【しゃベルシネマ by 八雲ふみね・第278回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、9月23日公開の映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』を掘り起こします。

手紙が人と人とをつなぐ、世代を超えて心に響く感動作

2012年の夜、養護施設出身の敦也は幼馴染みの翔太、幸平とともに悪事を働き、一軒の廃屋に逃げ込む。そこはかつて、街の人々から悩み相談を受けることで知られていた「ナミヤ雑貨店」だった。

現在は廃業している店内で一夜を明かすことに決めた3人だったが、突然、シャッターの郵便口に何かが投げ込まれたことに気付く。それは1980年と書かれた悩み相談の手紙で、3人は戸惑いながらも、当時の店主・浪矢雄治に代わって返事を書くことに。

やがて雑貨店の秘密や、相談者たちと敦也たちの共通点が浮かび上がってくる…。

これまでにも数多くの作品が映像化されている人気作家、東野圭吾。
中でも「東野圭吾史上もっとも泣ける感動作」として全世界でベストセラーとなっている同名小説を、豪華キャストで映画化しました。

主演を務めるのは、Hey! Say! JUMPの山田涼介。心に大きな傷を抱えた敦也という青年をきめ細やかに演じています。

また街の人々に愛されたナミヤ雑貨店の店主・浪屋雄治役には、国民的名優の西田敏行。人々の悩みと誠実に向き合う慈愛に満ちたキャラクターは、まさにはまり役。

共演には尾野真千子、村上虹郎、寛一郎、林遣都、成海璃子、門脇麦、萩原聖人と、若手から実力派まで個性的な面々がズラリ。現代と過去が交差するファンタジックな世界に、生き生きと宿っています。

主題歌は、山下達郎が本作のために書き下ろした新曲「REBORN」。時代を超えてつながる“想い”に優しく寄り添うような楽曲に、涙を誘われることでしょう。

原作は5つのエピソードが時代を超えて緻密に絡み合い、章が進むごとにストーリーを牽引するキャラクターが変化していく群像劇。

映画化にはとてもハードルが高い原作では…と思ってしまうところですが、メガホンを取った廣木隆一監督は、登場人物を客観的に描くことで複数のエピソードを緩やかにつなぎ、“いま”を懸命に生きる人々の姿を鮮やかに映し出しました。

この秋、じっくり腰を落ち着けて堪能したい感動作です。

ナミヤ雑貨店の奇蹟
2017年9月23日から全国ロードショー
原作：東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』角川文庫刊
監督：廣木隆一
主題歌：山下達郎「REBORN」（ワーナーミュージック・ジャパン）
出演：山田涼介、村上虹郎、寛一郎、成海璃子、門脇麦、林遣都、鈴木梨央、山下リオ、手塚とおる、PANTA、萩原聖人、 小林薫、吉行和子、尾野真千子、西田敏行　ほか
©2017「ナミヤ雑貨店の奇蹟」製作委員会
公式サイト　http://namiya-movie.jp/