の有楽町の社屋の頃から、かれこれ20年お世話になっています。
最近では、月~木・深夜24時からの「ミュ~コミ+プラス」で放送された、
ルートハンター」のコーナーに、5年ほど出演させていただきました。

そんな私がライフワークとしているのが「駅弁」の食べ歩き。
1年間に食べる「駅弁」の数は多い年でのべ500個。
通算でも4500個を超えているものと思います。
きっかけとなったのも、実はニッポン放送の番組。
2002年~05年に放送された「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の
番組ウェブサイトで「ライター望月の駅弁膝栗毛」を連載することになり、
本格的に「全国の駅弁をひたすら食べまくる生活」に入りました。
以来、私自身のサイトや、近年は「ライター望月の駅弁いい気分」というブログで
「1日1駅弁」を基本に「駅弁」の紹介を続けています。
”駅弁生活15年目”、縁あってニッポン放送のサイトで連載させていただくことになりました。
3つの原則で「駅弁」の紹介をしていきたいと思います。

①1日1駅弁
②駅弁は現地購入
③駅弁のある「旅」も紹介

「1日1駅弁」ですので、日によって情報の濃淡はありますが、
出来るだけ旬の駅弁と鉄道旅の魅力をアップしていきますので、
ゆるりとお付き合い下さい。

【プロフィール】

望月崇史(もちづき・たかふみ)望月

1975年12月8日静岡県生まれ。
早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。
卒業後の2002年「井筒和幸の土曜ニュースアドベンチャー」の番組サイトで始めた
ライター望月の駅弁膝栗毛」をきっかけに、全国の駅弁食べ歩きをスタート。
以来およそ15年、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。
1日1駅弁のウェブ紹介を日課とし、これまでに食べた駅弁は4500個以上。
ニッポン放送「ミュ~コミ・プラス」ルートハンター、鉄道特番などにも出演。
丸の内朝大学・温泉クラスの講師も務める。