習近平が中国共産党大会で狙う野望とは?

By -  公開:  更新:

8/31(木)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

“習近平思想”を大々的に宣伝
6:31~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:山本秀也(産経新聞論説委員)

秋の中国共産党大会で次期政権担当者はどうなる

中国共産党の秋の大会を控え、ポスト習近平となる次期政権担当者が誰になるのかが注目されます。一方では、習近平総書記への権力集中を進める動きがあると言います。今後の中国共産党の政権はどうなるのでしょうか。

高嶋)秋の共産党大会で、習近平国家主席が長期政権を狙うかもしれないのではないか。いやいや、胡春華さんとか陳敏爾(ちん・びんじ)さんとかもう顔ぶれ出ているではないかとも言われていますが、このあたりを総合的に教えてください。

山本)秋の党大会というのが5年に1回で指導部のメンバー入れ替えがあり、2期は同じ総書記国家主席ができることになっています。今回、習近平は2期目ということで、さあ手下をどれだけ指導部に入れましょうかというところです。

高嶋)本当は2期しかできないんですよね?

山本)本当は2期までです。お約束は。

高嶋)今回の共産党大会で習近平は「俺の次はこの人なんだよ」というのを暗に見えるような形で置いておくというのが通常ですね。


独裁体制を目指す習近平の野望

山本)それが普通のルールです。ところが陳敏爾を突然重慶の書記に連れてきた、かつての浙江省というところにいた時の部下です。今、この人は中央委員というたくさんいる党の役職の1人なのですが、これから陳敏爾がトップのグループに入ってくるとすると、2階級飛んで入ってくるということになります。強引ですが、どうも習近平はそのつもりらしい。では、この陳さんが5年後には総書記になれるのですかという話になりますが、そこから後が問題なのです。どうも習近平氏の動きを見ますと、2期、トータル10年で引退をして、1人の長老として遠くから物を申しますという麗しいことはどうも考えてないのではないか。どうも毛沢東のマネをしたいというのが本音のようです。もっとやりたい。恐らくこの人、終身権力者として一生を終えたいらしい。たとえば習近平さんの肩書としては、毛沢東「首席」とよく言いますよね。あれは国家主席でなくて党主席という役職があって、これがあまり強すぎるからというので、毛さん死んだ後の82年、華国鋒という人のときにあれやめようというのでやめてしまった。やめて以後、総書記というのが党の一番上ということになっています。


無理を通せば政権は続かない

高嶋)国家主席はいわばお飾りと。党主席は共産党の国家ですから。

山本)共産党の国家ですから、党主席が最上位となります。それが強すぎるというので、みんなでやめて話し合いでやろうということになったのです。習近平はどうもそれを復活しようとしているらしい。そして、取り巻きを使って習近平思想なるものを大々的に宣伝はじめています。これも指導理論だということでどうも党のお約束に書き込んでしまいそうだということです。そうなると正に形の上ではだんだん毛沢東の復活かみたいな感じになってきますから。心は何かと言えば終身指導者だろうなという感じがします。

高嶋)それはできそうなのですか?それとも相当の反発を食らいそうですか?

山本)当然相当の反発がありますね。今、正面切ってそれはダメだとはなかなか言いにくいので、みんな一応言うこと聞いたフリはしていますが、派閥の引っ張り合いですと「いやいや、それでなくてこっちの人も入れといけない。それは流石に党内収まりませんよ」とまだ押し込み合戦をしています。完璧に終わっていないと思います。名簿が全部確実な状態で固まったとは私は考えていないです。
それと、こんなに無理なことをした政権というのは絶対に途中で躓いてひっくり返りますので。無茶やればやるほど政権の終わりが近づくと私は思っています。


習近平のトラウマ

高嶋)習近平さん、なぜそこまで権力にこだわるのですか?

山本)これは謎なのですが、お父さんも党の偉い人だったのですが、結局失脚をしています。それで習近平本人も10代のときに大変苦労していますが、あの時のトラウマを未だに引きずっているのだろうと私は見てます。

高嶋)ということは、最高権力者の座を降りたらどういう運命が、みたいなそういう心配をするということですか?

山本)そう思いますね。彼に引っ張り上げられた取り巻きの人々も一緒に落ちる可能性がありますから、その人たちのことも考えているのかもしれません。

高嶋)身の安全が保てない。

山本)これはもう中国の政治でよくあることですけど。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

Page top