マーキュリー計画を影で支えたのは理系女子だった!『ドリーム』

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第283回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、9月29日に公開された『ドリーム』を掘り起こします。


“NASAの頭脳”として偉業を担った、黒人女性数学者の勇気と感動の実話

マーキュリー計画を影で支えたのは理系女子だった!『ドリーム』
1960年代初頭、アメリカと旧ソ連は熾烈な宇宙開発競争を繰り広げいていた。ヴァージニア州ハンプトンにあるNASAのラングレー研究所には、ロケット打ち上げに必要不可欠な計算を行うために、優秀な頭脳を持つ黒人女性のグループがあった。

中でも天才的な数学の才能を持つキャサリンは、宇宙特別研究本部に黒人女性としてはじめて配属されるが、白人男性ばかりのオフィス環境は、彼女にとって決して心地良いものではなかった。同僚のドロシーとエンジニア志望のメアリーもそれぞれ、黒人であるというだけで理不尽な境遇に立たされてしまう。

それでも3人は仕事と家庭を両立させながら、国家の威信をかけたマーキュリー計画に貢献しようと奮闘。やがてNASAの歴史的な偉業に携わることになる…。

マーキュリー計画を影で支えたのは理系女子だった!『ドリーム』
1962年にアメリカ人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を支えたのは、才能あふれる女性数学者たちだった!キャサリン・ジョンソン、ドロシー・ヴォーン、メアリー・ジャクソン。

夢を追い求め、自らの手で新たな扉を開いた女性たちの感動の実話が、いよいよ日本でも公開となりました。

キャサリン役にタラジ・P・ヘンソン、ドロシー役にオクタヴィア・スペンサー、メアリー役にジェネール・モネイ。黒人への差別が激しい時代背景の中、さまざまな苦難に見舞われるも、知性と努力とガッツでハードルを超えていく様子を、バイタリティあふれる演技で観客を魅了。

さらにケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、マハーシャラ・アリら実力派俳優が、脇をがっちりと固めています。

メガホンを取ったのは、『ヴィンセントが教えてくれたこと』の新鋭セオドア・メルフィ監督。「人は人種や性別に関係なく、その人が持つ才能でこそ真に評価されるべき」ということを、軽やかな語り口調で描きました。

マーキュリー計画を影で支えたのは理系女子だった!『ドリーム』
“伝記映画”と聞くと、いかに苦難を乗り越えて偉業を成したのか…というような作風をイメージする人もいるかもしれませんが、本作は実に痛快なエンターテインメント作品。チャーミングに誇り高くハードルを乗り越えていくヒロインたちの生き様から、あなたもきっと勇気と希望を受け取ることでしょう。

明日も頑張ろう!と、エネルギーが湧いてくる一作です。

マーキュリー計画を影で支えたのは理系女子だった!『ドリーム』
ドリーム
2017年9月29日から全国ロードショー
監督:セオドア・メルフィ
出演:タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジェネール・モネイ、ケビン・コスナー、キルスティン・ダンスト、ジム・パーソンズ、マハーシャラ・アリ ほか
©2016 Twentieth Century Fox
公式サイト http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/index.html

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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