野田毅氏が自民党内で勉強会~石破氏、野田聖子氏ら参加【高嶋ひでたけのあさラジ!】

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7/12(水)FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』今日の聴きどころ!①

期待外れの「三本の矢」反阿部の流れ
6:29~ニュースやじうま総研!ズバリ言わせて!:コメンテーター鈴木哲夫(ジャーナリスト)

野田毅

自民党厚生労働部会に臨む、たばこ議連の野田毅会長=2017年5月15日午後、東京・永田町の自民党本部 写真提供:産経新聞社

自民党の野田毅氏が勉強会を開始

失速したアベノミクス。最近揺れる安倍政権だが、自民党内でも“反安倍”の動きが目立つようになってきている。少子高齢化問題などを含めた今後の日本の経済政策や財政政策についてジャーナリストの鈴木哲夫氏が詳しく解説。

高嶋)今日鈴木さんに渡された資料というのが自民党の野田毅さんについてで、月刊の「経済界」という雑誌で、野田さんは今何を主張しているのですか?

鈴木)要するに安倍さんのアベノミクスはもうだめだと。やはり自民党は政権与党として経済政策や財政政策をもう一度将来に備えてしっかりやらなければもう日本の国力が落ちてしまうということで、ある意味では安倍さんの路線に反旗を翻すというか、違うやり方があるのではという提言をしていて、勉強会を始めたのですね。

高嶋)国の借金は滅茶苦茶ある訳ですよね。それで株価も維持する為に日銀が相当お金を出して「〇時になると株が上がる」とか言われてしまうみたいで(笑)。
この頃心配だなと私でも思うのは、安倍さんの頭の中に「国家100年の体系」とか、政治家なら「国の将来をどうするか」というのを考えていかなければいけないのに「俺がやっている間が良ければ後は知らない。野となれ山となれだ」みたいなそういうブレーンで固められているでしょう。「1,000兆円を超えるお金をどうのこうのって問題にする人がいるけど、何の問題も無い。日本はお金があるんだ。貸借対照表でも作って見てみなさい」とか、いろんな人がいるじゃないですか(笑)。

鈴木)現にプライマリーバランスの問題にしても何にしても、花火は打ち上げるけど段々と軌道修正をしているのですよね。だからその現実を見ると「果たしてこんな甘い見通しで良いのか?」という議論が当然起こる。
そういう中で私はいつも言うのですけど「ポスト2020年」、つまりオリンピックの年。オリンピックまでは何とかムードは持つけれど、そこから先の日本は大変なことになる、少子高齢化を含めて。そこに備えて「ポスト2020年」というのは大変な時代だと。だから今そこへ向けてしっかりと議論しなければいけない。
例えばこの野田さんの勉強会では消費税。「誰も消費税を上げたくはないよ」と。だけどこれもやはり社会保障のいわゆる財源として将来考えたら子供が減って税収も減る、高齢者も増える。その為にはこれはやっておかなければいけないのではないかと。でも安倍さんはそれを見送っているでしょう。
だからこういうことに真っ向から挑んでいるというか、ある意味では自民党の中のひとつの安倍さんと反安倍という動きと見て良いですね。

 
デッドロックに乗り上げたアベノミクス 「3本の矢」の“3本目”は一体どこに?

高嶋)それで私は本当に期待していたのはアベノミクスの「3本の矢」で。「トリクルダウン」とか言っていましたよね。最初はお金をいっぱい持っている会社とか潤っている人たちから段々と滴り落ちて来て、我々下々が旨い汁が吸えるようになるみたいな。
ところがもうアベノミクスがこの頃デッドロックに乗り上げていると言われていて、マイナス金利までやってこれだけやっても全然良くならない。「一体どこがおかしいんだ?」というような。
今日の新聞にも「脱アベノミクス自民40人 石破・野田聖子氏ら勉強会」という。これはやはり国の財政とか国の将来に対して「これはちょっと心配だからこうしよう、ああしよう」ということを考えているということですか?

鈴木)そうですね。基本的にアベノミクスはそれなりに一定の成果はあった。だけどもうこれはもはや破綻している、いつまでも続くものではないということで、この勉強会というのを野田さんが始めていて。
これ実は代理出席・本人出席を合わせて80人集まっているのです。もう2回やっているのですよね。その中に実は石破さんとか野田聖子さんとかこういう人たちも入って来ているということなので、ある意味では来年の総裁選挙に向けて与党の根幹である経済政策・財政政策についての安倍さんのいわゆる対抗軸のような考え方が自民党の中で大きく打ち出されていく可能性があるということですね。

高嶋)政局扱いされるかもしれないけども、国の将来を考えたら当然こういう動きだって然るべきだということなのですね。

鈴木)絶対大事だと思いますよ。

高嶋)それで安倍さんも最初の内は民主党から変わったわけだから、あの体たらくから。そうしたらもう日銀総裁まで自分の意のままに御せる人みたいな感じで大胆なことをやって、ものすごく期待しましたよね。ところがあの「3本の矢」が、特に最後の矢は放ったのかどうなのか……。
鈴木)「3本目の矢はどこに行ったんだ?」ってよく言われますよね。

 
アベノミクスへの自己検証が今後の課題

高嶋)それからとても失望感が襲って来て、そして今これだけ支持率が下がるというような状況になると急に絵柄が変わってしまいましたよね。

鈴木)だから安倍さんに必要なのはやはりアベノミクスの厳しい自らへの検証だと思うのですね。これは他の問題もそうだけど、やはり自己検証というのがこの政権は足りないのではないかと私は思うのですね。この経済も特にそうですよね。だからこの自己検証をまずしっかり出来るかどうか、そこに一石を投じているのがこの野田さんたちの勉強会なのだけれども、安倍さんがそれをどこまで深刻に受け取るか。
またまずくなったら将来のことで夢を語って……夢を語るのは良いのですよ、でも夢ばかりではなくて現実を見て何をすべきかというのもやはり政権与党の役目ですからね。

高嶋)とにかく子供が少なくなって高齢化で、私なんかも爺さんになってきてこれから医療費の恩恵を受けるようになるのだろうと思うのですけど、今の状況で行くと国民の世代で言うとどのくらいの人が割を食うのですか?

鈴木)まあいろんな見方がありますけど、40代くらいから下はもう相当厳しい制度の中でやっていかなければいけないと思いますね。だから本当に他人事ではないですよ。

高嶋ひでたけのあさラジ!
FM93AM1242ニッポン放送 月~金 6:00~8:00

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