シモンズ、リリーズ、ビューティーペア、 記憶にとどめておきたい女性デュオ・ここがポイント!

歌謡曲 ここがポイント! チャッピー加藤(ヤンヤンハイスクール講師)

最近、ますます注目されている昭和歌謡。
この講座では、日本人として最低限覚えておきたい歌謡曲の基礎知識を、わかりやすく解説していきます。

今年はピンク・レディーがデビューして、ちょうど40周年になります。彼女たちの偉業については、また改めて振り返りたいと思いますが、ザ・ピーナッツ以降、日本の歌謡界には様々な女性デュオが登場しました。グループアイドル全盛のいま、ミニマムの「二人」というのは逆に新鮮かもしれません。そういえば今年は、Puffyのデビュー20周年でもあります。

そこで今回は、ピンク・レディー同様70年代を彩った「ぜひ記憶に留めておきたい女性デュオ」を見ていきましょう。

シモンズ

まずは70年代に透明感あふれるハーモニーで人気を集めたのが、大阪出身のフォーク系デュオ・シモンズです。サイモン&ガーファンクルが大好きだった二人は、“Simon”をローマ字読みして、このユニット名を付けました。

高校在学中、毎日放送『ヤングタウン』のオーディションに合格し、卒業後に上京。『恋人もいないのに』でデビューし、いきなり60万枚のヒットを飛ばします。関西フォークの重鎮・西岡たかしが書いたこの曲も名曲ですが、ぜひもう一つ覚えておいてほしい曲が、72年リリースの『ひとつぶの涙』。明治チェルシーのCMソングでしたが、初恋に戸惑いつつ、胸ときめかす少女の気持ちが見事に投影された傑作です。

シモンズはメンバーの玉井タエが、ベーシストで作曲家の後藤次利と結婚したため74年に活動を休止しましたが、田中ユミの澄んだハイトーンと、玉井タエのハスキーボイスの絡みは絶妙で、佳曲も多く、もっと評価されるべきデュオでしょう。ちなみに『あの素晴しい愛をもう一度』は元々、北山修と加藤和彦がシモンズのデビュー用に書いた曲だったことも、覚えておきたい豆知識の一つです。

リリーズ

続いては、アイドルデュオに行ってみましょう。ピンク・レディーより1年早く、1975年に渡辺プロからデビューした双子デュオが、ザ・リリーズです。双子でナベプロというと、ザ・ピーナッツを思い出しますが、実はリリーズがデビューした年は、ピーナッツ解散の年でもありました。ナベプロがその後継として大きな期待を寄せていたことが分かります。

双子デュオの魅力は、顔だけでなく声質も似ているため、一人二重唱のような効果が味わえることですが、デビュー2作目で代表曲の『好きよキャプテン』のユニゾンパートはまさにそれ。結局、以後はヒットに恵まれず、86年に解散しましたが、とんねるずが『雨の西麻布』の歌詞中にリリーズを持ち出したように、その可憐さは今でも記憶に残っています。2005年に再結成し、今も『好きよキャプテン』を歌い続けているのは嬉しい限り。

ビューティ・ペア

最後に、歌手としては素人でしたが、70年代に活躍した女性デュオとして忘れてはならないのが、ピンク・レディーと同じ1976年に結成、レコードデビューした女子プロレスラーコンビ、ビューティ・ペアです。

ジャッキー佐藤・マキ上田によるこのコンビは、宿敵ブラック・ペアとの壮絶な戦いで女子プロレス界のアイドルとなり、試合前には必ず歌が披露されました。客席には、二人に宝塚的な匂いを感じた女子高生たちが詰め掛け、デビュー曲『かけめぐる青春』も大ヒット。

歌番組にも出演し、70年代を象徴するスターになりましたが、諸事情から79年、二人は引退を懸けてリングで戦うことになり、敗れたマキが去ってコンビは解散しました。いまレコードで聴くと、リング上で必死にステップを踏みながら歌っていた二人の姿、そして「ムダに熱かった70年代」が甦ってきます。リングサイドで紙テープを投げていた女子高生たちは、いま50代後半になりますが、当時の熱気をぜひ、子や孫に伝承していってほしいと思います。

“70年代に活躍した女性デュオ”ここがポイント!
<記憶に留めたいコンビ・補足>

・リンリン・ランラン『恋するインディアン人形』(1974)
…香港から来日した双子デュオ なのにデビュー曲はインディアン(謎)

・キャッツ★アイ『アバンチュール』(1977、ノン&ナナ)
…超ミニスカのセクシー路線で売り出すが、ノンが突然駆け落ちし解散
・BIBI『スカイ・ピクニック』(1979、早坂あきよ&小西直子)
…二代目バスボンガール 共にモデル出身で高身長もセールスは伸びず

【チャッピー加藤】1967年生まれ。構成作家。
幼少時に『ブルー・ライト・ヨコハマ』を聴いて以来、歌謡曲にどっぷりハマる。
ドーナツ盤をコツコツ買い集めているうちに、気付けば約5000枚を収集。
ラジオ番組構成、コラム、DJ等を通じ、昭和歌謡の魅力を伝えるべく活動中。