ドイツでは部下の休日に上司が連絡をすると、法律違反になる!!? 『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』 しゃベルシネマ【第16回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回ご紹介するのは、あのお騒がせ監督の最新作。
なんと6年ぶりなんですね。
『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』を掘り起こします。

あのお騒がせ監督の次なるテーマは、世界侵略!

01

超過激なアポなし突撃取材や歯に衣着せぬ物言いなど、独特なスタイルでアメリカ国内の問題を取り上げてきたマイケル・ムーア監督。
これまでは米国政府に“目の上のたんこぶ”のような扱いをされてきた彼は、ある日、アメリカ国防総省のお偉方から相談を持ち掛けられる。
それは度重なる侵略戦争で望むような結果が得られなかったという切実な悩みだった。
彼らの必死の訴えに心を動かされたムーア監督は、国防総省に代わり自らが“侵略者”として、世界のジョーシキを根こそぎ略奪することを提案。
これこそ、今のアメリカに最も必要なものなのだ!
ムーア監督は空母ロナルド・レーガンに乗り込み、ヨーロッパへと向かう…。

…という体(テイ)で始まる本作は、マイケル・ムーア監督の最新ドキュメンタリー映画。
アメリカがこれまでに行なってきた“侵略”政策に注目し、自国にはない他国の常識を“略奪”していく様を、ブラック・ユーモアを交えて映し出します。
原題となる『Where to Invade Next』は、『次はどこを侵略しようか?』という意味。
このタイトルの付け方からして、ムーア監督ならではの毒っ気がたっぷりですね。
監督・製作・脚本は、ムーア氏が一人で担当。
彼にとって、新境地とも呼べる一作に仕上がっています。

国が違えば「ジョーシキ」も違う!その驚くべき内容とは…。

02

マイケル・ムーア監督はこれまでにも、アメリカが抱える社会問題を鋭くもユーモラスに描いてきました。
アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞に輝いた『ボウリング・フォー・コロンバイン』では、銃社会の矛盾を。
カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞『華氏911』では、9.11テロを軸に、時の政権、ジョージ・W・ブッシュ政権の批判を。
『シッコ』では高額医療問題に斬り込み、『キャピタリズム~マネーは踊る~』ではリーマンショック後の資本主義の在り方に迫り、臭いモノにフタをしたい当事者の気持ちをよそに、問題点の実態をあぶり出してきました。
彼の手法は、とにかく過激。
あまりにも強烈なユーモアと斬り口ゆえアメリカ政府からも敵視され、ホワイトハウスのブラックリストに入ってしまうほど。
しかし要注意人物のレッテルを張られても、彼の作品からは常に愛国心が感じられ、それが人を惹き付ける魅力となっているのではないでしょうか。
そんなムーア監督、本作ではアメリカを飛び出しヨーロッパへ。
「海外に目を向けることで自国を見つめ直そう」という、これまでとはまったく逆のアプローチで制作しています。
各国で「ジョーシキ」とされることを徹底取材することで、“侵略”する先々の衝撃の“事実”が次々と明らかに。

例えば…。

03
イタリア → 年間に8週間も有給がある!

04
フランス → 小学生の給食は、フレンチのフルコース!

05
ドイツ → 部下の休日に上司が連絡をすると、法律違反になる!

06
フィンランド → 宿題がないのに、学力は世界トップクラス!

07
ポルトガル → 麻薬を使用しても犯罪にならない!

08
ノルウェー → 犯罪者が牢屋ではなく、一軒家に住んでいる!

…などなど、我々日本人にとってもオドロキの「ジョーシキ」ばかりで、観ているこちらも“目からうろこ”。
でも、ちょっと待って。
マイケル・ムーアはこれまで、過激さと「非ジョーシキさ」を武器に、社会問題を独自の視点で一刀両断してきたはず。
何故、マイケル・ムーアはこれほどまでに「ジョーシキ」を追求するのか。
そして、その真実を知ったとき、マイケル・ムーアが出した結論とは…。
ひょっとしたら、日本人も身につまされるような内容、かもしれません。

驚きと笑いに満ちた映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、全国ロードショー中です。

09

2016年5月27日から全国ロードショー
監督・製作・脚本・出演:マイケル・ムーア
(C)2015, NORTH END PRODUCTIONS
公式サイト http://sekai-shinryaku.jp/

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