健常のフェンシング以上に早い剣さばきが要求される-櫻井杏理(プロ車いすフェンシング選手)インタビュー(2)

ニッポンチャレンジドアスリート・櫻井杏理(プロ車いすフェンシング選手)インタビュー(2)】

障がい者アスリート(チャレンジドアスリート)、および障がい者アスリートを支える方にスポットをあて、スポーツに対する取り組み、苦労、喜びなどを語ります。

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櫻井杏理(さくらいあんり)
1988年11月15日、京都市生まれ。椎間板ヘルニアが悪化し、20歳のときから車いす生活に。アウトドア洋品店でアルバイト中に競技関係者にスカウトされる。2014年10月から車いすフェンシングを始め、日本のナショナルチーム入り。短期間で飛躍的な成長を見せ、2020年・東京パラリンピック代表候補として注目されている。

―日本車いすフェンシング協会の事務局長の原田さんに声をかけられた2週間後、櫻井はサーベルを手に取っていた。それまで、フェンシングをやったことはあったのだろうか?

櫻井 やったことどころか生で見たこともなかったです。最初に剣を持った時も、「ただまっすぐ突く」という単純な行為さえも難しくて、技術が要求されるスポーツだなということを実感しました。

―初めて知ったフェンシングの世界。櫻井はこの競技にのめり込んでいった。アルバイト先で車いすフェンシングにスカウトされた櫻井は、ナショナルチームの一員として練習することになった。通常のフェンシングと車いすフェンシングの一番の違いは?

櫻井 一定の距離で自分の上半身の前後の動きだけで距離をきらないといけません。健常のフェンシング以上に早い剣さばきが要求されるので、瞬時の判断力が必要だというところだと思います。

―車いすフェンシングでは車いすを固定して戦うので相手との距離は一定になる。実際プレーして一番面白さを感じるところは?

櫻井 相手との駆け引きですね。いかに自分の流れにもっていけるか。いかに自分が思っているように相手を動かせるかという心理戦が一番の楽しみです。距離が一定でかつ、相手が目の前にいるので、マスク越しでも相手の表情が伺えます。だから、相手が焦っている時とか表情でわかってしまうので、そのような時にいかに自分の動きに流れを変えられるかということは、このまえのアジア選手権でも体感してきました。

―今、日本のナショナルチームには男女それぞれ何人の選手がいるのだろうか。

櫻井 試合に出場するようなメインで活動している選手は男子で6~7人。女子は私1人です。

―紅一点の櫻井は必然的に男子と練習を行うことが多くなる。他の競技に比べるとあまり男女差はないように感じるが実際はどうなのだろう。

櫻井 男子はパワーに依存する選手が多いので振りも大きくなります。女子は、細かい動きで駆け引きもかなり長く、粘り強く続くので、1試合1試合、細く長いやりとりの末にやっと1ポイントということが多いです。ルールは(健常者のフェンシングと)ほぼ同じなので、健常のフェンシングをやっている女子の大学生に練習に来てもらって、車いすの上に座って剣を交えています。

(2016年5月23日~5月27日放送分より)

ニッポンチャレンジドアスリート
ニッポン放送 毎週月曜~金曜 13:42~放送中
(月曜~木曜は「土屋礼央 レオなるど」内、金曜は「金曜ブラボー。」内)
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