民進党が希望の党と合流せざるを得なかった理由とは?

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10/2(月)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!③

当初は共産党と共闘する決断をしていた
7:10~やじうまニュースネットワーク:コメンテーター須田慎一郎(ジャーナリスト)

枝野幸男

【政治 民進党】報道陣の取材に応じる枝野幸男氏=2017年10月1日午後、東京・永田町の民進党本部 写真提供:産経新聞社

希望の党と民進党の合流を巡り、混乱続く

衆議院解散から4日。各党は、今月22日の投開票日に向け、はやくも選挙モードに突入しています。こうしたなか、希望の党と民進党の合流を巡り、依然混乱が続いており、リベラル勢力による新党結成を模索する動きも出てきました。

まずは週末の動きからお伝えします。解散後、最初の週末というわけですが、既に各党、選挙モードに突入しています。自民・公明の各党は、北朝鮮への対応や経済運営など、安倍政権の実績を強調しました。

対する野党は安倍1強の歪みを強調し、政権批判を展開しています。野党ですが、希望の党と民進党の合流については、週末も混乱が続きました。

東京都の小池知事は、憲法改正や安全保障政策によって、候補者を選別する考えを示しています。これは、実は以前から話していることではあるのですが、先月29日(金曜日)の会見でも、改めて明言していました。

小池百合子知事)排除されない、ということはございません。排除いたします。「絞らせていただく」ということであります。

小池百合子 大村秀章 松井一郎

【衆院選2017】3知事共同発表 共通政策を掲げる(左から)小池百合子・東京都知事、大村秀章・愛知県知事、松井一郎・大阪府知事=2017年9月30日夜、大阪市中央区のシティプラザ大阪 写真提供:産経新聞社

「三都物語」は事実上の選挙不可侵条約である~民進党のリベラル勢力による新党結成も

週末の30日(土曜日)には、小池さんは大阪に飛び、大阪府の松井知事、愛知県の大村知事と会談をしました。「三都物語」と称し、地方分権や脱原発を柱とする共通政策を発表したのですが、その実態は、「東京の選挙区では日本維新の会、大阪の選挙区では、希望の党の候補者をそれぞれ擁立しない」という、いわば選挙不可侵条約を結んだと言っても良いと思います。会見する、小池知事です。

小池百合子知事)東京と大阪で、しっかりと棲み分けながら、改革の志を国会へ届けよういうことです。

これによって、特に大阪では民進党の候補者の選挙区の道が絶たれたことになります。さらに、排除の論理が掲げられ、北海道や東京といった、リベラル勢力が強いと言われている民進党候補者からは、無所属とか、あるいは新党を模索する動きが出てきています。

民進党の今回の混乱は、両院議員総会のあと、やはりゴタゴタ、ということで1種の伝統芸能を見せつけられている、そんな感じもするわけですが、こうしたなかで、いまだにくすぶるのが、「小池さんが出るのか出ないのか?」ということになります。自民党では、小泉進次郎筆頭副幹事長が昨日、東京都内の演説で、小池さんのことを次のように話していました。

小泉進次郎筆頭副幹事長)小池さん、出ても出なくても、無責任! 出たら出たで、都政を投げ出す、無責任! 出なければ出ないで、無責任! 小池さんは、「無責任のジレンマ」に陥ったのです!

畑中デスク)昨日、若狭勝前議員は、テレビ番組で、「今回ではなく、次の選挙で確実に政権できる議席に達する、という思いであるとすれば、今回の選挙で代表が選挙に出なくても、構わない」と述べていますが、まだ公示である、今月10日までしばらく時間があり、ここでどのような流れになってくるのか、まだ読み切れない状況ではあると思います。

小泉進次郎

衆院解散後初の街頭演説会を行った自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長(中央)。会場に隣接する飲食店からの有権者の声援に手を振ってこたえた=2017年10月1日夕、東京都練馬区向山のとしまえん前 写真提供:産経新聞社

民進党は当初、共産党と共闘する方針だった

高嶋)まったく動いている最中ですので、こういう数字もアテにならないと思いますが、読売新聞の世論調査によると、「小池さんは都知事に専念すべき」とする人が、62%で、「出馬すべき」とする人が12%、これだけの開きがある。
そして、共同の世論調査によると、注目すべきは、内閣支持率がまた逆転したそうですね。「安倍さんを支持しない」とする人が46.2%で、「支持する」とする人が40.6%です。
まだ決めていない比例投票先が、42%もいる、ということですが、この、あえて「泥仕合」と言いますが、民進党内のこの動き。それから、希望の党を巡って、須田さんにはどのように映っていますか?

須田)みなさんが不思議に思っているのは、「そもそも何故、民進党、あるいは前原代表は、いきなり小池新党との合流を決めてしまったのか?」、「相手の条件を丸呑みすることになったのか」という部分を、不思議で仕方がないと思っているのでしょうけれど、実はこれには理由があります。
元々、前原代表は民進党の選挙責任者とのやりとりの中で、共産党との共闘を決断していたのです。その方向で話が進んでいたのですが、これは全くメディアに出ていないのですけどね。共産党が、民進党に対してある条件を突きつけてきたのですよ。

高嶋)枝野さん路線ですよね? 共産党と一緒に選挙で共闘するというのは。それに前原さんもなびいていた。

須田)そうです。そこで共産党がある条件を提示してきました。「15の選挙区で、民進党は候補者を擁立するのを控えて欲しい」と言ったのです。15が多いと見るか少ないと見るかはとにかく、やはり民共共闘の、それが1つの条件だった。

高嶋)辛い条件ですね。共産党が、「民進党の方を下げてくれ」と言うのは、共産党は都市部で強いですから、この辺の話であって。えらく目立ちますよね。

須田)そうですね。それに対して、民進党の選挙責任者。特に、大島幹事長や、長妻昭選対委員長は、どう対応していいのかわからない状態になってしまい、お手上げになってしまった。そのまま前原さんに持って行った。前原さんはそこで「これは共産党に足元を見られた!」となり、驚いた。そして、希望の党、つまり小池新党なら、丸ごと引き受けてくれるような、そういう雲行きだったので、そちらにパッと乗り換えてしまった。これが実態なのです。

高嶋)前原さんの方から小池さんの方に話を持って行ったのですか?

須田)もちろん、その背景には小沢一郎さんが動いたり、他の有力な国会議員が動いたり、というのもあります。ただ、前原さんとしても、小池さんの方に乗っかる方向に動いた、ということですね。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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