米オバマ大統領広島訪問取材報告【イイダコウジ そこまで言うかブログ】

 
現職のアメリカ大統領として歴史上初めて被爆地・広島を訪問したオバマ大統領。謝罪の言葉はありませんでしたが、世論はおおむね前向きに受け止めたようです。

『内閣支持率55%に上昇 米大統領広島訪問98%評価 共同通信世論調査』(5月30日 産経新聞)http://goo.gl/l7Garn
<共同通信社が28、29両日に実施した全国電話世論調査によると、安倍内閣の支持率は55・3%で、4月の前回調査48・3%から7・0ポイント上昇した。不支持率は33・0%だった。オバマ米大統領の広島訪問について「よかった」との回答は98・0%に達した。オバマ氏が広島訪問で「謝罪するべきだった」は18・3%。「謝罪する必要はなかった」が74・7%を占めた。>

『オバマ氏広島訪問「評価」92% 本社世論調査』(5月29日 日本経済新聞)http://goo.gl/1iNEpr
<世論調査で27日にオバマ米大統領が被爆地、広島を訪れたことについて聞いたところ「評価する」が92%に上り「評価しない」は4%にとどまった。内閣不支持層でも88%が評価しており、米国の現職大統領として初の広島訪問は圧倒的な支持を集める結果となった。>

私も前日木曜日の夜から広島に入り、当日は朝から平和記念公園周辺を取材しました。昼12時を境に規制線が張られ、公園への入場が禁止されるということで、午前中、慰霊碑前は地元の人や外国人のツアー、修学旅行生たち、それに多数の報道陣でごった返していました。
地元の方々にお話を伺おうと声を掛けてみると、皆さん被曝2世、3世で、お年寄りの中には被曝された1世も多数いらっしゃいました。原爆投下というのは決してはるか昔ではない。71年という年月は長いとも言えますが、決してはるか昔ではない。
当たり前のことなんですが、まずはこのことを実感しました。
0歳の時に被爆したという男性にお話を伺ったんですが、
「謝罪までは求めない。ここ広島に来ることで、何がしか感じるものがあるはずだから」
と話してくれました。

事前に東京でも様々な会見等がありましたが、そこでもオバマ広島訪問について批判的な向きは少なかったように感じます。日本原水爆被害者団体協議会事務局長の田中煕巳氏は日本記者クラブでの会見で、
「今回のオバマ訪問は歓迎とまでは言わないが、来て資料館に行き、直接被爆者と会って直に感じてほしいとずっと訴えてきた」
と話し、謝罪については、
「原爆は何十万人という罪のない人々を一挙に殺した。被爆者の被害は持続している。少なくとも被爆者には謝罪をしてほしい。だが、それを強く求めることで、(オバマ氏の動きを縛り)核兵器廃絶の障害になるのであれば、ぐっとこらえて謝罪は口にしない」
として、謝罪を求めない意向を示しています。

『会見リポート 日本原水爆被害者団体協議会事務局長 田中煕巳氏』(日本記者クラブ)http://goo.gl/aCR6Mq

このように考え方の右左はあまり関係なく、オバマ大統領の広島訪問を暖かく迎えようという雰囲気が市内にはあったように感じました。
そして行われた金曜夕方の広島訪問。10分という短い滞在ではありましたが、原爆資料館を訪問し、慰霊碑に献花。そして、予想をはるかに上回る17分間にわたる演説を行いました。滞在時間や演説の文言については様々な評価がありますし、新聞などのメディアや個人のブログに至るまでいろいろなところで詳細に検討されていますから、ここでは触れません。ただ、行事の終了直後、オバマ大統領と安倍総理が平和記念公園を離れた直後に何が起こったのかを見れば、当日の広島の雰囲気が分かります。

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オバマ大統領と安倍総理が手向けた花を写真に収めようと、規制が解除された直後から大行列ができ、それが夜遅くになっても途切れませんでした。反対が多数を占める中での訪問なら、こうはならなかったでしょう。

翌朝早く、献花が片づけられた慰霊碑にもたくさんの方が集まり、祈りを捧げていました。アメリカ・カリフォルニアから旅行で訪れていたご婦人がつぶやきました。

「今回のオバマ訪問とあの演説で、日本とアメリカが真の友人になれたと思う。私はそう、信じている」

この絆は、両国の指導者が代わっても続くでしょうか?11月のアメリカ大統領選本選で、早速問われることになります。

 

(飯田浩司アナウンサー「そこまで言うかブログ」 2016年5月30日)

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